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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0884_2024/05/25 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記


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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2676~2680  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語熟語」は、2676-2680
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2676-2, 2678-2, 2673-2, 2680-2
 
 1つずつ再掲します。

■■  ラッセルの英語 n2679:R英単語熟語 bring A home to B (revised)

★ bring A home to B = bring home to B A【AにBをよくわからせる、痛感さ
せる、自分のこととして実感させる】

1.ラッセルの用例

I am thinking not only of the miser's heirs, or of the detectives who 
win promotion by bringing the crime home to its perpetrator; I am 
thinking of all the millions of family circles throughout the 
civilised world who for a moment forget their bickerings and boredoms
 in the excitement of a sensational case.
[私が考えているのは,このどん欲な老人の遺産相続人や犯罪を摘発したことで
昇進した'探偵'ばかりではない。私が考えているのは,文明世界を通して何百
万という家族が,センセーショナルな事件に興奮し,しばらくの間,彼らのつま
らぬ喧嘩(口論)や退屈を忘れるということである。]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「犯罪への興味」
     https://russell-j.com/CRIME-I.HTM

It is clear that nothing further is heeded in the way of positive 
education except to bring home to the child the fact that people and
 animals can feel pain, and do feel it under certain circumstances.
+ heed (vt):心に留める
[人間も動物も,苦痛を感じることができ,また,一定の状況下では苦痛を感
じるという事実を,子供によく実感させる以外に,積極的な教育法として心に
留めておくべきことはまったくないことは明らかである。]
 出典:ラッセル『教育論』第二部_性格の教育_第11章「愛情と同情」
     https://russell-j.com/beginner/OE11-110.HTM

But many men, owing to confused thinking, can act under the direction 
of bad passions without any realization that they are doing so, and
 when, by purely intellectual means, this realization is brought home
 to them, they can often be induced to act in a manner which is less
 harsh and less apt to promote strife.
[しかし、多くの者は混乱した思考によって、自己のやっていることを理解し
ないで,悪しき感情に従って行動することが可能であるが、純粋に知的な手段
でこのことがよく理解(認識)されれば、彼らはしばしば、より荒っぽくなく
,より闘争を助長しがちでないやり方で行動するように人々を導くことが可能
である。]
 出典:ラッセル「明晰な思考のための弁明」
     https://russell-j.com/beginner/0868_PfCT-070.HTM


2.参考例

The sight of the ruins brought home to him the meaning of war.
[その廃墟の光景は、彼に戦争の意味を痛感させた。]
 出典:『知識と文脈で深める上級英単語 LOGOPHILIAロゴフィリア』p.44

My three years' experience overseas brought home to me the importance
 of intercultural exchanges.
[3年間の海外経験は異文化交流の重要性を私に痛感させた(私は痛感した)。]
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.476

You must bring home to her that she is wrong.
[彼女に自分が間違っていると痛感させなければ・・・。
 出典:『解体英熟語 改訂第2版』p.44

Television pictures brought home to us the full horror of the attack.
 出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 8th ed.]

To bring something to home means to make them understand how important
 or serious it is.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed.


■■  ラッセルの英語 n2680-2 ラッセルの英文

 ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
  (Human Society in Ethics and Politics, 1954)

 第3章 手段としての道徳 n.2

 私たちは皆、実際上ある道徳規範が他の道徳規範よりも好ましいと考える。
モロク神に子供を(生贄として)捧げる古代セム族の風習や、ローマ人の父親
が自分の子供に対して生殺与奪の権を持つこと、かつての中国の女性の足を縛
る習慣(纏足 tensoku)や、日本人の「妻は木の枕で眠り、夫は柔らかい枕で
眠る」という決まりを良いと考える肯定する人は、西洋文明全体を見渡しても
ほとんどいないだろう。私は、当面、これらの慣行は良くないと言うことは正
しいと論じているのではない。それらの慣行が正しいと思う人々が、雄弁にそ
れらを擁護することを想像することは困難ではない。私が現在論じているのは
、(それらの慣行を擁護する)彼らや(反対する)我々が一致する何かがある
だろうということ、つまり、ある道徳規範が他の道徳規範より優れているかも
知れないし、劣っているかも知れない,ということである。このことが認めら
れれば、倫理学には道徳規範よりも優れた何かが存在し、その何かによって道
徳規範は判断されるべきである、ということになる(結論になる)。従って、
倫理学はたった一つの戒律、あなたの共同体が承認することを行い、共同体が
承認しないこと認めないことを避けなさい」、に尽きるものではない(という
ことになる)。

We all, in practice, hold that one moral code may be preferable to 
another. Throughout Western civilization there are very few who would
 approve the ancient Semitic custom of sacrificing children to Moloch,
 the Roman father's power of life and death over his children, the 
former Chinese practice of binding women's feet, or the Japanese rule
 that a wife must sleep on a wooden pillow while her husband sleeps
 on a soft one. I am not, at the moment, arguing that we are right in
 disapproving of these practices ; it is not difficult to imagine 
eloquent defences of them by those to whom they seemed right. What I
am arguing is something as to which they and we would be in agreement,
 namely that one moral code may be better or worse than another. When
 this is admitted, it follows that there is something in ethics that
 is superior to moral codes, and that by means of this something they
 are to be judged. Ethics, therefore, is not exhausted in the single
 precept: "Do what your community approves, and avoid what it 
disapproves".
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
 chapter 3:  n.2
  More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0302.htm


■「ラッセルの言葉366_画像版」
   日本語 version : n.2750j-2755j を投稿
   英 語 version : n.2750e-2755e を投稿

 1つだけ再録します n.2754j (May 16, 2024)

 「国境を越えた合意や異文化に及ぶ合意」

 良心が何を命ずるかについても、神の意志が何を命ずるかと同様に意見の相
違があり、科学のように意見の相違を解決するための公認の技法(手法)は存
在していない。唯一認められているのは、大雑把な意味での、政府の技法(手
法)である。(そこには)法律が禁じるものがあり、隣人が認めるものあるいは
認めないものがある。これによって、同じ共同体や同じ国家の構成員の間に一
定の合意が生まれるが、国境を越えた合意や異文化に及ぶ合意は生まれない。
There are just the same sort of disagreements as to what conscience 
prescribes as there are about the Will of God, and there is not, as in
 science, a recognized technique for resolving disagreements. The only
 recognized technique is that of government in a large sense. There is
 what the law enjoins, and there is what your neighbours approve or 
disapprove. This creates a certain amount of agreement among members
 of the same community or the same State, but it does not produce an
 agreement transcending frontiers or extending to different cultures.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954),
 chapter 10:Is there ethical knowledge ?
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-1005.htm

<寸言>
 科学には国境がなく、科学は人類共通の資産だと言えます。物の考え方も似
通っていれば揉め事も少なくなります。しかし、文化は多様であることに価値
があります。従って、異国の文化(異文化)を理解するためのコミュニケーショ
ン(異文化コミュニケーション)が大変重要だということになります。それが
不十分であれば、「国境を越えた合意や異文化に及ぶ合意」は生まれません。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 
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 なし


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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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