(トップページ)

バートランド・ラッセルのポータルサイト

バックナンバー索引

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0855_2023/10/14 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

 バートランド・ラッセルのポータルサイト: https://russell-j.com/index.htm
     同上 スマホ用メニュー        : https://russell-j.com/index.html
「ラッセルの言葉366_画像版」:
           https://russell-j.com/smart_r366/br366g-j_home.html
           https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j-today.html

 R英単語・熟語_総索引: https://russell-j.com/beginner/reitan-idx.htm
 Twitter : https://twitter.com/russellian2

★Rホームページ利用制限コンテンツ閲覧用パスワード: 1872Y0518
 ポータルサイト専用掲示板: http://249.teacup.com/bertie/bbs

[★投稿歓迎:ラッセルに関係するものであれば,ご意見,ご要望,エッセイ,
       ちょっとした情報提供等,何でもけっこうです。投稿は,
       matusitaster@gmail.com 宛,お願いします。
  ◆◆◆
 ◆お願い◆ 楽天で買い物をしている方も多いと思われます。
  ◆◆◆  ラッセルのポータルサイト(トップページ)の検索ボックス経由
       あるいは,ポータルサイトに掲載した個々の楽天取扱商品のリンク
       経由でご購入いただければ幸いです。
        収益はラッセルのホームページのメンテナンス費用や早稲田大学
       のラッセル関係資料コーナ寄贈資料の購入に充当させていただきま
              す。]

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
                                    
    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.ラッセルの著書や発言等から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「ラッセルの英語」n.2531~2534  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2534
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2531, 2532, 2533 
 
 それぞれ1つだけ再掲します。


■■ バートランド・ラッセルの英語 n2534 
 
 ★ "for myself" と "bt myself"の意味・ニュアンスの違い(バートランド
     ・ラッセル英単語・熟語 比較002)

 =================================================================
 佐藤ヒロシ『実は知らない英文法の真相 75』(プレイス、2006年)pp.140-
143.より抜粋
"for oneself"は「独力で」、"by oneself"は「一人で」という訳語で覚えて
いると、考えれば考えるほど使い分けがわからなくなることがあります。これ
は、次のように理解しておくとよいでしょう。
 "for oneself":もともと一人ですることを自分のために
 "by oneself": 他の人と共同で行うことや助けを借りてできることを一人
で 様々な用例を検討すると、"think" や "decide" や "cook" などは"for 
oneself"と結びつくことがわかる。基本的に、"think" や "decide" という行
為は、通常は複数ではなく一人でするものだからです。(みんなで考えようと
言っても、これは一緒に「考える」というより、「意見を出し合おう」とい
う意味)
 =================================================================

1.ラッセルの用例
(1) "by oneself"

At last, it was agreed that I should do a broadcast in December by 
myself.
[(そして) とうとう彼らは,私が12月(1954年)に私が単独で放送番組(注:BBC)
で話すことに同意した。]
(出典:ラッセル『自伝』3巻第2章「国の内外で」)

I remember a cold, bright day in early spring when I walked by myself
 in the Tiergarten, and made projects of future work.
[初春のある寒い晴天の日に、一人でティーアガルテン(ベルリンにある210ヘ
クタールの大公園)を散歩しながら、将来の仕事の構想を練ったのを覚えてい
る。]
(出典:ラッセル『自伝』第1巻第5章「初婚(時代)」)



(2) "for oneself"

An Agnostic does not accept any 'authority' in the sense in which 
religious people do. He holds that a man should think out questions of
 conduct for himself.
[不可知論者は,宗教的な人々が受けいれるような意味では,いかなる「権威」
をも受けいれない。人間は,彼自身の行為の問題は,(自分のために)自分で考
えるべきであると信じる。]
(出典:ラッセル「不可知論者とは何か?」)

I have always liked beautiful things, but been incapable of providing
 them for myself.
[私は常に美しいものを好んだが,自分自身で(自分のために一人で)美しいも
のを手に入れることはできなかった。]
(出典:ラッセル『自伝』第1巻第7章「再びケンブリッジ大学へ」)

2.参考
(1) "by oneself"

He lives by himslef.
[彼は一人暮らしだ。]
出典:佐藤ヒロシ『実は知らない英文法の真相 75』p.140]

He did it by himslef.
[彼は独力でそれをした。]
出典:佐藤ヒロシ『実は知らない英文法の真相 75』p.140]

Do it by yourself.
[一人でやりなさい。(授業中、教師から生徒への注意などで)]
出典:佐藤ヒロシ『実は知らない英文法の真相 75』p.140]

I'll have to get out of this difficulty by myself - if I told my 
father, he'd just shrug his shoulders and say he'd got enough problems
 of his own.
[私は一人でこの困難な状況から抜けださなければならないだろう。父に話し
ても、ただ肩をすくめて自分のことだけでいっぱいだと言うに決まっている。]
出典:『研究社-ロングマン イディオム英和辞典』p.438]


(2) "for oneself"

He cooked for himself.
[彼は自分のために(自分で)料理した → 自炊した。]
出典:佐藤ヒロシ『実は知らない英文法の真相 75』p.142]

He had the tomb built for himself.
[彼は自分のために(自分で)その墓地を建設させた。]
出典:佐藤ヒロシ『実は知らない英文法の真相 75』p.141]


■■  ラッセルの英語(2) n2533 ラッセルの英文
 ( Unpopular Essays, 1950 から)

 「人類に害を与えてきた思想」n.21

 しかもそのこと(多数決原理)を民主主義者が信じるのは,普通の人の英知
に関するいかなる神秘的概念からではなく,専制的暴力の支配のかわりに法の
支配を代置するための,最良の実際的方策としてである。また民主主義者は,
民主主義がいかなる時にもいかなる場所においても最良の体制であると必ずし
も信じているわけではない。議会制度が成功するために必要な自制心と政治的
経験とを欠いている国民は多くあり,そのようなところにおいては,民主主義
者は,自分が必要な政治教育を手に入れることを望む一方,挫折することがほ
とんど確実であるような(民主主義)体制を,時機尚早に,その国民に無理に
押し付けることは無益である,と認識するであろう。他の事においてもそうだ
が,政治においても物事を絶対的に取り扱うことは適切ではない(it does 
not do :適切ではない)。ある時期やある場所において良いものも,時と所
を変えれば悪いものとなるかもしれないし,ある国民の政治的本能を満足させ
るものが他の国民にほまったく無益なものに思われるかも知れない。民主主義
者の一般的意図は,力による政治を一般の同意による政治で置き換えることで
あるが,これには,ある種の一定の訓練を経験した民衆が必要となる。ある国
民が,相互に憎みあっているようなほぼ同数の二つの部分にわかれていて,互
いに相手ののど笛にとびかかりたがっているような状態があるとすれば,半数
より少し少ない方の側は,他の側の支配におとなしく従わないであろうし,ま
た半数より少し多い方の側は,勝利のあかつきには,両者の不和を癒やすよう
な穏健な態度を示さないであろう。

And this he believes not from any mystic conception of the wisdom of 
the plain man, but as the best practical device for putting the reign
 of law in place of the reign of arbitrary force. Nor does the democrat
 necessarily believe that democracy is the best system always and 
everywhere. There are many nations which lack the self-restraint and
 political experience that are required for the success of 
parliamentary institutions, where the democrat, while he would wish
 them to acquire the necessary political education, will recognize 
that it is useless to thrust upon them prematurely a system which is
 almost certain to break down. In politics, as elsewhere, it does not
 do to deal in absolutes; what is good in one time and place may be 
bad in another, and what satisfies the political instincts of one 
nation may to another seem wholly futile. The general aim of the 
democrat is to substitute government by general assent for government
by force, but this requires a population that has undergone a certain
 kind of training. Given a nation divided into two nearly equal 
portions which hate each other and long to fly at each other's 
throats, that portion which is just less than half will not submit 
tamely to the domination of the other portion, nor will the portion 
which is just more than half show, in the moment of victory, the kind
 of moderation which might heal the breach.
   Source: Ideas That Have Harmed Mankind,1946
     Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 1
  More info.: https://russell-j.com/beginner/0861HARM-210.HTM

 
■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2533j-2539j を投稿
 英 語 version : n.2533e-2539e を投稿

 1つだけ再録します。n.2535j (Oct. 10, 2023)

 「正義(公正)の概念」

 しかし「正義(公正)」は、正確に定義することがとても難しい概念である。
 プラトンの『国家(共和国)』は、正義(公正)を定義しようとする試みであ
ると公言しているが、その試みにあまり成功しているとは言えない。民主主義
的な感情の影響の下、 現代人は正義(公正)を平等と同一視する傾向がある
が、今でもこの見解には限界がある。・・・。思うに、「正義(公正)」とは、
実際には、「大部分の人々が正しい(公正だ)と考えること」あるいはむしろ、
悪循環に陥いらないような言い方をすれば、「不満の根拠として一般に認めら
れるものを最小限に抑えるような制度」と定義されなければならない。

... but "justice" is a concept which it is very difficult to make 
precise. Plato's Republic professes to be an attempt to define it, but
 it cannot be said that the attempt is very successful. Under the 
influence of democratic sentiment modern men tend to identify justice
 with equality, but even now there are limits to this view. ... 
I think that in fact "justice" must be defined as "what most people 
think just", or rather, to avoid the vicious circle, "that system 
which gives the least commonly recognized ground of complaint".
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 
(1954), chapter 1
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0122.htm

<寸言>
 A国の人々が考える「正義」とB国の人々が考える「正義」は、多くの場合、
異なっています。パレスチナ(のハマス他)の人々が考える「正義」とイスラ
エスの人々が考える「正義」とはかなり異なるからこそ、戦いはやみません。
 実際上、正義とは「「大部分の人々が正しい(公正だ)と考えること」とい
う定義で良さそうに思えますが、それでは、多くの紛争において説得力を持ち
ません。ということで、「不満の根拠として一般に認められるものを最小限に
抑えるような制度」という定義のほうがよさそうです。もちろん、紛争当事者
同士が納得できる定義が見つかっても、両者の間で憎悪の感情がある限り、紛
争はなくなりません。
 国家という制度が亡くならない限り、戦争はなくなりません。世界政府が実
現した暁には、それは「内戦」になりますが、国家が強力になれば内戦がなく
なっていくように、世界連邦政府が強力になるにつて、「国家」(←古い名称
/廃藩置県が参考になります)同士の戦いもなくなっていくはずです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(2) ラッセルに関する記述や発言等 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回もお休み

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 編集後記 旧統一教会の解散命令請求は岸田政権浮揚の材料となるか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
 政府(文科省)は、昨日、旧統一教会の解散命令を東京地裁に請求しました。
 (被害を受けた人に補償するために必要な)旧統一教会の財産保全を可能と
する法律がまだできていないのは大きな問題ですが、一歩前進です。

 岸田総理は、いろいろなことをやっても支持率があがらず、政権浮揚の決め
てを欠いていました。旧統一教会の解散命令請求は、岸田総理(政権)が政権浮
揚のための切り札にしようとしているようですが、思惑通りいくでしょうか?

 岸田政権が旧統一教会と決別を宣言していますので、自民党の国会議員は皆、
現在は旧統一教会との関係を断ち切っていると公言していますが、特に旧統一
教会と結びつき(選挙での応援、献金その他)が大きい旧安倍派の人々は安心
できない立場にあります。

 旧統一教会から見れば -旧統一教会の解散命令請求が東京地裁に出された
のにー 自分たちが支援した国会議員の連中が、まったく反対意見を言ってく
れないのを見れば腹正しく思うでしょうから、これから「復讐」が始まること
が予想されます。

 旧統一教会は、このような裏切りに備えていろいろな記録(含む、ビデオ撮
影)を保存しているでしょうから、そういったネタをマスコミ(テレビや週刊
誌等)に提供し始めることは確実であるように思われます。どのような材料が
でようと「今は関係を切っている(ので問題ない)」という態度を取るでしょ
うが、選挙民はそれでよしとして、そういった政治家を支持し続けるでしょう
か? (松下彰良)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

■登録・解除・変更はこちら: https://russell-j.com/R3HOME.HTM
■WEBサイト: https://russell-j.com/
     ( top page: https://russell-j.com/index.htm )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━