バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 政府の宣伝技術は、大人に適用されるものであり、広告主の実践に由来している。商業的競争は、成功する広告の種類に関するデータを提供してきた。(即ち)広告の心理学は、米国において著名な心理学者によって注意深く研究されてきた。広告は、繰り返しと印象的な主張によって信念を生成する技術であり、完全に理性へのあらゆるアピールから切り離されている。経験上、平均的な男性は、1日に100回Aの石鹸が最高で、50回Bの石鹸が最高だと言われれば、-企業Aは自分の懐(利益)のために主張しているのであって、真実に対する公平無私な愛情から主張しているのではないことを彼は知っていても- Aの石鹸を買うだろう。

The technique of Government propaganda, as applied to adults, is derived from the practice of advertisers. Commercial competition has provided data as to the kind of advertisements that are successful; in America, the psychology of advertising has been carefully studied by eminent psychologists. Advertising is the art of producing belief by reiterated and striking assertions, wholly divorced from all appeal to reason. Experience shows that the average man, if he is told a hundred times a day that A's soap is the best, and fifty times a day that B's is the best, will buy A's, although he knows that A is making the assertion for the sake of his own pocket, not from a disinterested love of truth.
Source: Government by Propaganda, 1924
In: In: These Eventful Years; the twentieth century in the making(London, Encyclopaedia Britannica, 1924),pp.380-385.
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<寸言>
 今はネット上でいろいろな情報や意見を知ることができますので、インターネットがなかった時代とは事情が少し異なります。しかし、繰り返しの言葉によって多くの人がけっこう影響を受けているという事情はあまり変わっていません。
 その証拠に、日本においても、政府が「丁寧な説明に努める」と何度も言いながら、ほとんど同じ説明を繰り返すことによって、国民も飽きてきて、「人の噂も七十五日」ということで、そのうち国民も大事な問題もあまり関心をもたなくなり、「政府も一安心」ということを繰り返しています。

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