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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0905_2024/10/12 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2778~2782 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語熟語」は、2778-2782
(2)「ラッセルの英文」は、n.2778-2, 2780-2, 2782-2
1つずつ再掲します。
■■ ラッセルの英語 - 英単語熟語
★ congenial (adj.) [相性の合う,気性の合う,同趣味の;気があって(to)
;性分に合う]
* 語源:ラテン語で「con-(共に)」+「genialis(生まれた)」
* in congenial society 意気投合する人々と交わって
* congeniality (n):(性質・趣味などの)一致;相性
* congener (n):同種のもの(例: canaries and their congeners カナリア
とその同種の鳥)
1.ラッセルの用例
Epicurus pursued it by living in congenial society and eating only dry
bread, supplemented by a little cheese on feast days.
[エピクロスは気の合った仲間とのつき合いによって暮らしながら、乾燥した
パンのみを(普段は)食べ,祝祭日にはわずかのチーズを追加することによっ
て、幸福を追求した。]
出典:ラッセル『自伝』第2巻第3章「幸福に至る道」
https://russell-j.com/beginner/1952_RtoH-020.HTM
Gradually, under the influence of congenial society, I became less and
less solemn.
[しだいに私は,気の合った者同士のつきあいの影響のもと,しだいに生真面目
でなくなった。]
出典:ラッセル『自伝』第1巻第3章「ケンブリッジ大学時代」
https://russell-j.com/beginner/AB13-150.HTM
Wherever possible, therefore, young people who find themselves out of
harmony with their surroundings should endeavour in the choice of a
profession to select some career which will give them a chance of
congenial companionship, even if this should entail a considerable
loss of income.
[(それゆえ)自分の周囲の環境としっくりいっていないと思う若者は,職業を
選択するにあたっては,たとえそのために収入がかなり減るとしても,可能な場
合はいつでも,気性の合った仲間づくりの機会を与える仕事を選ぶように努め
るべきである。]
出典:ラッセル『 幸福論』第9章「世論に対する恐怖」
https://russell-j.com/beginner/HA19-030.HTM
2.参考例
a congenial friend
[気の合う友人]
出典:『究極の英単語3 - 上級の3000語』p.492
a congenial couple / They were congenial and enjoyed each other's
company.
[気心のあった二人/彼らは互いに気心が合って一緒にいれば楽しかった。]
出典:Shogakukan Random House English Japanese Dictionary, 1982 ed.
I find him very congenial.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.]
■■ ラッセルの英語 n2782-2 ラッセルの英文(2)
バートランド・ラッセルの英語 n2782-2 R英文(2)
ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
(Human Society in Ethics and Politics, 1954)
第6章:道徳的義務 n.11
けれども、私は、良心が、意識的であれ無意識的であれ、完全に他者からの
賞賛や非難に帰結するものだとは考えない。【conscience can be wholly
resolved into an effect... :良心は完全に他者からの賞賛や非難に帰結す
る)】道徳的先駆者の中には、習慣的に非難されることを非難せず、習慣的に
賞賛されることを賞賛しない人がいる。褒めたり責めたりすること自体は、無
から生じたものではなく、道徳的な感情から、あるいは少なくとも一部は道徳
的な感情から生じたものである。
賞賛の極致、即ち名声について考えてみよう。人は様々な方法で有名になる
が、最も一般的なのは、何らかの稀有な技術を持っていることである。シェイ
クスピア、ナポレオン、映画スター、偉大なスポーツ選手などは、他の人がや
りたくてもできないことができる。ライバルたちにとってはそれは羨望の的だ
が、ライバルになるには謙虚すぎる人たちにとっては賞賛の的である。(たと
えば) ホイヘンスやライプニッツはニュートンが狂ったと言う噂に大喜びし
たが、科学の高みを目指さなかったポープ(注:Pope はローマ教皇ではなく
、18世紀のイギリスの詩人のアレクサンダー・ポープ)は、ニュートンを最大
限(心から)賞賛することができた。しかし、スキルに対する賞賛は道徳的な
賞賛ではない。ソクラテスはそうでないと考えたが、現代の道徳主義者達は、
高潔な行為にはスキルも知識も必要ないと考えており、新約聖書にもそう示唆
されている。けれども、徳の高さで公式に有名な男女がいる。それが聖人であ
る。聖人は、確かに、道徳的な長所だけでなく、他の長所も備えていなければ
ならない。例えば死後も奇跡を起こさなければならない。しかし、我々の目的
からすれば、このような他の長所は無視してもよい(無視することができる)。
残り(注:道徳的長所)は、西洋人の総意として、卓越した美徳の最大の証拠
とされてきたものを示すであろう。
I do not think, however, that conscience can be wholly resolved into
an effect, conscious or unconscious, of the praise and blame that a
man has experienced. There are moral pioneers, who refuse to blame
something habitually blamed, or to praise something habitually praised.
Praise and blame themselves have not grown up out of nothing, but have
been generated from moral feelings, or at any rate from feelings of
which some are moral.
Consider the extreme of praise, namely fame. Men become famous in many
different ways, the commonest being the possession of some rare skill.
Shakespeare, Napoleon, film stars, and great athletes can do things
that other people would like to do but cannot. In rivals this is a
ground of envy, but in those who are too humble to be rivals it is a
ground of admiration: Huygens and Leibniz were delighted by the rumour
that Newton had gone mad, but Pope, who did not aspire to scientific
eminence, could praise Newton sincerely up to the limits of his
deserts. Praise for skill, however, is not moral praise. Though
Socrates thought otherwise, modern moralists hold that no skill and no
knowledge are required for virtuous action - a view which is suggested
in the New Testament. There are, however, men and women who are
officially famous for their virtue; they are the Saints. A Saint, it is
true, must have other merits in addition to those that are moral; he
must, for instance, work miracles after he is dead. But for our
purposes we may ignore these other merits; the residue will show what
the consensus of Western mankind has held to be the greatest proof of
pre-eminent virtue.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
chapter 6: Moral obligation, n.11
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0611.htm
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2897j-2903j を投稿
英 語 version : n.2897e-2903e を投稿
n.2901j (Oct. 10, 2024)
「権力愛に駆られる人間」
人間に対する権力は、人間がしたくないことをさせることによってむしろ示
されるため、権力愛に駆られる人間は、快楽を許すよりも苦痛を与えがちであ
る。もしあなたが上司に正当な機会に休暇を願い出たとしたら、権力愛に駆ら
れた上司は、承諾するよりも拒否することで(に)満足感を引き出すであろう。
Since power over human beings is shown in making them do what they
would rather not do, the man who is actuated by love of power is more
apt to inflict pain than to permit pleasure. If you ask your boss for
leave of absence from the office on some legitimate occasion, his love
of power will derive more satisfaction from a refusal than from a
consent.
Source:Human Society in Ethics and Politics, 1954, part II: The
Conflict of Passions, chapter 2: Politically important desires, n.7
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-2_0207.htm
<寸言>
この発言に対しては、「ノー」と言える勇気を持つ必要がある、と反論す
る人がいるかも知れません。もちろん、その問題や状況に応じて、「ノー」と
言ったほうが適切な場合と「イエス」と言ったほうが適切な場合があります。
ラッセルがここであげているのは「イエスといったほうがよい場合にノーと言
って自分の権力を示す例」です。
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 日本被団協へのノーベル平和賞授与に少しビックリ
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昨日、日本被団協にノーベル平和賞が授与されるとのニュースが流れ、少し
ビックリしました。核兵器全廃を求めるものですので、本来、もっと早く授与
されてしかるべきでしたが、核保有国であるアメリカへの「配慮」のためか、
そのようなことはないだろうと思われてきました。
バートランドラッセルは、長年の間、熱心な核兵器反対運動を行い、世界中
に大きな影響を与えました。それだけでなく、平和運動では当時の中心的な人
物でしたので、まずラッセルにノーベル平和賞が与えられるべきでした。しか
し、ラッセルはベトナム戦争においてはアメリカを強く非難していましたので、
NATOの後ろだけであるアメリカに配慮してか、ラッセルにノーベル平和賞が与
えられることはありませんでした。
時代が変わったようです。ノーベル平和賞委員会の若い委員長は、そのよう
なアメリカに対する忖度なしに、日本被団協へのノーベル平和賞の授与を決定
しました。
ノーベル平和賞は、非核三原則を唱えた日本及び佐藤栄作首相(当時)にも
与えらています。しかし、授与後、佐藤栄作は米国との密約を結んでおり、有
事の際の核兵器の日本への持ち込みを約束していることが発覚し、NHKも含め、
各社が報道しました。日本の政治家もジャーナリズムもいいかげんなとことが
あります。もうそのことは忘れてしまったと言うのでしょうか? (松下)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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