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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0898_2024/08/24 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2740~2743 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語熟語」は、2744-2748
(2)「ラッセルの英文」は、n.2744-2, 2746-2, 2748-2
1つずつ再掲します。
■■ ラッセルの英語 n2747:R英単語熟語 (revised)
★ compassion (n) [(他人の不幸に対する) 哀れみ, 思いやり,
同情(sympathy)]
* 森一郎『改訂新版 試験にでる英単語』p.129の説明: com- = together ,
passion = suffer → 「ともに苦しむこと」
* compassionate (adj.) 憐れみ深い、情け深い、同情的な
* compassionate leave: time that you are allowed to be away from work
because somebody in your family is ill/sick or has died.
1.ラッセルの用例
It was some time before I realised the depth of feeling with which he
pursues justice or the compassion and patience with which this pursuit
is tempered.
[彼の正義を追求する感情の深さや,その追求を和らげる'他人への思いやり'や
'忍耐心'を私が理解するまでに,少し時間がかかった。]
出典:ラッセル『自伝』第3部第4章「バートランド・ラッセル平和財団」
https://russell-j.com/beginner/AB34-080.HTM
There are certain things that our age needs, and certain things that
it should avoid. It needs compassion and a wish that mankind should be
happy; it needs the desire for knowledge and the determination to
eschew pleasant myths; it needs, above all, courageous hope and the
impulse to creativeness. The things that it must avoid and that have
brought it to the brink of catastrophe are cruelty, envy, greed,
competitiveness, search for irrational subjective certainty, and what
Freudians call the death wish.
[我々の時代が必要としているいくつかのものと,また避けなければならないい
くつかのものがある。現代が必要とするのは思いやり(同情心/憐憫の情)と,
人類は幸福であるべきだという願いである。現代が必要とするのは知識欲であ
り,心地よい神話を断つ決意である。とりわけ,勇気ある希望と新たなものを創
造しようとする衝動である。そして,現代がさけなければならないものは,また
,現代を破局に瀕せしめているものは,残酷,ねたみ,闘争,不合理な主観的な確
信それから,フロイトの言う死への願望(death wish:自殺願望)である。]
出典:ラッセル『自伝』第3部第1章「英国への帰国」
https://russell-j.com/beginner/AB31-210.HTM
'Purpose' is entirely an inner quality which is no way depends upon
metaphysical views about causality. Passionate concern for some degree
of understanding of the world outside oneself and compassionate
interest in the circumstances of other human beings provide sufficien
t activity for many lifetimes.
[目的」は、まったく心の内部の性質です。「目的」は、決して因果関係につ
いての形而上学的見解に依存するようなものではありません。
自分以外の外の世界について、なんらかの程度、理解したいと思って情熱を
そそいだり、他人の境遇に同情や関心をいだいたりすることは、人生の多くの
時間をかけて活動させる原動力になります。]
出典:『拝啓バートランド・ラッセル様(市民との往復書簡集)』IV.哲学関
係書簡「人生の目的と不確定性(不確実性)」
https://russell-j.com/beginner/DBR4-05.HTM
2.参考例
Susan lent money to her ex-husband out of compassion.
[彼女は同情から前の夫に金を貸した。]
出典:『東大英単語熟語 鉄壁』p.261
The nurse showed great compassion for her patient.
[その看護士は患者に対し深い思いやりを見せた。]
出典:『キクタン super 12000』p.183
He felt compassion for her.
[彼は彼女に哀れみをおぼえた。
出典:Shogakukan Random House English-Japanese Dictionary, 1982.
She felt (had; showed) great compassion for the sick children.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
■■ ラッセルの英語 n2746-2 ラッセルの英文
ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
(Human Society in Ethics and Politics, 1954)
第5章:部分的善と一般的善 n.12
第一の見解は ー 啓蒙的帝国主義とでも呼んんでよいかも知れない ー
たとえ人類の大集団がそう考えていないとしても、ある種の社会状態は他の状
態よりも優れているという教義を前提としている。この考え方を採用する人々
は、野蛮人よりも文明人であるほうがよく、異教徒よりもキリスト教徒である
ほうがよい、一夫多妻制よりも一夫一婦制であるほうがよく、怠け者よりも勤
勉であるほうがよい、などと言うだろう。ギリシア人は自分達の生活様式を蛮
族のそれよりも優れていると考えており、そうしてアレクサンダー大王の遠征
以後、この信仰は帝国主義的な形をとるようになった。アンティオコスはユダ
ヤ人に豚肉を食べさせ、陸上競技をさせようとしたが、一般に、近東全域にお
いて、ギリシア的な生活様式は、征服された民衆に、少なくとも都市部では賞
賛された。ローマ人は西洋の文明化に成功し、このヘレニズム的な考え方を受
け継いだ。その後、キリスト教徒やイスラム教徒も、それぞれの宗教の重要性
について同様の見解を示した。インドにおけるイギリス人は、自分たちを文明
化の影響力だと信じて疑わなかった。 マコーレーは、我々(英国の)の文学
、法律、哲学を、後進国のために役立てることは我々の有益な使命であり、
それは神の摂理が我々に責任を負わせてきた、と信じて疑わなかった。
The first view, which may be called that of enlightened imperialism,
presupposes a doctrine that some states of society are better than
others, even if large groups of mankind do not think so. Those who
adopt this view will say that it is better to be civilized than savage,
or Christian than pagan, or monogamous than polygamous, or industrious
than lazy, or what not. The Greeks considered their way of life better
than that of the barbarians, and after Alexander this belief took an
imperialistic form. Antiochus vainly endeavoured to make the Jews eat
pork and take to athletics, but in general, throughout the Near East,
the Greek way of life commended itself to the conquered populations,
at any rate in the cities. The Romans inherited this Hellenistic
outlook in their successful civilizing of the West. Later, Christians
and Mohammedans took a similar view of the importance of their
respective religions. The British in India regarded themselves
unquestioningly as a civilizing influence: Macaulay had no doubt that
it was our beneficent mission to bring our literature, our law, and
our philosophy to the help of the backward nation for which
Providence had made us responsible.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
chapter 5: Partial and General Goods, n.12
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0512.htm
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2848j-2854j を投稿
英 語 version : n.2848e-2854e を投稿
n.2850j (Aug. 20, 2024)
「パノプティコンに収容されていない極悪人」
もはや天国や地獄の存在を信じていなかったベンサムは、この世で良い制度
があれば同様の効果をもたらすと考えた。犯罪者は彼のパノプティコンに収容
されるべきで、パノプティコンは中心から放射状に広がり、巧妙に設計された
鏡のシステムを持っていたため、監獄長は巣の中心にいる蜘蛛のように、犯罪
者たちが何をしているかを同時に見ることができた。このシステムでは、監獄
長が神の目に取って代わった。犯罪者が正しいことを行うと報酬が与えられ、
間違ったことを行うと罰せられた。その結果、彼らは皆正しいことを行うだろ
う、と彼は主張した。残念ながら、たとえ彼が最も楽観的な時に期待したよう
に、彼のパノプティコンが全面的な支持を得られても、依然として刑務所にい
ない人々が存在し、そのためには他の手配が必要だったであろう。
Criminals were to be incarcerated in his panopticon, which radiated
from a centre and had a skilfully devised system of mirrors so that
the head gaoler, like a spider in the middle of his web, could view
simultaneously all that the criminals were doing. The head gaoler in
this system replaced the Eye of God. When criminals did right, they
were rewarded; when they did wrong, they were punished. Consequently
- so Bentham maintained - they would all do right. Unfortunately,
even if he had obtained all the support for his panopticon that in
his most optimistic moments he hoped for, there would still have been
people not in prison, and for them other arrangements would have been
necessary.
出典: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics,
(1954), chapter 13: Ethical Sanctions, n.4
詳細情報.: https://russell-j.com/cool/47T-1304.htm
<寸言>
各国が、他国の「良い」システムを真似て、自国にも導入します。蜘蛛の巣
状の刑務所(パノプティコン)もその一例と思われ、日本でも網走刑務所に導
入されています。
ラッセルは、「残念ながら、たとえ彼が最も楽観的な時に期待したように
、彼のパノプティコンが全面的な支持を得られても、依然として刑務所にいな
い人々が存在し・・・」と茶々をいれています。これは我々一般市民には無関
係のことでしょうか?
マイナンバーが全国民を監視する道具として「も」使えると言うのは、言い
過ぎでしょうか? 国民全員が持っているわけではないマイナンバーカードの
ことを言っているのではなく、国民全員に振られているマイナンバーのことを
言っています。マイナンバーシステムにいろいろなシステムがリンクされれば
、出生時から死亡時の記録まで一元管理ができます。もちろん、各省庁は自分
の省庁に関係する事柄のみ、システムを通して見ることができますが、他のシ
ステムとの連携部分は見ることはできません。しかし、総理大臣だけは、マイ
ナンバーを使用している全てのシステムを見ることが(実際はやらないとして
も)可能であったとしたら・・・!?
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 兵庫県知事の斎藤元彦氏の鋼のメンタル?
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兵庫県知事の「斎藤元彦」氏の、地位を利用した不適切、というよりも、
法律違反(公職選挙法違反、贈収賄、その他)と思われる行為が、連日報道さ
れています。東大法学部卒でも?立派な人はたくさんいますが、権力を利用し
て不適切な行為をする人もたくさんいます。斎藤元彦氏などは、東大法学部卒
の最悪な例の一人と言えます。
自分に諫言するような部下がいれば、権力を乱用して、総務部長(人事部長
も兼務)に指示して、「飛ばしてしまう」という行為を、私も現役の時に時々
見聞きしました。もちろん、それは通常の「人事異動」を装っています。周囲
の関係者は黙っていますが、それは懲罰的措置であることを理解しています。
そういうことだから、政府であろうと、自治体であろうと、企業であろうと、
不当な権力をふるう者に対して、陰口は言っても、忍従することになります。
公益通報制度でさえ、公益通報される対象が権力のトップあるいはその側近の
場合は機能しないことが多々あります。
斎藤元彦氏はいつやめるかわからないということであれば、部下は重要なこ
との決定を先延ばししようと考えます。ということで、斎藤元彦氏がいくら
「県政を進めたい(従ってやめない)」といっても、兵庫県の県政は進むわけ
がありません。
自分からやめそうにないなら、リコール制度を利用するしかないのでしょう
か?
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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