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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0849_2023/09/02 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2502~2506 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語」は、n.2502, 2504, 2506
(2)「ラッセルの英文」は、n.2503, 2505
それぞれ1つづつ再掲します。
■■ バートランド・ラッセルの英語 (1) n2506 R英熟語
★ if any 【あるとしても;もしあれば】
* 『解体英語構文』p312に収録されていますが、(ラッセル英構文ではなく)ラ
ッセル英熟語に収録しておくことにします。
* 「If there are any」の「there are」の部分が省略されたもの。「あると
しても」と「もしあれば」と、少しニュアンスの違いがあるので、文脈によっ
て訳し分ける必要あり。
* if anything(どちらかと言えば)と混同しない。【「if anything」は「If
there is anything to say」の省略形。「もし何か言う事があれば」→「ど
ちらかと言えば」】
1.ラッセルの著作から
What does it mean by this assertion? And in what sense, if any, is the
assertion true?
[この主張は何を意味しているのだろうか? また、何らかの意味あるとすれ
ば,いかなる意味でその主張は正しいのだろうか? ]
出典:ラッセル「通常の用法(日常用法)」
https://russell-j.com/beginner/1002_CoCU-050.HTM
Some would say that psychology is concerned with mental phenomena, but
they would be puzzled if they were required to state in what respect,
if any, "mental" phenomena differ from those which provide the data
of physics. .
[心理学は心的現象(精神現象)に関心を持つと言う者もいるだろうが,「心的」
現象(精神現象)が物理学にデータを与える現象と -もし異なる点があると
したら(if any)- いかなる点において異なっているか述べよと要求された
ら困惑してしまうだろう。]
出典:ラッセル『宗教と科学』第5章「魂と肉体」
https://russell-j.com/beginner/RS1935_05-010.HTM
2.参考
There are few, if any, such men. / There is little, if any, hope.
[たとえいるとしても、そのような人は稀だ。/希望はあったとしても、ごく
わずか(ほとんどない)。]
出典:『解体英熟語-改訂第2版』p.312
Few, if any, Americans grasped the significance of what had been
accomplished.
[達成したことの意義を理解したアメリカ人は(たとえあったとしても)きわ
めて少数であった。]
出典:鈴木長+伊藤和夫(共編)『新・基本英文700選』p.56
■■ ラッセルの英語(2) n2506 ラッセルの英文
( Unpopular Essays, 1950 から)
「人類に害を与えてきた思想」n.6
この心理様式(注:人間を正しい人間と罪人とに分けて、罪人に罰を与えよ
うとする心性など)は,非常に持続性があり,またまったく新しい教義の装い
をまとうことができると思われることから,その根源はいくらか人間性の深い
ところにあるに違いない。これは,精神分析学者(精神分析家)たちによって
研究されている性質の事柄(問題)である。私は彼等の主張のすべてに賛意を
表するといった立場からははるかに遠い立場にあるが,悪の源泉を我々人間の
もっとも深い部分に求めたいと思うならば,精神分析学者たちの一般的方法は
重要である,と考える。罪と報復的な罰という一対の概念は,宗教および政治
の(世界の)双方において,最も精力的な多くのものの根源にあるように思われ
る。私は,罪悪感情は,幼少期のごく初期に形成されるものだと信じるが,精
神分析学者の何人かが言うように,その感情が生得的なものであるとは信じな
い。もし仮に,その感情を根絶することができるならば,世界中の残酷さの分
量は劇的に減少するだろう,と私は考える。我々人間全ては罪人(原罪を負っ
ている者)であり,我々は全て処罰に値する,と(仮定)すれば,処罰が自分
(たち)以外の人々に下されるような組織を弁護することが,明らかに容易と
なる。カルヴァン主義者たち(or カルヴィン主義者たち)は,自ら値しない慈
悲を受けて,天国へゆくことになろうが,その場合,罪が罰に値する彼等(カ
ルヴァン主義者たち)の感情は,ただ単に代償的な満足を得るだけである。共
産主義者たちも,同様な考え方をもっている。我々は生まれるときに,資本家
あるいはプロレタリアの家に生まれるべきか否かの選択を行うわけではない
(選択できない)が,もし後者であれば,(共産主義の思想においては)我々
は選ばれた者(集団)に属し,前者であればそうではない(ということにな
る)。我々の側での選択がまったくなしに,経済的決定論の働きによって,
我々は一方の場合には正義の側にあり,他方の場合には間違っている側に立つ
運命にあるのである。マルクスの父は,マルクスが幼児であったころにキリス
ト教徒となっており,そのときに受け容れたに違いない教義の少なくともいく
らかは,その息子(マルクス)の心理の中で実を結んだように思われる。
As this psychological pattern seems so persistent and so capable of
clothing itself in completely new mantles of dogma, it must have its
roots somewhat deep in human nature. This is the kind of matter that
is studied by psycho-analysts, and while I am very far from subscribing
to all their doctrines, I think that their general methods are
important if we wish to seek out the source of evil in our innermost
depths. The twin conceptions of sin and vindictive punishment seem to
be at the root of much that is most vigorous, both in religion and
politics. I cannot believe, as some psycho-analysts do, that the
feeling of sin is innate, though I believe it to be a product of very
early infancy. I think that, if this feeling could be eradicated, the
amount of cruelty in the world would be very greatly diminished. Given
that we are all sinners and that we all deserve punishment, there is
evidently much to be said for a system that causes the punishment to
fall upon others than ourselves. Calvinists, by the fiat of undeserved
mercy, would go to heaven, and their feelings that sin deserved
punishment would receive a merely vicarious satisfaction. Communists
have a similar outlook. When we are born we do not choose whether we
are to be born capitalists or proletarians, but if the latter we are
among the elect, and if the former we are not. Without any choice on
our own parts, by the working of economic determinism, we are fated
to be on the right side in the one case, and on the wrong side in the
other. Marx's father became a Christian when Marx was a little boy,
and some, at least, of the dogmas he must have then accepted seem to
have borne fruit in his son's psychology.
Source: Ideas That Have Harmed Mankind,1946
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 1
More info.: https://russell-j.com/beginner/0861HARM-060.HTM
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2491j-2497j を投稿
英 語 version : n.2491e-2497e を投稿
1つだけ再録します。n.2493j (Aug. 29, 2023)
「歳をとってから警戒すべき危険」
心理学的見地から言えば,歳をとってから警戒すべき危険が二つある。その
一つは過去への不当な執着である。過去の記憶に生きること,昔の良き時代を
惜しむこと,あるいは死んだ友を悲しみながら生きること,は良くない。人の
思い(思考)は未来へ,またなすべき物事へ向けられなければならない。これ
は必ずしも容易ではない。自分の過去は次第に重みを増していくからである。
自分の感情はかつて現在よりも生き生きしており、精神はずっと鋭敏であった
と思うことは容易である。それが真実であるならば忘れるぺきであり,忘れら
れるであれば恐らくそれは真実ではないだろう。
Psychologically there are two dangers to be guarded against in old age.
One of these is undue absorption in the past. It does not do to live
in memories, in regrets for the good old days, or in sadness about
friends who are dead. One’s thoughts must be directed to the future,
and to things about which there is something to be done. This is not
always easy; one’s own past is a gradually increasing weight. It is
easy to think to oneself that one’s emotions used to be more vivid
than they are, and one’s mind more keen. If this is true it should be
forgotten, and if it is forgotten it will probably not be true.
Source: Bertrand Russell: How to grow old (1951)
Reprinted in: Portraits from Memory and Other Essays, 1956.
More info.:https://russell-j.com/beginner/0958HTGO-020.HTM
<寸言>
過去の光があたっていた時代の自分を惜しみ(光を失ったことを残念がり)
、その時代の自分を周囲から称賛されることが一番の生きがいだというのは、
残念なことです。
未来に目を向けることができるのは健康であればこそであり、重い病にかか
っていればそれは困難です。しかし、あまり健康とは言えなくても、後ろ向き
な気持ちになるよりはましだと考えることができれば、幸せの総量は増しそう
です。
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 力の強い者に弱いマスコミ?-ジャニーズ「事件」と木原「問題」
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誰でも文句を言いづらい相手がいます。相手が組織(最大の組織は国家/政
府)の場合も同様です。マスコミにおいては、相手が芸能界の組織であれば、
それは人気のあるタレントを抱えているジャニーズ事務所のような組織です。
ジャニーズの創業者による性的加害行為について週刊文春が長い間報道し続
けてきましたが、NHKも含め、多くのマスコミ(放送、新聞、その他)は無
視し続けてきました。しかし、BBCが報道したために無視できなくなり、よ
うやく重い腰をあげるようになりました。海外の有名な報道機関がとりあげた
ため、日本のマスコミも(一番手ではない)追いかけ報道なのでどこからもク
レームはこないだろうと「安心して」報道し始めたのでしょうか?
同様に、週刊文春は、官房副長官の木原誠二氏に関する疑惑(最大の問題は
報道に対する圧力の問題)について6回に渡って連載し、追求してきました。
新聞社や放送局の「調査報道」をしのぐ取材ですが、大手マスコミ(放送局や
新聞社等)は自分たちの特権(電波利用権、税金の控除、記者クラブ所属特権、
その他)を守るためか、木原問題に関し、政府に都合の悪い報道をほとんどし
てきませんでした。
一番問題だと思われるのは、警察権力の私物化であり、岸田内閣の栗生俊一
官房副長官(元警察庁長官)が露木検察庁長官に木原問題を収束させるように
依頼し、露木長官が「木原氏の妻の元夫は自殺したと考えてまったく問題ない
、事件性はない」と記者会見で答えたことです。現場からの報告を受けて、
そう判断したということになっていますが、実際は、部下に命じ、捜査第一課
長(キャリア)などに「自殺と考えて問題ない」と言わせたということが、警
察幹部の秘密会談での会話が週刊誌に暴露されてしまいました。そんな内部情
報は、通常は、警察や自衛隊のような規律の厳しい組織からはでてこないはず
ですが、出てくるというのは、現場の捜査をまったく無視して、キャリアの連
中が自分の出世のために「黒を白と言っている」という不信感が強いためでは
ないかと推察されます。
木原氏は影の総理と言われており、木原氏がいないと岸田氏は総理としてや
っていけないので木原氏を切れないという見立てが有力です。万一、木原氏を
切る場合でも、特別補佐官や筆頭秘書官にするのではないかと思われます。
木原問題も、ジャニーズ問題同様、BBCのような海外の権威のある報道機
関が報道しなければ、NHK等の大手マスコミは報道しないのでしょうか?
(松下彰良)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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