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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0839_2023/06/24 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2454~2458  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2454,2456,2458
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2455, 2457
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2454 R英単語/英熟語  

★ all too 【(残念ながら)とても、あまりにも・・・すぎる】

* 「all too many professors」といった表現を見ると、「all(全て)と言っ
ているのに、「many」というのは矛盾するのではないかと思ってしまいますが
、ここでの「all」は「まったく」という意味の副詞で、「too」を強調したも
の。なお、「none too」は「少しも・・・ない」の意味なので混同しないよう
に注意。


1.ラッセルの用例

Even when a man genuinely sacrifices his own happiness in favor of 
something that he thinks nobler, he is apt to remain envious of those
 who enjoy a lesser degree of nobility, and this envy will, all too 
often, make those who think themselves saints cruel and destructive.
[自分がより高貴であると考えるもののために自分自身の幸福を犠牲にする場
合でさえ、その人はもっと低い程度の高貴さを楽しんでいる人たちを羨ましが
りがちであり、この羨望(妬み)は,自らを聖者(聖なる心を持っている)と
思う人たちを、非常にしばしば、残忍かつ破壊的にするであろう。]
 出典:ラッセル「幸福に至る道」
     https://russell-j.com/beginner/1952_RtoH-010.HTM

Theologies have professed to give answers, all too definite; but their
 very definiteness causes modern minds to view them with suspicion.
[神学は,まったく明確な答えを与えたのだと自称してきた。しかしまさにそ
れが明確だと主張されることが,近代人をしてその答えに疑いをさしはさまし
めた(のである)。]
 出典:ラッセル『西洋哲学史』序論「冒頭」
     https://russell-j.com/cool/38T-0101.HTM

And I regret to say that all too many professors of philosophy 
consider it their duty to be sycophants of common sense, and thus,
 doubtless unintentionally, to bow down in homage before the savage
 superstitions of cannibals. .
[そうして多くの哲学の教授たちが皆,常識におべっかを使い、そうしておそ
らく意図せずして,カーニバルの野蛮な迷信の前に敬意を表してひざまずくこ
とを自らの義務(責務)と考えていることは、悲しむぺきことである。]
 出典:ラッセル「精神と物質(心と物)」
     https://russell-j.com/beginner/19501110_Mind-Matter030.HTM


2.参考例

Make the most of your college life, for it comes to an end all too 
soon.
[大学生活を最大限に活かしなさい。というのも、(大学生活は)すぐに終わ
ってしまうからだ。]
 出典:『解体英熟語 改訂第2版』p.444

His career as a novelist, not to speak of his life, was all too short.
[彼の人生はもちろんのこと、小説家としての人生もあまりにも短すぎた。]
 出典:『新版 完全征服データベース5500 合格 英単語・熟語』p.340

The end of the trip came all too soon.
 出典: Oxford Advanced Learner's Dictionary, 8th ed.

You use all too or only too to emphasize that something happens to a
 greater extent or degree than is pleasant or desirable.
 出典: Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learner's, new
 ed.


■ ラッセルの英語(2) n2457 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要」(1943年発表)」n.47

 人類が陥りやすい種々の愚かな見解を避けるためには、超人間的な才能は必
要ではない。2,3の単純な規則で(規則を守るだけで)、あなたは全ての誤
りをさけることはできないが、愚かな誤りから逃れることができるであろう。

 もし問題が観察によって決着できるものであるならば、自分自身で観察をし
なさい。 アリストテレスは、女性は男性よりの歯の数が少ないと考える過ち
を、アリストテレス夫人に、彼が彼女の歯の数を数えている間口を開けていて
くれるよう頼むという単純な工夫によって、さけることができたであろう。
(しかし)彼はそうしなかった。自分は(既に)知っていると考えていたから
である。実際知っていないのに知っていると考えることは致命的な誤りであり
、我々は皆この誤りをしがちである。私は自分では ハリネズミ(hedgehogs)
は黒いカブトムシを食べると信じているが、それはハリネズミはカブトムシを
食べると人から(これまでずっと)聞いてきたからである。しか、しもし私が
ハリネズミの習性について一冊の本を執筆していたとしたら、このあまりおい
しそうに思えない食事をしているハリネズミを見るまでは、私は立場を明らか
にする(commit myself)べきではない。けれども、アリストテレス は、少し
注意が不足していた。古代及び中世の著者達は、一角獣(ユニコーン)と火蛇
(サラマンダー)についてあらゆることを知っていた(=知っているとされて
いた)。それらについて一度も見たことがないからという理由で、独断的な陳
述をさけることが必要だと考える者は、彼らの内に誰もいなかった。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.47

To avoid the various foolish opinions to which mankind are prone, no 
superhuman genius is required. A few simple rules will keep you, not
 from all error, but from silly error.

If the matter is one that can be settled by observation, make the 
observation yourself. Aristotle could have avoided the mistake of 
thinking that women have fewer teeth than men, by the simple device of
 asking Mrs. Aristotle to keep her mouth open while he counted. He did
 not do so because he thought he knew. Thinking that you know when in
 fact you don't is a fatal mistake, to which we are all prone. 
I believe myself that hedgehogs eat black beetles, because I have been
 told that they do; but if I were writing a book on the habits of 
hedgehogs, I should not commit myself until I had seen one enjoying 
this unappetizing diet. Aristotle, however, was less cautious. Ancient
 and medieval authors knew all about unicorns and salamanders; not 
one of them thought it necessary to avoid dogmatic statements about
 them because he had never seen one of them.
  Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
   Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
   More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
      https://russell-j.com/cool/UE_07-470.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2421j-2427j を投稿
 英 語 version : n.2421e-2427e を投稿

 1つだけ再録します。 n.2423j (June 20, 2023)

 「偉大な哲学者の思想を註釈する人々」

・・・。偉大な哲学者の思想を註釈する人々は、いつも哲学者の愚かな発言を
無視する(見て見ぬふりをする)。
 アリストテレスはその名声にもかかわらず、不合理に満ちている。彼は、子
供は冬、風が北から吹く時に授かるべきだ(妊娠すべきだ)とか、人々があま
り若くして結婚すると女の子が生まれるだろう、と述べている。彼はまた、次
のように語っている。即ち、女性の血液は男性の血液よりも黒い;豚はハシカ
にかかりやすい唯一の動物である;不眠症にかかっている象はその肩を塩やオ
リーブ油やお湯でこするべきである;女性は男性よりも歯の本数が少ない、等
々を我々に教える。

Commentators on great philosophers always politely ignore their silly
 remarks. Aristotle, in spite of his reputation, is full of 
absurdities. He says that children should be conceived in the Winter,
 when the wind is in the North, and that if people marry too young the
 children will be female. He tells us that the blood of females is 
blacker than that of males; that the pig is the only animal liable to
 measles; that an elephant suffering from insomnia should have its 
shoulders rubbed with salt, olive-oil, and warm water; that women have
 fewer teeth than men, and so on.
Source: Outline of Intellectual Rubbish (1943)
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/cool/UE_07-400.HTM

<寸言>
 これは偉大な哲学者に限らず、多くの著名人に対してもあてはまります。た
とえば、有名な政治家の多くが愚かな勘違いや迷信を抱いていても、特に子分
の方々は無視(話題にしないように)します。亡くなってしまえば、神格化さ
れることさえあります。

 なお、アリストテレスを擁護して、「Aristotle never said these! : 10
 awfully fake quotes」なんていう YouTube 動画もあります。
 ラッセルの場合は、孫引きではなく、アリストテレスの著作から抜粋してい
るはずです。また「そんなことは言っていない」と証明することも不可能
(「悪魔の証明」)です。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記  長寿番組の「徹子の部屋」
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 このところよく、「徹子の部屋」(TV朝日、平日13:00-13:30放送のトーク
番組)を視聴しています。Wikepedia によると、この番組は1976年から48年続
いており、司会の黒柳徹子さんは今年8月9日に実に90歳になるそうです。
毎日スクワットをやって健康を保っているそうですので、100歳まで続けられ
そうです。(8月9日生まれということで、8月8日生まれの私にはそのこと
でも親近感を覚えてしまいます。)

 対談相手には、誰でも知っている各界の著名人だけでなく、近年脚光を浴び
ている老若男女をゲストに呼んでいますので、とても刺激になります。多くの
番組においては、ゲストに呼ばれても正直に本当のことを言わない人も少なく
ないですが、対談相手が「伝説の人?」の黒柳徹子となれば胸筋を開き、通常
では聞けない話が聞けることも少なくありません。

 これほどの長寿のトーク番組になると、活躍が続いている人は何度もゲスト
に招待されるケースがでてきます。夫婦で、親子で、一家そろって出演、ある
いは、「離婚しました」「再婚しました」「(連れ添いが)亡くなりました」
など、バラエティに富んでおり、飽きることがありません。

 黒柳さんが歳をとっても頑張っているのを見ると「自分の励みになる」と言
うゲストも多く、100歳まで続けてもらいたいと私も願っています。(松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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