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ラッセル関係書籍の検索 ラッセルと20世紀の名文に学ぶ-英文味読の真相39 [佐藤ヒロシ]

バートランド・ラッセル英単語_語源を参考に理解_039

for(t) / burg(h) / bury / borough = 強い、高い、要塞都市



清水建二(編)『英語の語源大全』p.163-167から引用

 イタリア語で「弱音と強音」は"piano e forte"で、「フォルテ」はラテン語の"fortis"に、さらには印欧祖語で「高い」や「強い」という意味の"bhergh"に遡ります。
 "fort"と"fortess"は「砦、要塞」。"force"は名詞で「暴力、軍隊」、動詞で「規制する」。"effort"は「外に力を出す」ことから「努力」、"fortify"は「強化する」。"comfort"は体がすっかり丈夫な状態、つまり、体に負荷のない状態から「快適さ、元気づける」となります。
 高い場所にある要塞内に暮らす人達が語源の「中産階級、ブルジョア階級」は"bourgeoisie、海面より高いところにある「氷山」は"iceberg"、要塞に侵入する「侵入窃盗犯」は"burglar"です。
 "burg"に"h"をつけた"burgh","borough"も、"bury"のついた地名も城や要塞都市の意味です。

* fortess : 強い、高い → 「要塞」
* Hamburg : ham(川の湾曲部) + burg(城、要塞都市 → 「ハンブルク(ドイツの都市)」
* burglar : 要塞に侵入する人 → 「侵入窃盗犯」
* Luxembourg : Luxem(小さな) + burg(城、要塞都市) → 「ルクセンブルク」
* Edinburgh : Die Eidyn"(エイデンの丘) + burgh(城、要塞都市) → 「エディンバラ」
* Pittsburgh : 元英国首相の William Pitt に因んで命名 → 「ピッツバーグ」
* Canterbury : Canter(ケント州の人々の) + bury(要塞都市) → 「カンタベリー」

★ burglar【(n) (通例、夜間の)盗賊、野盗、侵入窃盗犯】

* burglary (n):住居侵入罪;押し込み

1.ラッセルの用例


ラッセル英単語・熟語1500
My house in London was recently entered by a burglar.
[私のロンドンにある住居(注:ハスカー通り43番地にあり)が最近押し入り強盗犯に侵入されました。]
 出典:ラッセル『拝啓バートランド・ラッセル様(市民との往復書簡集)』の中の「レッド・ハックル(ウィスキー)に感謝

Ethics is an attempt to give universal, and not merely personal, importance to certain of our desires. I say "certain" of our desires, because in regard to some of them this is obviously impossible, as we saw in the case of the burglar.
[倫理(と)は,我々(人間)の欲求のなかのある一定の欲求に対して,普遍的であって単に個人的なものではない重要性を与えようとする試みである。私が,我々の欲求のなかの「一定の(欲求)」と言うのは,強盗の欲求の事例で見たように,欲求のある種のものに関してはこのこと(重要性を与えること)は明らかに不可能だからである。]
 出典:ラッセル『宗教と科学』第9章「科学と倫理

2.参考例

The state prosecuted the man for burglary.
[州はその男を住居侵入罪で起訴した。]
 出典:『究極の英単語 v.3: 上級の3000語』, p.260

A burglar is a thief who enter a house or other building by force.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new ed.