バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

  人類は皆一つの家族であり、国家への分割(区分)はつまらない愚行であるという感覚・感情は、教育がその目的(そういった感覚を生み出すこと)に向けられれば、平均的な少年少女に非常に容易に生み出すことができるであろう。
(しかし、ほとんどの国家は、初等教育において、"まず"愛国心の醸成をはかる。)

The feeling that mankind are all one family, and that the division into nations is a trivial folly, could very easily be produced in the average boy or girl if education were directed to that end.
Source: Freedom in education; a protest against mechanism
In: Dial, v.74: Feb. 1923, p.153-164.
* Also in: Kaizo, v.5, n.2: Feb. 1923, p.77-86.
More info.: https://russell-j.com/cool/PofIC_1923.pdf

<寸言>
 これは今からちょうど100年前に、日本の(当時の進歩的な雑誌である)『改造』誌及び Dial 誌(米国)の1923年(大正12年)2月号に掲載された小論文「Freedom in education; a protest against mechanism.」の一節です。
 今読めばどうってことない発言でも、大正時代の日本人にとっては「愛国心」が最重要と考える人が多く、一部の進歩的な日本人にしか響かなかったと思われます。いや、今でも、そんなことは理想論だと言って一刀両断にして無視する人がけっこういそうです。
 皮肉なことに、うさんくさい人の方が(別の意図から)同じようなことを言ったりします。日本の有名な右翼で笹川財団の創設者の故・笹川良一は(A級戦犯でしたが朝鮮戦争を契機に、GHQは方針を変え、)反共運動の担い手として、(同じくA級戦犯だった)岸信介とともに、(巣鴨プリズンから)釈放されました! ふたりとも、旧統一協会と関係が深く、笹川良一は「人類みな兄弟」をスローガンにしました。他のお多くの信仰宗教も「教祖のもとに人類は皆兄弟」をスローガンとして掲げます。ただし、もちろん、「国家は廃止すべきだ」と"真面目に"主張することはありません。
 現在の日本財団は競艇(ボートレース)の収益金を財源として笹川良一によって創設されたもの(総資産額約3000億円)で、いろいろな社会貢献事業をやっています。しかし、旧統一教会との関係など、裏で何か不適切なことをやっていないか、注意する必要はありそうです。

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