バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私が言いたいのは(今言おうとしているのは)、発生的かつ因果的には、最も精巧な帰納と最も初歩的な「学習された反応」の間に重要な違いはないということである。一方(帰納)は他方(学習された反応)が発達した形態のものに過ぎず、根本的に違うものではない。そうして、たとえ論理学者として信ずる理由がまったくなくても、私達(人間)が帰納法の結果を信じようとするのは、実は連合(連想)の原理の効力によるものであり、サンタヤーナ博士が「動物的信念」と呼ぶものの一例 -おそらく、最も重要な例- なのである。

.What I am saying is that, genetically and causally, there is no important difference between the most elaborate induction and the most elementary "learned reaction." The one is merely a developed form of the other, not something radically different. And our determination to believe in the results of induction, even if, as logicians, we see no reason to do so, is really due to the potency of the principle of association; it is an example - perhaps the most important example of what Dr. Santayana calls "animal faith."
Source: Outline of Philosophy, 1927, chapter 7: Inference as a habit.
More info.: https://russell-j.com/cool/OP_1927.pdf

<寸言>
 我々人間は、産まれた直後から、外界からいろいろな刺激を受けて学び、それらの経験に基づいていろいろな習慣を身に着けます。
 人間を含めて動物は、そういったいろいろな経験や知識をもとに(いわば「帰納法」を使って)新しい事態に対処しますが、それは本質的にいって動物的信念」の発達したものにすぎない、とのラッセルの指摘です。
 過去に99回あることを経験すると、同じように見える100回目の出来事は、帰納法(動物的信念)により、過去の経験と同じものとして行動しますが、悲しいかな「帰納法」は絶対的なものではなく、間違った行動(反応)だとわかることによって、ビックリします。
 この地域では、過去100年間、マグニチュード5以上の地震は起こったことはないということで原発を建設したところ・・・!
 (もし大地震が起こって万一原発の大規模な事故が起こっても、「想定外」の事態であれば、責任を負う必要はないと多くの為政者は考えているようです。「想定外のことは想定できない」ですが、「想定外」と言って「責任回避」できるようにしておくためには、「想定しない」ことにしておく必要があるというしだいです。)

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