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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0900_2024/09/07 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
 
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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記


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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2754~2758  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語熟語」は、2754-2758
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2754-2, 2756-2, 2758-2
 
 1つずつ再掲します。

■■  ラッセルの英語 n2758:R英単語熟語  (revised)

★ compromise [(vt) (紛争を)妥協させて解決する,示談にする | 
(v) 妥協する,和解する || (n) 妥協、和解、譲歩;折衷案、妥協案 ]

* com (ともに) + promise (約束する) → 「ともに友好を約束しあう → 
妥協・和解する」
* reach a compromise 妥協に達する
* compromising (adj.):名誉(評判)を傷つけるような,疑いを招くような
* compromise oneself: (名声などを)傷つける、汚す


1.ラッセルの用例

We must preserve the balance by means of compromises.
[私たちは,妥協によってバランスを保たなければならない。]
 出典:ラッセル『教育論』第1章「近代教育理論の前提条件」
     https://russell-j.com/beginner/OE01-070.HTM

There has been from the first a quite different source of ethical 
feeling and ethical precept, namely give-and-take, or social 
compromise.
[倫理的感情及び倫理的戒律には、最初から、まったく別の(=もう一つの)
源泉が存在していた。つまり、ギブ・アンド・テイク、言い換えれば(or)社
会的妥協という源泉である。]
 出典:ラッセル『ューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』第1章「倫
理的信念と倫理的感情との源泉」
     https://russell-j.com/cool/47T-0118.htm

Finally, our solicitors suggested that we compromise by forming two 
Foundations: The Bertrand Russell Peace Foundation and the Atlantic 
Peace Foundation, for the second of which we obtained charitable 
status.
[最終的に,事務弁護土は,2つの財団をつくることによって妥協することを私
たちに提案した。即ち,バートランド・ラッセル平和財団と大西洋平和財団の
2つ(の創設)を提案し,後者の太平洋平和財団については慈善団体の資格を取
得した。]
 出典:ラッセル『自伝』>第3巻第4章「バートランド・ラッセル平和財団」
     https://russell-j.com/beginner/AB34-090.HTM


2.参考例

An artist needs the artistic strength to resist compromise.
[芸術家には,妥協しない芸術的な強さが必要である。]
 出典:宮川幸久『 英単語ターゲット1900 四訂版』p.161

They are ready to compromise with us on the matter of price.
[彼等は価格の件に関して我々と折り合いをつける用意がある。]
 出典:『ジーニアス英単語2500 改訂版』p.195

She won't accept compromises in the quality of the food.
[彼女は食べ物の質に関して妥協しようとしない。]
 出典:『新版完全征服データベース 合格 英単語・熟語』 p.9

You must compromise and give up some of your own demands in order to 
work in a group.
[集団の中で働くには妥協して自分の要求をいくらか諦めなくてはならない。]
* 『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』の訳には「some「いくらか」)の訳が抜け
ています。
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.325

Both sides are determined to get what they want, and there seems to be
 no possibility of compromise.
出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

After lengthy talks the two sides finally reached a compromise.
出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 6the ed.


■■  ラッセルの英語 n2758-2 ラッセルの英文

 ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
  (Human Society in Ethics and Politics, 1954)

  第5章:部分的善と一般的善 n.19

 理論的な問題として、この視点は「善い(善)」から「正しい(正義)」を分離
することを要求する。「善い(善)」がどのように定義されようとも、「正しい」
行為とは、もはや一般的に最大限の善を生み出す可能性の高い行為ではなく、
行為者が属する"特定の"集団に最大限の善を生み出す可能性の高い行為となる。
倫理的帰結は、家族、国家、階級、信条など、選択する集団の種類によって異
なる。人類を別の集団ではなく、ある集団に分ける方法を選択する正当な根拠
はない。また、自分の集団以外の人々の善を無視し、彼らの側に互恵的な自由
を認めるもっともらしい理由を考案することも容易ではない(注:Aという集
団とBという集団がそれぞれの正義をあくまでも主張すれば調整の余地がなく
なる)。というのも、この理論は、第一の理論や第二の理論のように、自分た
ちの集団が他の集団より優れていると主張するものではないからである。これ
は(一見)礼儀正しい理論ではある、結果は、礼儀正しくない場合とまったく
同様である。というのも、この理論は、第一の理論や第二の理論のように、自
分たちの集団が他の集団より優れていると主張するものではないからである。
全体として、この理論には他の2つの理論よりも説得力がなく、文明国の軍隊
の将校の階級以外でも、同じように誠実に信じられているかどうかは疑わしい。
	
As a matter of theory, this point of view demands a separation of 
"right" from "good". However "good" may be defined, "right" conduct 
will no longer be that likely to produce the maximum of good in
 general, but that likely to produce the maximum of good to a certain
 group of which the agent is a member. The ethical consequences will
 be different according to the kind of group that is chosen, e.g. 
family, nation, class, or creed. No good ground can be given for 
choosing one way of dividing mankind into groups rather than another.
Nor is it easy to invent any plausible reason for ignoring the good of
people outside one’s own group and conceding a reciprocal liberty on
 their part. For this theory does not contend, like our first and 
second theories, that our own group is superior to the others; it is a
 polite theory, although its consequences in practice are just the 
same as if it were not. On the whole, it has less plausibility than 
the other two, and I doubt if it is held with equal sincerity outside
 the ranks of officers of the armed services of civilized countries.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
 chapter 5: Partial and General Goods, n.19
  More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0519.htm


■「ラッセルの言葉366_画像版」
   日本語 version : n.2863j-2868j を投稿
   英 語 version : n.2863e-2868e を投稿

    n.2868j (Sept. 7, 2024)
 
  「人類の幸福度?」

 必要なのは、個人と集団の行動を駆り立てる欲望が、両立可能な欲望である
べきであり、その本質からして他者を妨害するようなものであってはならない
ということだけである。比較的重要でない例外を除けば、そうであることを保
証することは決して不可能ではない。人間の欲望は不変の与件ではなく、環境
や教育や機会によって影響を受ける。現在我々が持っている技術や、経済学者
や社会学者が持っている知識を普及させれば、より破壊的な情熱は、人を私的
な殺人に導く情熱が今日占めている地位と変わらないほど重要でない地位に追
いやることが可能だろう。もしそうなれば、全世界は、遠からず、組織化され
た社会が始まって以来知られていなかったような、ある程度の満足と幸福の広
範な普及を達成することができるだろう。

It is only necessary that the desires actuating the conduct of 
individuals and groups should be compossible desires and not such as,
 by their very nature, involve the thwarting of others. It would not
 be by any means impossible to secure that this should be so, apart
 from comparatively unimportant exceptions. Men’s desires are not an
 immutable datum. They are affected by circumstances and education and
 opportunity. With the skills that we at present possess, and by the
 diffusion of the knowledge possessed by economists and sociologists,
the more destructive passions could be relegated to a position no more
important than that occupied at present by the passions which lead men
 to private murder. If this were done, the whole world could before 
long achieve a measure of contentment and a general diffusion of 
happiness such as has not been known since organized society began.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 
1954, part II: The Conflict of Passions, chapter 1: From Ethcs to 
Politics, n.1
 More info.: https://russell-j.com/cool/47T-1401.htm
<寸言>
 世界中で起こっている、大災害や、大事故や、大事件が連日報道されていま
す。それらを見聞きすると、現代はひどい時代なように思われてしまいます。
しかし、人類の歴史をふりかえれば、科学技術の発展などにより、人類が持つ
知識は増え続けており、また、人類の幸福度も、一般的に言って、増大し続け
ています。
 そうであるならば、今後も、確率的に言って、科学技術の進歩や国際交流に
よる相互理解の拡大によって、人類の幸福度はますます高まっていくだろう、
という期待を持ってもよさそうに思えます。
 人間の気分は楽観的になったり、悲観的になったりしますが、気分のよい時
には、ラッセルのように、自分は近い将来亡くなってしまうだろうが、子孫あ
るいは人類のために希望を持つことは不合理ではないでしょう。


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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 Webページのリンクエラーのチェックツール
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 ラッセルのポータルサイト(ホームページ)のように2万件近くのコンテン
ツがアップロードされている場合には、チェックの結果、発見されるエラーも
数百以上に及びます。エラーになるものは、以前はリンク先のURLをクリック
すると正しく表示されていたが、リンク先のページがなくなったり、URLが変
更になったためにリンクエラーになるものがほとんどです。もちろん、最初か
らURLが(スペルミスなどで)間違っていたものもあります。

 HTMLのリンクエラーをチェックしてくれるツールがいくつかあります。私は、
エラーチェッカー として、Dead-link-checker.com のリンクチェッカーを愛用
しています。
 https://dead-link-checker.com/ja/

 所定の場所に自サイトのトップページのURL(https://russell-j.com/)を
入力してチェック開始ボタンをクリックするだけで、チェックしてくれます。
ただし、大規模なサイトの場合、リンクエラーを見つけるチェック作業はとう
てい1日では終了しません。

 コンテンツ作成にあたっては、十分注意してタイピングしているつもりです
が、量が多くてめんどくさくなってくると、つい手抜きしてしまいます。リン
クエラーになるのが多いのはその結果ですが、エラーの多さには辟易します。
しかし、歳をとるにつれて注意力が散漫になっていくことは仕方がないという
諦観のもと、めげないようにしています。(松下)


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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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