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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0867_2024/01/13 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2590~2594 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語熟語」は、2590-2594
(2)「ラッセルの英文」は、n.2590-2, 2592-29. 2594-2
1つずつ再掲します。
■■ バートランド・ラッセルの英語 n.2594 ラッセル英単語熟語
★ acquiesce (v) [(不本意ながら・・・に)同意する,従う,黙従する]
* 語源:ラテン語の"acquiescere"(静かになる、静止する。「ad-」(~に向
かって)+「quiescere」(静かにlなる)→ 譲歩する、同意する
参考:英語の"quiet"はラテン語の"quietus"(静かな、安らかな」から来てい
る。← 語源を知れば、このように、難しい単語(綴)だからといって覚えに
くいわけではない。
* acquiescence (n): 不本意な同意,黙従
1.ラッセルの用例
Such acquiescence as there is in continued hostilities is due entirely
to fear. Every nation believes that its enemies were the aggressors,
and may make war again in a few years unless they are utterly defeated.
* hostility (n):敵意;敵対(行為);(複数形で)戦争行為,交戦
[現在存在している,継続的な戦闘行為 (continued hostilities) への黙従は,
全く恐怖心のせいです。あらゆる国が,敵(側)こそが侵略者であり,敵(側)を徹
底的に打ち負かさなければ,2,3年以内に再び戦争を始めるかもしれない,と
信じています。
出典:ラッセル『自伝』第2巻第1章「第一次世界大戦」]
https://russell-j.com/beginner/AB21-220.HTM
Although he did not write as a Pacifist, he infuriated most patriotic
people by refusing to acquiesce in the hypocritical high moral tone
of the Government and its followers.
[彼(バーナード・ショー)は平和主義者として書いたわけではかなかったけ
れど,政府(英国政府)とその追従者の偽善的な高い道徳的調子に黙従するこ
とを拒否し,多くの愛国的な人達を激怒させた。]
出典:ラッセル「バーナード・ショー」]
https://russell-j.com/beginner/1036_GBS-070.HTM
Slaves who had acquiesced before ceased to acquiesce; masters who had
formerly had no doubts as to their rights became hesitant and
uncertain. Friction arose and caused unhappiness on both sides. I am
not saying all this as an argument against democracy, for the troubles
in question are only such as are inevitable in any important
transition. But it is no use to blink the fact that, while this
transition is in progress it makes the world uncomfortable.
* blink (v):まばたきする;驚きの目で見る;明滅する;見てみないふりをす
る
[以前は黙従していた奴隷たちは,黙って従うことをやめた。以前は'自分たち
の権利'についてまったく疑いを持っていなかった主人たちは,ためらうように
なるとともに半信半疑となった。摩擦が生じ,両者に不幸をもたらした。私は,
民主主義に反対するためにこのようなことを言っているのではない。なぜなら
,問題のトラブルは,重要な過渡期(移行期)にあってはいつでもつきまとうも
のにすぎないからである。しかし,この移行(変化)が進行している間は,それは
世の中を居心地を悪くするという事実は認めなければならない(←見て見ぬ振
りをしても役に立たない)。
出典:ラッセル『幸福論』第13章「家族」]
https://russell-j.com/beginner/HA24-040.HTM
2.参考例
That would require the acquiescence of our allies.
[それを行おうとすれば,同盟国の同意が必要だ。
出典:『京大学術語彙データベース 基本英単語1110』p.178]
She acquiesced in all that was suggested to her.
[こうしたらと言われたことにはすべておとなしく従った。
出典:Shogakukan Random House English-Japanese Dictionary, 1982]
He acquiesced in the plans his parents had made for him.
[ 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.]
Steve seemed to acquiesce the decision.
[ 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
ed.]
■■ ラッセルの英語(2) n2594-2 ラッセルの英文
( Unpopular Essays, 1950 から)
「哲学と政治」n.34(お終い)
私達の時代においては、ロックの時代と同様、経験主義的自由主義(それは
民主的社会主義と相容れないものではない)こそが、一方では自分の信念のた
めに科学的根拠を要求し、他方ではあれこれの政党や信条の流行よりも人類の
幸福を欲求する人々によって採用されうる唯一の哲学である、と私は結論づけ
る。混乱し困難なこの世界が災難から逃れるためには、様々なものが必要であ
る。そうして、そのなかで最も必要なものは、いまだ自由主義の信念を保持し
ている国々において、それらの信念が心からのものであり奥深いものでなけれ
ばならないこと、しかも 右翼および左翼の教条主義に対して弁解がましく物
を言うのではなく、自由、科学の自由、相互の寛容の価値を深く確信したもの
でなければならないということである。というのは、これらの信念なく して
は、政治的には分断さているが技術的には統一されている地球上での生活は可
能であり続けることはないであろうからである。
Philosophy and Politics, (1947),n.34
I conclude that, in our day as in the time of Locke, empiricist
liberalism (which is not incompatible with democratic socialism) is
the only philosophy that can be adopted by a man who, on the one hand,
demands some scientific evidence for his beliefs, and, on the other
hand, desires human happiness more than the prevalence of this or that
party or creed. Our confused and difficult world needs various things
if it is to escape disaster, and among these one of the most necessary
is that, in the nations which still uphold Liberal beliefs, these
beliefs should be whole-hearted and profound, not apologetic towards
dogmatisms of the right and of the left, but deeply persuaded of the
value of liberty, scientific freedom, and mutual forbearance. For
without these beliefs life on our politically divided but technically
unified planet will hardly continue to be possible.
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2624j-2630j を投稿
英 語 version : n.2624e-2630e を投稿
1つだけ再録します。 n.2624j (Jan. 7, 2024)
「」
大部分の精神分析家は、罪悪感(guilt 法律上の罪)や罪の意識(sin 宗教
上・道徳上の罪)を重要視しており、それら(罪悪感や罪の意識)の多くは生
得的なものだと考えているようである。私はそれには同意できない。私は、若
者の罪悪感(the sense of guilt)の心理的起源は、両親や権威者/権力者に
よる罰や非承認を恐れることだと考えている。けれども、罰や非承認によって
罪悪感を抱くのであれば、権威を尊重することが必要であり、単に恐れるだけ
であるはずはない。(即ち)恐怖心があるだけの場合、自然な反応は欺瞞や反
抗への衝動である。
Most psycho-analysts make much of the sense of guilt or sin, which
many of them seem to regard as innate. I cannot agree with them in
this. I believe the psychological origin of the sense of guilt in the
young to be fear of punishment or disapproval by parents or whoever
is in authority. If a feeling of guilt is to result from punishment or
disapproval, it is necessary, however, that authority should be
respected, and not merely feared; where there is only fear,
the natural reaction is an impulse to deceit or rebellion.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics,
(1954), chapter 7:sin
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0702.htm
<寸言>
ラッセルはここで、"the sense of guilt "(guilt 法律上の罪=罪悪感)と
"the sense of sin"(sin 宗教上・道徳上の罪=罪の意識)を区別しています。
「罪」というと日本人はぼんやりととらえて両者をあまり区別をつけないかも
知れないですが、キリスト教国のような一神教の国では、何か悪いことをした
場合には「宗教上の罪」を感じる人がけっこういるようです。それに対し、日
本人は、悪いことを何かすれば「罪悪感」を感じても、「罪の意識」はほとん
ど感じないようです。だから、政治家など、「悪い奴ほどよく眠る」ことがで
きます。
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 自民党「刷新」本部の「刷新」とは?
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裏金「疑惑」に対応するために、岸田総理(自民党総裁)は自民党内に自民
党「刷新」本部を設けると「宣言」しました。
一昨日(11日)、「刷新」本部の初会合が自民党本部で開催されたそうです
が、本日の朝日新聞では、安倍派から「刷新」本部に入った10人のうち、9人
に裏金を受け取った「疑い」があるそうです。
岸田総理には主体性がなく、各派閥に推薦してもらった議員をそのまま「刷
新」本部のメンバーにしたのでしょうか? 10人中9人に裏金「疑惑」があっ
ても、安倍派議員のほとんどが裏金を受け取っていたらしいということなら、
派閥に推薦してもらう方式をとっている以上、驚くべきことではないかも知れ
ません。
10人中9人に裏金「疑惑」と聞くと、では裏金を受け取っていなかった一人
とは誰だろうという興味が湧いてきます。「掃き溜め(ハキダメ)に鶴」(肥
溜めの中の鶴;ゴミ溜めの中のジュリエット・・・お好きな表現を選んでくだ
さい)である一人とは誰なのか!?
これが落語なら、「その一人とは・・・裏金を配った人でした」というこ
とになりそうです。「お後がよろしいようで・・・」。(松下彰良)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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