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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0908_2024/11/03 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2792~2796 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語熟語」は、2792-2796
(2)「ラッセルの英文」は、n.2792-2, 2794-2, 2796-2
1つずつ再掲します。
■■ ラッセルの英語1 n2792- R英単語熟語
★ contagious (adj.)【伝染する,伝染性の】
* 『英単語の語源図鑑』p.247説明:「con-(共に)」+ 「tag(触れる)」→
「触れ合っている」
* contagion (n):接触感染,伝染病(注:空気感染のものは除く)
1.ラッセルの用例
The contagious character of emotions also has its uses, when the
contagion is from a wiser person to a more foolish one.
[感情の伝染するという性格もまた,その伝染がより賢い人からより愚かな人に
起こるのであれば,効用を有している。]
出典:ラッセル『教育論』第一部_教育の理想_第2章「教育の目的」
https://russell-j.com/beginner/OE02-210.HTM
For this there are many reasons : of pride and vanity, of ignorance,
and of contagious excitement.
[これには幾つかの理由(reasons わけ)がある。誇りと虚栄のため,無知の
ため,興奮の伝染しやすさのため,といった理由である]
出典:ラッセル『権力-新しい社会分析』第10章「権力の源泉としての信条」
https://russell-j.com/beginner/POWER10_090.HTM
The untrue things which men believe, and the true things which they
disbelieve, are an index to their impulses - not necessarily to
individual impulses in each case (since beliefs are contagious), but
to the general impulses of the community.
[人々が信じる真相に反したことどもと,人々が信じようとしない真実のことど
もとは,その人々がいだくさまざまな衝動 -かならずしもそれぞれの場合にお
ける個人的な衝動を意味せず(なぜなら信念というものは伝染性をもつから),
人々が属する共同社会の一般的諸衝動- を示す指標である。]
出典:ラッセル『社会改造の原理』第1章「成長原理」
https://russell-j.com/cool/10T-0101.HTM
2.参考例
The number of tourists has notably slumped since the contagious
disease broke out.
[伝染病が発生してから観光客の数は目に見えて落ち込んでいる。]
出典:『究極の英単語 - 級の3000語』p.198
Chiken pox is a highly contagious disease.
[水疱瘡は非常に伝染性の強い(高い)病気である。]
出典:『英語の語源図鑑』p.247
Tuberculosis is a contagious disease.
[結核は伝染病である。]
出典:『キクタン super 12000 - 聞いて覚えるコーパス英単語』p.293
a contagion of fear / contagious laughter/enthusiasm
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
A disease that is contagious can be caught by touching people or
things that are infected with it.
出典:Collins COBUILD English Dictonary for Advanced Learners, new
ed.
■■ ラッセルの英語2; R英文
ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
(Human Society in Ethics and Politics, 1954)
第6章:道徳的義務 n.19
「客観的正しさ」という概念が何らかの目的を果たすためには、理論的な条
件と実践的な条件の2つを満たさなければならない。理論的な条件とは、ど
のような行為が「客観的に」正しいかを知る何らかの方法がなければならない
ということであり、実践的な条件とは、少なくとも一部の人々にとっては、
ある行為が客観的に正しいと認められることが、その行為の実行を促す動機と
ならなければならないということである。
まず、「客観的に正しい)」は定義不可能であるという考え方(見解)をとり
あげてみよう。その場合、「客観的に正しい」について何らかのことが知られ
るべきであるとしたら、それ(「客観的に正しい」)に関する実証不可能な命
題 -その真理は倫理的直感によって認識されなければならない- が少なく
とも一つ存在しなければならない(ということになる)。客観的に正しい行為
とは、一般的な善を最も促進する行為でると言ってよいかも知れない。もし誰
もが私に同意するなら、この理論は受け入れられるかもしれない。いずれにせ
よ、論理的に反論できるものではない。あなたは、そのような概念が存在しな
いこと、あるいは私がそれについて知っていると言っていることを私が知らな
いことを証明することはできない。しかし同様に、客観的に正しい行為とは、
あなたやドイツ人や白人の善を促進する行為だと言うのであれば、私はあなた
が間違っていることを証明することはできない。反論すれば、下品な罵倒に頼
らざるを得ない。私はこう言うことができる: 「先生、用語の使い方を間違
えています。倫理的直観は崇高な能力ですが、あなたには明らかに欠けていま
す。倫理的直観は無私無欲を教える能力であり、自己の外に出て、神のような
公平さで世界を見ることを要求する。それは、科学的な見通しが思考の領域に
おけるものであるのと同じように、行動の領域におけるものである。しかし、
あなたについては、あなたは地上に縛られ、生まれつきの偶然に縛られ、
「ここ」と「今」の束縛から解放されることのできない、うだつのあがらない
哀れな人間なのです」。
If the concept of "objective rightness" is to serve any purpose, it
must satisfy two conditions, one theoretical and the other practical.
The theoretical condition is that there must be some way of knowing
what kinds of acts are "objectively "right" ; the practical condition
is that, at least for some people, the fact that an act is recognized
as objectively right must be a motive prompting its performance.
Let us first take the view that “objectively right” is indefinable.
In that case, if anything is to be known about it, there must be at
least one indemonstrable proposition about it, the truth of which will
have to be recognized by an ethical intuition. I may say that I have
such an intuition telling me that the objectively right act is that
which probably does most to promote the general good. If everybody
agreed with me, this theory might be acceptable. It is, in any case,
not logically refutable. You cannot prove that there is no such
concept, or that I do not know what I say I know about it. But
equally I cannot prove that you are mistaken if you say that the
objectively right act is that which promotes your good, or that of
Germans, or that of white men. I shall, if I argue, be compelled to
resort to vulgar abuse. I can say: "Sir, you are misusing terms.
Ethical intuition is a noble faculty, of which you are evidently
destitute. It is a faculty which teaches disinterestedness, which
requires you to get outside Self and view the world with God-like
impartiality. It is in the sphere of action what the scientific
outlook is in the sphere of thought. But as for you, you are
earth-bound, you are fettered to the accidents of your birth, you are
a grovelling wretch incapable of emancipation from bondage to the
here and now."
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
chapter 6: Moral obligation, n.19
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0619.htm
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2918j-2923j を投稿
英 語 version : n.2918e-2923e を投稿
n.2916j (Oct. 25, 2024)
「イデオロギー(信条)と集団」
異なる神学を持つ者は奇妙に感じられ、奇妙なものは危険なものに違いない
(と感じられる)。実際、イデオロギー(信条)は集団を作り出す手法のひと
つであり、その心理(集団心理)は、集団がどのように形成されようとほとん
ど同じである。
The man who has a different theology feels strange, and whatever is
strange must be dangerous. Ideologies, in fact, are one of the methods
by which herds are created, and the psychology is much the same
however the herd may have been generated.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
part II: The Conflict of Passions, chapter 2: Politically important
desires, n.12
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-2_0214.htm
<寸言>
政治信条、宗教、その他何であれ、異なるイデオロギー(信条)を信ずる集
団同士はいがみ合います。自分が信じているイデオロギーは真実だと信じがち
ですが、違う国や地域に生まれ育てば、異なるイデオロギーを真理だと思って
しまうのが、現実です。
ところで、「the man who has a different theology feels strange, and
whatever is strange must be dangerous.」という文は誤読する可能性があ
るので、ChatGPT と対話してみました。
【私:「the man who has a different theology feels strange」の「feels
の主語は何ですか? 「感じる」ではなく、「感じられる」と訳しているの
で、「the man」は目的語となり、主語は「We」ということになるのでしょう
か?
ChatGPT: この「feels」は「奇異に感じる」という能動的な意味ではなく、
「奇異に思われる」「周りから奇異に見られる」というニュアンスです。
ラッセルの言い回しで、本人がそう「感じさせられる」という、周囲の視点か
らの影響を受けていることを暗示しています。
私:言葉を補って書き直してください。
ChatGPT: 文を補足した場合の意味は次の通りです:
「the man who has a different theology is felt to be strange by many
people」
「異なる神学を持つ人は、多くの人々によって奇異に感じられる」
「whatever is strange is also perceived as dangerous by them」
「奇異なものは、彼らにとって危険でもあると認識される」
私:英和辞典を引くと、「feel」の意味として「感じる」というのはあります
が、「感じられる」という意味や用例はのっていません。なぜでしょうか?
ChatGPT: 英和辞典では「feel」を「感じる」と訳すのが一般的ですが、英語
の「feel」には、文脈によって「感じられる」という受動的なニュアンスが含
まれる場合があります。これは、日本語と英語で受動表現が異なることから生
じる翻訳上の調整です。
英語の「feel」は、主語が「自分がどう感じるか」を表すだけでなく、「他
者からどう感じられるか」「どのように思われるか」を示す場合もあります。
例えば、英語では「He feels strange」という文をそのまま「彼は奇妙に感じ
る」と訳すと意味が伝わりにくく、「彼は(他人から)奇妙に感じられる」と
することで、周囲からの見られ方を反映できます。】
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 「神に選ばれた人々? ― イスラエルとアメリカ」
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アメリカは宗教(キリスト教)の国であり、聖書の影響を強く受けている人
々(福音派)が国民の1/4もいるそうです。これに対し、日本は特定の宗教
を信じていない人がほとんどです。
アメリカ人で聖書(「モーセの十戒」など)を信じている人々は「殺人」を
強く非難します。しかし、理解できないことに、「正義の名のもとに」、「侵
略者」や「不信心者」を多数殺害することはあまり悪いことだとは思っていま
せん。
ハマスによって1200人以上のイスラエル人が殺害されました。その報復とし
て、イスラエルはガザへの空爆等によって4万人以上のガザ市民を殺害しまし
た。これは座視できない事態であり、米英以外の多くの国の市民から非難され
ています。
しかし、多くのイスラエル人は「ガザの市民を狙ったのではなく、ハマスに
対する攻撃をしたらたまたま犠牲になったものだ。気の毒だが仕方のないこと
であり。非難するんだったらハマスに対してすべきである」と主張します。
こういったイスラエルの主張に同調するアメリカ人も多数います。日本人だ
ったら、無関係の一般市民が多く犠牲になりそうなやり方は採用しません。
一神教(絶対神)を強く信じる人々(狂信者)は恐ろしいとともに、やっかい
です。
'God's Chosen People? - Israel and America.”
It is said that the United States is a nation of religions (a nation
of Christians), with as many as 1/4 of its population being strongly
influenced by the Bible (evangelicals). In contrast, most people in
Japan do not believe in any particular religion.
Americans who believe in the Bible (e.g.,"Ten Commandments of Moses")
strongly condemn “murder. But, understandably, there are many who
do not think it is so bad to kill large numbers of “aggressors” and
“unbelievers” “in the name of justice.
More than 1,200 Israelis were murdered by Hamas. In retaliation,
Israel has killed over 40,000 Gaza civilians by bombing Gaza and other
means. This is an unacceptable situation and is condemned by citizens
of many countries other than the U.S. and Britain.
Many Israelis, however, have stated, “We did not target Gaza
civilians; they were accidentally killed in an attack against Hamas.
It is unfortunate but unavoidable. If you are going to condemn, you
should do it against Hamas."
There are many Americans who agree with these Israeli assertions.
The Japanese would not adopt an approach that is likely to result in
the deaths of many innocent civilians. People who strongly believe
in monotheism ( = fanatics) are not only frightening but also
troublesome. (松下)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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