data:image/s3,"s3://crabby-images/51cc0/51cc07b806fd6f38311f8ef5724e757a37bb36f6" alt="バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
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![]() ラッセル英単語・熟語1500 |
現代(現在/同時代の)出来事をその歴史的な背景の中で眺め、その出来事が[時間が経過して]過去のものとなった時にどのようにみえるだろうか、などと想像する習慣を身につけることは、正気と冷静な判断の助けとなる。...
私達は現在に生きており、現在に行動しなければならない。しかし、人生は行動が全てではない。行動は、現在が持つその感情的執拗さ(固執)がなくなるような、広い概観(調査)から始まる場合に、最良のもの(行動)となる。
It is a help towards sanity and calm judgment to acquire the habit of seeing contemporary events in their historical setting, and of imagining them as they will appear when they are in the past. ... We live in the present, and in the present we must act; but life is not all action, and action is best when it proceeds from a wide survey in which the present loses the sharpness of its emotional insistence.
Source: Free thought and official propaganda, delivered at South Place Institute on March 24,1922.
Reprinted in: Sceptical Essays, 1928, p.154
More info.: Not available.
<寸言>
現在の出来事が過去になったらどのように見えるか(they will appear when they are in the past)ということを想像する習慣を身につけるとよい、とのラッセルのアドバイス。
たとえば、安部元総理の国葬儀。岸田総理は国会にはかることなく、安部元総理の葬儀を国葬(国葬儀)にすることを閣議で(実質的には岸田総理が)決めて実施してしまいました。菅元総理の(虚偽のエピソードの疑いのある)挨拶が「一部に」感動を呼んだとのことですが、反対する国民の方が多数をしめました。
岸田総理は、安部元総理の葬儀を国葬儀にすることによって将来どのように評価されることになるとどれだけ考えたでしょうか? もちろん全然考えなかったことはないでしょうが、それよりも、安部元総理の国葬儀を行うことによって(自民党最大派閥の)安部派の支持を得て、政権基盤をより確かにすることができると考えたのではないでしょうか? 岸田総理が小人物に見えて仕方がありません。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell