バートランド・ラッセル『結婚論』第12章「試験結婚」(松下彰良・訳)- Marriage and Morals, by Bertrand Russell
総目次
第12章 試験結婚 イントロ累積版
- 合理的な倫理(合理主義的な倫理)の立場では、子供のいない場合は、結婚(制度)はそれ自体重要なものではないだろう。
- 私自身は,現状を満足すべきものと見ているとは言えない。
- 公認の道徳(世間の多くの人に認められている道徳)が現状のままで変わらない間は,もっと重大な問題は,時々(若者に)災いがふりかかってくる危険である。
- これまで考察してきた(いくつかの)欠点にもかかわらず,どんなに部分的なものであったとしても,アメリカの若者たちの(性の)解放には,彼らの年長者(の利点)と比べて,大きな利点がある。
- ベン・B・リンゼー判事(裁判官)は,- 彼は,長年,(米国)デンバーの少年裁判所の裁判長をつとめ,その地位において,(諸)事実を確かめるにあたって比肩なき機会に恵まれていた- 「友愛結婚」と彼が命名した新しい制度を提案した。
- にもかかわらず,リンゼー判事の提案は,アメリカの至るところで,あらゆる中年の人々やあらゆる新聞から,嫌悪(と恐怖)の怒りの声とともに迎えられた。
- 私としては,友愛結婚は正しい方向への一歩であり,大きな利益をもたらすものであると固く信じているけれども,友愛結婚は(だけでは)まだ不十分であると考える。