バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私が考える良い(善い)人生とは幸せな人生である。良い人(善良)であれば幸せになれるという意味ではなく、幸せであれば良い人(善良)になれるという意味である。不幸は大部分の人々の魂に深く刻み込まれている。私達は皆、一見して陽気であるかのように見える人生を歩みながら、バッカス(酒神)のような種類のものであれ、その他のものであれ、常に陶酔(我を忘れて酔いしれること)を求めている人をどれほど多く知っていることだろうか? 幸せな人は陶酔を望まない。 また、隣人を妬んで憎むこともない。

The good life, as I conceive it, is a happy life. I do not mean that if you are good you will be happy; I mean that if you are happy you will be good. Unhappiness is deeply implanted in the souls of most of us. How many people we all know who go through life apparently gay, and who yet are perpetually in search of intoxication whether of the Bacchic kind or some other. The happy man does not desire intoxication. Nor does he envy his neighbor and therefore hate him.
Source: Bertrand Russell: Bertrand Russell: New Hopes for a Changing World, 1951, p.16
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<寸言>
 為政者(権力者)やめぐまれた立場にある人達や宗教家は、人々が陶酔を求める傾向があることをよく知っています。そうして、人々(国民)のそうした傾向や心的態度を「利用」します。
 政治家は国民が夢中になって「悪政」を一時的にでも忘れてくれるような大きなイベント(オリンピック、万博、その他)を誘致したがります。そういった国民のために「多少」不正や汚職が行われても「見て見ぬふりをしてくれる」国民がいっぱいいます。また、マスコミも国民が熱狂することに水を指すような報道は控えてくれます。東京オリンピックが多額の賄賂によって誘致されたことも、コロナ禍にあっても、「選手のことを第一に考えて」という名目で強行実施しても、多くの人々は選手の活躍によって「感動を覚え」、「やってよかった」と思ってくれます。FIFAワールドカップも、開催までの10年間に、工事関係者(外国人労働者)が約6500人亡くなったことを一部のマスコミが伝えましたが、いったん始まったら報道するところはほとんどなくなりました。東京オリンピックと同様です。
 裕福な人々も自分達が享受している豊かな暮らしに比べると、いかに多くの人々が「貧困に甘んじていることか」と、優越感にひたることができます。「貧困ビジネス」に乗り出す人もけっこういます。
 宗教家は、地獄の思想などを説くことによって、人々に恐怖心を抱かせ、自分達が信ずる宗教に帰依すれば「救われる」と言って、勧誘活動に精を出します。現在は、旧統一教会に焦点があたっていますが、ほとんどの宗教は人間の恐怖心を「利用」します。
 ラッセルは、そういった人達(政治家、富裕層、宗教家)とは真逆の態度を示します。

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