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表紙画像 (同日出版『シンクロナイズド・』(岩波書店)) 目次 採用問題集 評価軸について 懸賞問題 この本は、『論理パラドクス――論証力を磨く99問』の姉妹編です。問題のダブりはありません(根っこの共有はたくさんありますが)。姉だけ、妹だけとお付き合いくださるのでも十分ですけれど、2冊あわせると《パラドクス百科全書》最強版になったのではないかと自負しています。 オリジナル問題は少数で、9割以上は、哲学・論理学・社会科学で物議をかもした血統書つきの問題です。難易度は『論理パラドクス』と同じくらいですが、『論理パラドクス』と本書が違っている点を3つ挙げておきましょう。 まず第一に、問題の傾向がかなり異なります。本書では、ゼノンのパラドクスをはじめ、『論理パラドクス』が敬遠していた「無限」に関する問題をちりばめました。 第二に、今回は、パラドクス発症の原因にこだわりました。「論証」や「合理性」が窮地に陥ったときの治療レシピを示すという、体系志向をあえて隠さなかったのです。その結果、問題文や解答の中で、他の問題に言及する関連付けの記述が増えました。とりわけ、パラドクス界の王道「嘘つき」の親戚を改めておおぜい紹介してあります。 第三に、人間の直観に反することではパラドクス界の裏王道とも言える「確率」を再びクローズアップしましたが、目からウロコ的確率パズルを重視した『論理パラドクス』に対し、本書では確率パラドクス・確率ジレンマを多く扱ってみました。 パズル、パラドクス、ジレンマの違いはこうです。正解がただ1つに決まるパズル。正解らしきものが1つも見当たらないパラドクス。互いに両立しない正解らしきものが複数あるジレンマ。本書の確率問題には、見かけは中学校レベルなのに専門家のあいだで定説のない難問がいくつか入っているというわけです。 アカデミックな論理を、ビジネスや日常生活や試験や運勢占いへ応用できるかどうか、どうぞ試してみてください。 |