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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0895_2024/08/03 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
 
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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記


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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2725~2729  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語熟語」は、2730-2734
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2730-2, 2732-2, 2734-2
 
 1つずつ再掲します。

■■  ラッセルの英語 n2734:R英単語熟語  (revised)

★ coherent (adj.) [(論理が)首尾一貫した,筋の通った;密着する、密着し
た;粘着する]

* co (共に) + her (くっつく) →「バラバラではなく論理的な繋がりを持つ」
* coherence (n):首尾一貫性
* incoherent (adj.):つじつまの合わない
* cohesion (n):結合 [ co + hes (共にくっつく=結合する): the
 social cohesion of a country 国家の社会的結束]


1.ラッセルの用例

He is entirely satisfied with the result, not because it is in 
accordance with the facts or because it is logically coherent, but 
because it is calculated to rouse fury in wage-earners.
[彼(マルクス)はまったくその結論に満足しているが,それはその結論が事
実にあっているからでも,論理的に整合的であるからでもなく,賃金労働者の
間に烈しい怒りを呼び起すと推定される(見積もられる)からである。]
 出典:ラッセル「なぜ私は共産主義に反対するか?」
     https://russell-j.com/beginner/1059_WIOC-010.HTM

I proposed in these lectures to consider how we could combine that 
degree of individual initiative which is necessary for progress with
 the degree of social cohesion that is necessary for survival.
[私は一連の講義の中で,人類の進歩のために必要な'各個人の創意(自発性)'の
度合いと,社会が生き残るために必要な'社会的結合'の度合いとを,どのように
(どのような割合で)結合することができるか検討すべきだということを提言し
た。]
 出典:ラッセル『自伝』>第3巻第1章「英国への帰国」
     https://russell-j.com/beginner/AB31-110.HTM

The transition from the family to the small tribe was presumably 
biologically connected with the fact that hunting could be more 
fficient if it was co-operative, and from a very early time the 
cohesion of the tribe must have been increased and developed by 
conflicts with other tribes.
「狩猟は協同で行なった方が一層有効に出来たという事実に,多分生物学的に関
係があったのである。そして極めて早い時代から部族の結集力は他の部族との
闘争によって増進され,発達したものは違いない。]
 出典:ラッセル『訳注ラッセル選』の中の「家族」
     https://russell-j.com/beginner/SEL-P108.HTM


2.参考例

His explanation is precise and coherent.
[彼の説明は正確で首尾一貫している。]
 出典:宮川幸久『英単語ターゲット1900 四訂版』p.281

Choose one of the topics listed below and write a coherent essay.
[下に挙げたテーマの一つを選び、首尾一貫した説得力のあるエッセイを書け]
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.625

Her story is coherent.
[彼女の話は首尾一貫している。]
 出典:『究極の英単語3 - 上級の3000語』p.313

We need greater cohesion in the party if we are to win the next 
election.
[次回の選挙に勝つためには党内でのより大きな団結が必要である。]
 出典:『新版完全征服データベース5500 合格 英単語熟語』p.286

They seem to have no coherent plan for saving the company.
[ 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

The points you make are fine, but the whole essay lacks coherence.
[ 出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 6the ed.


■■  ラッセルの英語 n2734-2 ラッセルの英文

 ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
  (Human Society in Ethics and Politics, 1954)

  第5章:部分的善と一般的善 n.5

 まずエゴイズムから始めよう。エゴイズムとは、すべての人間は自分の利益
のみを追求する、あるいは追求すべきであるとする教義を意味する。この教義
(の意味)を正確にするためには、まず人間の「利益」の意味を定義しなけれ
ばならない。最も正確な定義は、「心理的快楽主義」と呼ばれる教義の定義で
あり、この教義では、全ての人間は自分自身の快楽のみを追求するだけでな
く、必然的に追求しなければならないと主張する。この教義は、初期の功利主
義者達全てによって支持されていた。「徳(有徳)」が一般的な善を追求するこ
とにあるとすれば(で成り立っているのなら)、人間を徳ある者にする唯一の
方法は、一般的利益と私的(個人的)利益の調和を生み出すことであり、それ
は、自分にとって最大の快楽をもたらす行為が、共同体にとっても最大の快楽
をもたらすようにすることである。刑法がなければ私は盗みを働くが、牢獄を
恐れて私は正直を保つ。もし私が褒められることを楽しみ、非難されることを
嫌うなら、私の隣人の道徳的感情は刑法と同様の効果をもたらす。来世での永
遠の報酬と罰(の存在)を信じることは、合理的な計算をすれば、徳のさらなる
効果的な保護策となるはずである。	
Let us begin with egoism, by which I mean the doctrine that every man
 does - or should - pursue exclusively his own interest. To make this
 doctrine precise, we must first define what we mean by a man’s 
“interest”. The most precise definition is that of the doctrine 
called “psychological hedonism”, which asserts that every man not
 only does, but inevitably must, pursue exclusively his own pleasure.
 This doctrine was held by all the earlier utilitarians. It followed 
that, if "virtue" consists in pursuing the general good, the only way
 to make men virtuous is to produce a harmony between general and 
private interests, by insuring that the act which will produce the
 maximum of pleasure for myself is also that which will produce the
 maximum of pleasure for the community. In the absence of the criminal
 law I should steal, but fear of prison keeps me honest. If I enjoy
 being praised and dislike being blamed, the moral sentiments of my
 neighbours have an effect similar to that of the criminal law. Belief
 in everlasting rewards and punishments in the next life should, on a
 rational computation, be an even more efficient safeguard of virtue.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
 chapter 5: Partial and General Goods, n.5
  More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0505.htm


■「ラッセルの言葉366_画像版」
   日本語 version : n.2827j-2833j を投稿
   英 語 version : n.2827e-2833e を投稿

    n.2828j (July 29, 2024)
    https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j2828.html

 「誰もが物乞いをする必要のない社会」

 施しという行為(人に何かを与える行為)は心地よいものではなく、また赤
面を引き起こしがちである。そこには不可避的に、誰もが物乞いをする必要が
ないように社会は組織化されるべきだという反省がある。そうして、施しをす
ることによって自己満足を感じるどころか、私達は他人をそのような貧困と屈
辱に追いやるシステムによって利益を得ているという理由で、社会的良心が痛
むのを感じるのである。

The act of giving is uncomfortable and inclined to cause a blush: there
 is inevitably the reflection that society ought to be so organized as
 to make it unnecessary for anyone to beg. So far from feeling 
self-satisfied because of giving, we feel our social conscience pricked
 because we profit by a system which reduces others to such want and 
humiliation.
Source: 'On charity' in: Mortals and Others; Bertrand Russell's 
American Essays, 1931-1935, v.1.
More info.: https://russell-j.com//CHARITY.HTM

<寸言>
 「他人をそのような貧困と屈辱に追いやるシステム」というフレーズでラッ
セルが何を言おうとしているか多くの人は理解できるのではないでしょうか?
 しかし、年に1回寄付行為(たとえば、24時間テレビ 「愛は地球を救う」
など)をするだけで満足し、後は忘れていられる人は理解できない(理解しよ
うとしない)だろうと思われます。
 ChatGPT に「他人をそのような貧困と屈辱に追いやるシステム」について具
体的に説明するように依頼してみました。

* ChatGPT による説明 *

ラッセルが言及している「他人をそのような貧困と屈辱に追いやるシステム」
は、主に次のような社会的、経済的、制度的な要因を指しています。
・経済的不平等:社会の一部の人々が極端に豊かである一方で、他の人々が貧
困にあえぐような経済システムです。資源や富の分配が不均衡で、一部の人々
が必要な生活資源を手に入れるのが困難な状況を生み出します。

・社会福祉の欠如:十分な社会福祉制度が整っていないため、弱者や困窮者が
支援を受けられず、貧困や屈辱的な状況に追い込まれることがあります。医療
、教育、住宅などの基本的なサービスが行き渡らない場合、人々はその欠如に
よって苦しむことになります。

・教育格差:教育の機会が不均等である場合、貧困層の子供たちは質の高い教
育を受けられず、その結果として職業選択の幅が狭まり、貧困から抜け出すこ
とが難しくなります。これも貧困の連鎖を生む要因の一つです。

・労働市場の不平等:低賃金労働や不安定な雇用形態が蔓延している場合、働
く人々が十分な収入を得ることができず、貧困に陥るリスクが高まります。こ
れにより、働きながらも生活に困窮するワーキングプアの問題が発生します。

・政治的・法的な差別:特定の人々やグループが政治的、法的に不利な立場に
置かれる場合、その結果として社会的に排除されやすくなり、貧困や屈辱を経
験することになります。人種、性別、宗教、移民ステータスなどに基づく差別
がこれに該当します。

 これらの要素が組み合わさることで、一部の人々が貧困や屈辱的な状況に追
い込まれる「システム」が形成されます。このシステムは、社会の構造的な問
題や不公平な制度によって支えられており、個々の善意の施しでは解決できな
い根本的な改革が必要だというのがラッセルの主張です。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 
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  編集後記も夏休み(松下)


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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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