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ラッセル関係書籍の検索 ラッセルと20世紀の名文に学ぶ-英文味読の真相39 [佐藤ヒロシ]

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バートランド・ラッセル名言・格言集

2.宗教・倫理思想

神の存在

・もしもあらゆるものが原因を持たなければならないとするなら、神にも原因がなければなりません。もし原因なしに何かが存在することができるとするならば、神でなくても、世界であってもよいことになります。
・世界には初めがなければならないという考えは、実際、我々の想像力の貧困によるものです。


ラッセルの言葉366

宗教は文明に有益な貢献をしたか?

・私は宗教を恐怖から生まれた病気として、また人類への無限の惨めさの根源であると考えます。
・ある人の言ったことに絶対の真理が含まれているということになると、彼の言ったことを解釈する一団の専門家達が現れて、これらの専門家達は決まって勢力を獲得する。・・・。(そして、)他の特権階級と同じように、彼らはその特権を自分の都合のよいように使用します。

犯罪への興味

 ...。世間の話題になるような犯罪人、例として、小金を貯えた孤独な守銭奴の老人を殺して庭に埋めたが、最後にその長靴のかかとに泥がちょっぴりついていたために発覚して逮捕された男のことを考えて見よう。彼の行動は、人類の幸福増進の上で、月並みな博愛主義者そこのけの貢献をする。彼から恩恵をうけるのは、この守銭奴の老人の相続人や、犯罪を摘発して犯罪を断罪した功で昇進を果たした刑事ばかりではない。彼ら以外にも、文明世界を通じて何百万という家庭の人々が、この種のセンセーショーナルな事件に興奮して、一時期彼らのもめ事や退屈を忘れるという事実を思いおこしてほしい。・・・。
 センセーショナルな犯罪への世間の一般的興味の理由が何かは、あまりはっきりしないが、私はそれが二つの要素からなると思う。一つはいじめ(迫害)の喜びであり、もう一つは人を殺したいと思っているがあえて実行できない人たちの、心の中の空想的発散である。
 人間の心の中の、迫害行為に対する快感は、通常、人が認めたくないほどに強力な要素であると私は思うし、現にそれは民衆による道徳的憤怒の発散の場合に、必ず一役買っている。ボルネオの首狩り族の間では、この行動は何ら道徳的ハッタリの必要なしに承認されるのに反して、文明国民は自分の低俗な感情の発散を、高貴な倫理感情の衣装で包まずには満足に享受しえない。殺人者に対してならば、首狩り族と同じ野蛮な衝動を発散させても、民衆はそれを野蛮と意識せず、逆に自分を徳性と善良な市民意識の持ち主だと信ずることができる。 ・・・
 犯罪への興味を生むもう一つの動機、つまり、犯人への共感の動機は、前者よりも一層秘密で無意識なものであるが、しかしその果たす役割は明らかである。法の制裁が存在しなかったら、殺人の衝動は、多くの人が考えるよりも、はるかに一般的となろう。・・・。

Interest in Crime

 ....Consider a sensational murderer,a man,let us say,who murders a solitary and elderly miser,buries him in his garden, and is ultimately convicted by means of small particles of clay adhering to the soles of his boots. Such a man does more to further human happiness than falls to the lot of most philanthropists. I am thinking not only of the miser's heirs, or of the detectives who win promotion by bringing the crime home to its perpetrator; I am thinking of all the millions of family circles throughtout the civilised world who for a moment forget their bickerings and boredomes in the excitement of a sensational case. ...
 The reason for the universal interest in sensational crime is a little obscure. I think it is made up of two parts: one is the pleasure of the hunt, and the other the imaginative release in the minds of those who would like to commit murders but dare not.