バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 英国において,また米国においても,純粋な学問を減らす恐れのある主な力は,無知な富豪から寄付金を得ようとする欲求であった。これに対する治療法は,産業界の大物には理解することのできない目的のために公費を使うことを惜しまない(ような)教養を備えた民主主義(educated democracy 機械的な民主主義ではなく,民度の高い民主主義)を創りだすことにある。これは決して不可能ではないが,そのためには知的レベルが一般的に向上する必要がある。もし,学者達がもっと頻繁に金持ちの居候的態度(食客的態度)から解放されるならば,それはずっと容易になるだろう。そのような態度は,パトロンが学者の生計の自然な源泉であった時代から受け継がれたものであった。

Both in England and in America, the main force tending to its diminution has been the desire to get endowments from ignorant millionaires. The cure lies in the creation of an educated democracy, willing to spend public money on objects which our captains of industry are unable to appreciate. This is by no means impossible, but it demands a general raising of the intellectual level. It would be much facilitated if our learned men would more frequently emancipate themselves from the attitude of hangers-on of the rich, which they have inherited from a time when patrons were their natural source of livelihood.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926
 More info.: https://russell-j.com/beginner/OE17-040.HTM

<寸言>
 この本(『ラッセル教育論』)が出されてからほぼ100年が経過し、だいぶ事情が変わってきました。しかし、「大学入学者選抜の原理は教育的であるべきであり,経済的であってはならない」というラッセルの主張は今でも傾聴すべき言葉です。
 2022年7月10日に安倍元総理を銃撃(銃殺)した山上容疑者は、頭脳明晰ではあっても、家庭の事情(母親による統一教会への1億円以上の寄付のせい)で大学に進学できず、専門学校にいかざるを得ませんでした。山上容疑者の父親(自殺)は京大工学部卒であり、山上本人も奈良市の偏差値68の高校(進学校)の卒業生であり、本来なら、東大や京大に合格する力がありました。
 政府は貸与奨学金の拡大をさかんに宣伝しますが、生活費さえ足りない山上容疑者の場合は奨学金だけでは大学に進むことはできませんでした。山上容疑者の場合は、特殊ではありますが、低所得層からみれば、日本においては、教育的見地ではなく、経済的見地で進学の可否が決まっていると思うのは「被害妄想」ではなく、十分理解できます。

楽天アフィリエイトの成果(ポイ ント)は本ホームページのメンテナンス費用にあてさせていただきます。ご協力よろしく お願いいたします!
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell