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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0893_2024/07/20 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2721~2724 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語熟語」は、2721-2724
(2)「ラッセルの英文」は、n.2722-2, 2724-2
1つずつ再掲します。
■■ ラッセルの英語 n2723:R英単語熟語 (revised)
★ class (n) [階級(制度)学級;授業(時間);クラスの生徒(学生)達;
部類;(英大学)優等試験の合格等級;(数学)類,クラス;集合]
* the working class 労働者階級
* classify (v):(ものを)分類する;等級にわける
* classification (n):分類;等級づけ;格付け;(公文書の)機密種別
1.ラッセルの用例
Webb had been entirely dependent upon his earnings, whereas Beatrice
had inherited a competence from her father. Beatrice had the mentality
of the governing class, which Sidney had not.
[シドニー・ウェッブは,生計を全面的に自分の稼ぎによっていたが,一方ベア
トリス(Beatrice Webb, 1858~1946)は,父から相当の財産を相続していた。
ベアトリス(ビアトリス)は,シドニーがもっていなかったところの支配階級特
有の物の見方(メンタリティ)をもっていた。]
出典:ラッセル『自伝』第1巻第4章「婚約期間」
https://russell-j.com/beginner/AB14-050.HTM
The connection of the ornamental with aristocracy has been set forth
searchingly in Veblen's Theory of the Leisure Class, but it is only
the educational aspect of this connection that concerns us.
[飾り(装飾的要素)と貴族主義との結びつき(関連)については,ヴェブレン
(Thorstein Veblen,1857-1929:アメリカの経済学者,社会学者)の『 有閑階
級論』(Theory of the Leisure Class,1899)のなかで指摘されているが、
ここで我々が関心を持っているのは,両者の結びつき(関連)のなかの教育上
の側面のみである。]
出典:ラッセル『教育論』第一部 教育の理想 第1章「近代教育理論の前提
条件」
https://russell-j.com/beginner/OE01-030.HTM
Now that is not what the businessman means when he speaks of the
'struggle for life'. It is an inaccurate phrase which he has picked up
in order to give dignity to something essentially trivial. Ask him how
many men he has known in his class of life who have died of hunger.
[さて,ビジネスマンが「生存競争」と言うとき,彼が言おうとしているのは,
そういうことではない。「生存競争」というのは,本質的に些細な事柄をもっ
たいつけるために見つけた不正確な言いまわしである。彼の所属する階級
(注:class of life 生活レベルで分けた階級の意)で,彼の知っている人が,
いったい何人飢えて死んだか,尋ねてみるとよい。]
出典:ラッセル『幸福論』第3章「競争」
https://russell-j.com/beginner/HA13-010.HTM
Many men who have achieved eminence believe, probably rightly, that
they have profited by the lack of formal education; yet not one of them
would abstain from giving a first-class education to his son.
[功なり名を遂げた人の多くは,正式の教育を受けなかったことがかえって良か
ったと信じているが,それは(彼らに関する限りは)多分間違っていないだろう。
だが彼らはみな,自分の息子には第一級の教育を受けさせた。]
出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「教育は有害か?」
https://russell-j.com/EDU-HARM.HTM
The second important advance that I learnt from Peano was that a class
consisting of one member is not identical with that one member.
Satellite of the Earth', for instance, is a class and it has only one
member, namely, the Moon.
[私がペアノから学んだ第二の重要な進歩は、一つの要素 (member 成員) から
成る集合(class)はその一つの要素(成員)と同一のものではない、ということ
であった。たとえば、「地球の衛星」は一つの集合であり、ただ一つの要素(成
員),即ち月を持つのみである(注:因みに木星は4つの衛星を持っているので
、集合と一つの要素である一つの衛星とは等価でないことがわかりやすい)。]
出典:ラッセル『私の哲学の発展』第6章「数学における論理的手法」
https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_06-040.HTM
2.参考例
Plants that sprout, grow, bloom, seed, and die within one year are
classified as annuals.
[一年の間に発芽し、成長し、花を咲かせ、実を結び、種を作って、枯れてい
く植物は、一年性植物として分類されます。]
出典:『ジーニアス英単語2500 改訂版』p.215
Elements can be classified according to their properties. The major
categories are the metals, nonmetals, and metalloids.
[元素はその特性によって分類できる。主な分類区分は,金属,非金属,半金属で
ある。]
出典:『東工大英単-科学・技術例文集』p.33
Class distinctions have become less important during the last 50 years.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.)
■■ ラッセルの英語 n2724-2 ラッセルの英文
ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
(Human Society in Ethics and Politics, 1954)
第4章:善(善い)と悪(悪い) n.16
しかし、欲望を手段として考える場合、問題はまったく異なる。ある種の欲
望のペア(組)は両立するが、ある種の欲望のペアは両立しない。もし、男女が
互いに結婚したいと願えば、どちらも欲望を満足できる。しかし、二人の男
性が同じ女性と結婚したいと願えば、少なくとも一人は失望せざるを得ない。
もし、二人のパートナーがともに会社の繁栄を望むなら、どちらもその結果を
達成することができるが、二人のライバルがお互いに他方より裕福になりたい
と望むなら、どちらかが失敗するに違いない(注:ほとんどの場合差が出るは
ず)。2つの欲望に当てはまることは欲望のグループにも同様に当てはまる。
ライプニッツの用語(言葉)を借りて、私はいくつかの欲望が同じ状態によっ
て全て満たされる場合を「両立可能」と呼び、いくつかの欲望が両立しない場
合を「両立不可能」と呼ぶ。ある国家が戦争状態にあるとき、すべての国民の
勝利への欲望は互いに両立可能であるが、敵の反対の欲望とは両立できない。
互いに善意を抱いている人々の欲望は両立可能だが、相互に悪意を抱いている
人々の欲望は両立しない。
But when desires are considered as means the matter is quite otherwise.
Some pairs of desires are compatible, some incompatible. If a man and
woman desire to marry each other, both can be satisfied; but if two
men desire to marry the same woman, one at least must be disappointed.
If two partners both desire the prosperity of their firm, both can
achieve the result; but if two rivals each desire to be richer than the
other, one of them must fail. What applies to two desires applies
equally to groups of desires. Borrowing a term from Leibniz, I call a
number of desires "compossible" when all can be satisfied by the same
state of affairs ; when they are not compossible, I call them
incompatible. When a nation is at war, the desires of all its citizens
for victory are mutually compossible, but they are incompatible with
the opposite desires of the enemy. The desires of those who feel
benevolently to each other are compossible, but those who feel
reciprocal malevolence have desires that are incompatible.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
chapter 4: Good and Bad, n.16
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0416.htm
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2813j-2818j を投稿
英 語 version : n.2813e-2818e を投稿
n.2814j (July 15, 2024)
https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j2814.html
「少数派の特権」
第三の種類の財、即ち、ある人の所有が必然的に他の人の所有の妨げになら
ない財については、分配の問題はないはずであるが、実際には存在している。
私が考えている第三の財は、子供の生きる喜びから、天才が作品を創作するこ
とや我々がその作品を鑑賞することに伴う最も洗練された精神的喜びに至るま
で、非常に幅広いものである。・・・。高等教育に依存する良いもの全ては、
現在のところ、少数派の特権であり、かなりの余暇時間に依存するものも同様
である。そのようにして、本質的には必要のない競争が現在行われているが、
その救済策は倫理よりもむしろ政治にある。
As regards our third class of goods - namely, those in which one man's
possession does not interfere, of necessity, with that of another -
there ought to be no problem of distribution, but, in fact, there is.
The sort of goods that I am thinking of have a very wide range, from a
child’s joy in living to the most refined mental delights in the
creation or enjoyment of works of genius.... All the good things that
depend upon higher education are, at present, the prerogative of a
minority; and so are those that depend upon considerable leisure.
In such ways there is, at present, competition which is not essentially
necessary, but the remedy lies in politics rather than in ethics
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954),
chapter 11:
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-1108.htm
<寸言>
高等教育の無償化も含め、教育の無償化が必要な理由がここにあります。
「国民の命を守る」というお題目を唱えることで、国民の多くが必要としてい
る予算が削られてしまっています。
裏金その他の腐敗議員も、中国脅威論や防衛力強化さえ唱えていれば、愛国
主義者として支持されると思っている(国民を思わせようとしている)ようで
す。
なお、「should」と「ought to」との違いは、「ought to」には「~である
べき」のほかに「~のはずである」の意味がある、ということにあります。
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 トランプ暗殺未遂事件の様々な見方
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トランプ暗殺未遂事件には様々な見方があり、いずれの見方が正しいか、最
終的な結論を出すのは難しい状況にあります。
一番可能性があるのは、トーマス・マシュー・クルックス容疑者(20)によ
る単独犯行説です。しかし、クルックス容疑者は共和党員であり、動機がわか
っていません。アメリカでは凶悪犯はほとんど銃殺されてしまいますので、動
機の解明は非常に困難です。トランプの発言のなかに許せないものがあったと
しても、殺害までしようとは思わないのが通常です。それに、米国の場合は殺
害に成功しても必ずといってよいほど返り討ちにあうこと(銃殺されてしまう
こと)をクルックスも理解していたはずです。
クルックスは単独犯ではなく、協力者がいるはずだ(そうでなければ、クル
ックスはビルの屋上にいけなかったはずだ)という見方もあれば、クルックス
が撃った弾はトランプにあたっておらず、別の犯人が打った弾がトランプの耳
にあたったのだという人がいるかと思えば、トランプが屈んだ時に自ら耳に血
のりをつけたのではないか、と疑う人もいます。
FBIがいろいろ証拠をもっているはずだから、いずれ全容がわかるはずだと
言う人もいれば、FBIはバイデン側なので本当のことは言わないだろうという
人、FBIは時の大統領を陥れる場合もあると言う人、その他、いろんな見方が
錯綜しています。
トランプが撃たれた時に警護していた警官が笑っている画像を示してこれは
「やらせだ」と言う人もいますが、笑っていない画像もあり、笑っている画像
はフェイク画像であることがわかっています。
クルックス容疑者単独犯行説が今のところ一番正しいと思われますが、トラ
ンプの周囲を警護していた警官がどうしてビルの上の犯人に気づかなかったか
疑問に思えるのも確かです。
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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