バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 この種の転移された憎悪の最も奇妙な形態は、スケープゴート(身代わりの犠牲者)を探す習慣である。この場合、憎むべきは我々自身(自分自身)であるが、この感情は不快であるため、自分達の罪悪感を全て不幸な犠牲者に押し付けてしまうのである。旧約聖書では、犠牲者は山羊である。初期の時代においては犠牲者は人間(例:人身御供;人柱など)であったので、これ(犠牲者を動物に変えたこと)は人道的な改革を表している。

The most curious form of this kind of transferred hatred is the habit of looking for scapegoats. In this case it is ourselves that we hate, but as this emotion is uncomfortable, we manage to heap all our own feelings of guilt upon some unfortunate victim. In the Old Testament the victim is a goat. This represents a humanitarian reform, because at an earlier time the victim had been human.
Source: To face danger without hysteria; We must not let our foreign policy be based on unreasoning fear, Bertrand Russell warns.
In: New York Times Magazine, 21 Jan. 1951, pp.7, 42, 44-45.
* Original title: On mass hysteria.
More info.: Not available

<寸言>
 失敗の理由や原因は自分達自身にあることは内心わかっていても、それを認めたくないということで、自分達の内部の特定のグループ(通常は社会的弱者)のせいにしたり、好ましく思っていない外国あるいは外国人の集団のせいにしたりすることは、けっこうあります。
 原因が自然現象(自然災害)の場合は、古代においては人身御供や人柱などによって自然(の神)の怒りを鎮めようとしましたが、近代になってからは、山羊や羊などの動物に変えられるようになりました。そういった意味では、ラッセルが言うように、「人道的な改革」が行われたと言えます。
 ただし、スケープゴートを選び出して、直接的及び肉体的に攻撃することは減ったと言えますが(あるいはそういうことがあれば非難されるようになっていますが)、ネット(SNSなど)の発達により、間接的及び心理的・精神的に攻撃することは逆に増えていると言うべきでしょうか?

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