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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0831_2023/04/22 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2412~2416  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2412,2414,2416
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2413, 2415
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2412 R英単語/英熟語  

★ meet with [~に遭遇する;~を経験する;約束して(人と)会う]

* ここでは、"meet"を他動詞として使わず、自動詞として使っている。"with"
の後ろには、事故や障害など、意外なものがくることが多い。


1.ラッセルの著書から

They ( = the men of science) have therefore no necessity for complex 
emotions, since the simpler emotions meet with no obstacles.
[科学者は - 単純な感情は、障害物にぶちあたることがまったくないので- 
それゆえ、複雑な感情を持つ必要がない。]
 出典:ラッセル『幸福論』第10章「それでも幸福は可能か?」
     https://russell-j.com/beginner/HA21-020.HTM

Since no man can be omnipotent, a life dominated wholly by love of 
power can hardly fail, sooner or later, to meet with obstacles that
 cannot be overcome.
[誰も全能にはなれないので、権力欲に支配された人生は、おそかれ早かれ、
克服できない障害にぶつかることは避けがたい。]
 出典:ラッセル『幸福論』第1章 「不幸の原因」
     https://russell-j.com/beginner/HA11-030_3.HTM

The fearless man may, of course, meet with sudden disaster, but it is
 likely that he will pass unscathed through many difficult situations
 in which a timid man would come to grief.]
[恐れを知らない人も、もちろん、不慮の災難にあうかもしれない。しかし、
たぶん、臆病な人間ならひどい目にあうような多くの困難な状況を、恐れを知
らない人は怪我ひとつなく切り抜けることだろう。]
 出典:ラッセル『幸福論』第1章 「愛情」
     https://russell-j.com/beginner/HA23-020.HTM
 

2.参考

I'll take care that you don't meet with any injury.
[私はあなたがどんな怪我にも合わないように気をつけましょう。]
 出典:『解体英熟語 改訂第2版』p.140

He's such a reckless driver that he will probably meet with an 
accident some day.
[あいつの運転はかなり無謀だから、いつかきっと事故に合う(遭遇する)だ
ろう。]
 出典:『新版完全征服 データベース5500 合格 英単語熟語』p.61

I met with some difficulties when I tried to enter the country.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

Attempts to find civilian volunteers have met with embarrassing 
failure.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners,
 new ed.


■ ラッセルの英語(2) n2411 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要」(1943年発表)」n.30

 経済の領域には多くの広く拡散している迷信が存在している。
 人々はなぜ金や宝石を貴ぶのだろうか? 単純にそれらが希なもの(希少な
もの)という理由からではない。(なぜなら)金よりもずっと希少な「レアア
ース(稀土類)」と呼ばれる元素(注:17種類)があるが、少数の科学者以外
、それらのために1ベニー(さえ)支払う者はいないだろう。金および宝石は
もともとそれらが持っているとおもわれた魔術的な性質のせいであるという説
があるが、これには支持されるべき理由が多い(for which there is much to
 be said 多く言うべきことがある)。現代の政府のいろいろな失敗は、この
信念が、「実際的」と言われる種類の人々の間に依然として存在していること
を示しているように思われる第一次大戦の終りに、ドイツは莫大な金額(賠償
金)をイギリスとフランスに支払うべきこと、そうして、イギリスとフランス
は こんどは、アメリカに莫大な金額 (戦時の負債)を支払うべきことが同意
された。 全ての国は、品物よりは、むしろ、金(現金)で支払われることを
欲した。(即ち)「実際的」な人々は、そのような金額の現金この世には存在
していないことに気づくことができなかった(のである)。彼らは、また、金
は品物を買うことに使われない限り何の役にも立たないということに気づくこ
とができなかった。彼らが、金をそういうように使おうとしないので、金は誰
にとっても役に立たなかった。金には、それをトランスバール(注:南アフリ
カ共和国の金鉱)で掘り出し、アメリカの銀行の地下金庫室に再び置くだけの
価値あるものにする神秘的な美徳があると考えられていた(注:皮肉)。結局
、当然、債務国には現金はなく、しかも品物で支払うことが許されていなかっ
たので、それらの国々は破産した。 世界大恐慌は金(きん)の魔術的性質への
生き残り続けていた信仰の直接的な結果であった。現在の戦争(注:第二次世
界大戦/このエッセイは大戦中の1943年に執筆されたもの)が終わった後、何
らかの同様の迷信が、(この迷信)同様に、悪い結果をもたらすであろうこと
が、懸念される。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.30
In the economic sphere there are many widespread superstitions. Why do
 people value gold and precious stones? Not simply because of their 
rarity: there are a number of elements called "rare earths" which are
 much rarer than gold, but no one will give a penny for them except a
 few men of science. There is a theory, for which there is much to be
 said, that gold and gems were valued originally on account of their
 supposed magical properties. The mistakes of governments in modern 
times seem to show that this belief still exists among the sort of men
 who are called "practical." At the end of the last war, it was agreed
that Germany should pay vast sums to England and France, and they in 
turn should pay vast sums to the United States. Every one wanted to be
 paid in money rather than goods; the "practical" men failed to notice
 that there is not that amount of money in the world. They also failed
to notice that money is no use unless it is used to buy goods. As they
 would not use it in this way, it did no good to anyone. There was
 supposed to be some mystic virtue about gold that made it worth while
to dig it up in the Transvaal and put it underground again in bank 
vaults in America. In the end, of course, the debtor countries had no
 more money, and, since they were not allowed to pay in goods, they 
went bankrupt. The Great Depression was the direct result of the 
surviving belief in the magical properties of gold. It is to be feared
 that some similar superstition will cause equally bad results after
 the end of the present war.
 Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
    Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
   More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
      https://russell-j.com/cool/UE_07-300.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2358-2364j を投稿
 英 語 version : n.2358-2364 を投稿

 1つだけ再録します。 n.2363j n.2363j ( Apr. 21, 2023)
         


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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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★ラッセル徒然草-初級編

  鎌田氏は頻繁にラッセルを引用しますが、一昨日、また以下のものを見つけ
ました。

 鎌田 浩毅「『二重らせん』と『論語』」(京都大学名誉教授)
『文藝春秋』2023年5月号「私の人生を決めた本」特集号所収

 ・・・前略・・・。
 高校生になると英語の授業で、バートランド・ラッセル著『幸福論』(岩波
文庫)を読まされた。授業が退屈だったので私は勝手にテキストを読み進めて
いった。文意が明快でウイットに富み、「英語なのに」するすると頭に入る。
 教科書の英文で興味を持てるものなど皆無に等しかったが、ラッセルは格段
に知的でセンスが良い。おかげで英語がいっぺんに好きになり、後に米国カス
ケード火山観測所へ2年留学した折には、古書店に立ち寄り原書を買い集めた。
 本書には人生を気分や感情に任せるのではなく、理知的に扱う姿勢が貫かれ
ている。ドライな人生論は日本の風土と正反対のもので、理性の働きを重んじ
る「主知主義」に私は限りない親近感を覚えた。
 一方、著者はゆっくりと流れる時間軸で世界をとらえる。「私たちの生は
〈大地〉の生の一部であって、動植物と同じように、そこから栄養を引き出し
ている。〈大地〉の生のリズムはゆったりとしている」。後年、地球科学を専
門にする萌芽を与えられた。
 ラッセルは、核兵器廃絶を目指す平和運動家としても大活躍した。科学者が
社会に出て行動する姿は私のロールモデルとなり、基礎研究の教授からスピン
アウトするきっかけとなった。そして、東海トラフ巨大地震・首都直下自地震
・富士山噴火を迎え撃つ「科学の伝道師」となって今に至る。
 ・・・後略・・・。 

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 編集後記 トランプとFoxニュース - 嘘の発生源はどちら?
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 一昨日、「トランプ氏のウソ拡散、FOXが1千億円支払い-虚偽報道認めて
和解」という大きなニュースが飛び込んできました。

 ニュース・メディアによる「事実」報道は一応「事実」を報道していると
いう前提で記事を読んだり、聞いたりします。fake news を垂れ流すあやしい
サイトであれば「ひどいね」ですませますが、あまり信頼できないとはいえ、
Fox ニュースは、CATVなどを通して、米国内に8,000万人もの視聴者がいると
のことで、もし、重大なフェイク・ニュースを流し続けたということであれば
、その影響力から、大問題になります。

 Foxニュースは「2020年の米大統領選で不正に集計結果が操作された」との
報道をし、それを受けてトランプ前大統領も「大統領選挙は盗まれた!」と
これまでずっと言い続けてきました。いや、実際は逆で、トランプ前大統領ら
による陰謀論を、Fox Newsも「利用」し、「加担」したというのが本当のとこ
ろかも知れません。どちらにしても、米国のトランプ支持者や、選挙は不正だ
ったと主張し続けてきた日本の一部の識者(トランプ擁護者)は自分達の非を
認めるでしょうか? それとも、裁判に負けたのであのように言う他なかった
と言い繕って、「自分の非」を認めないでしょうか?

 もしも、Fox News が自分達が正しいと思えば、裁判に負けた以上、賠償金
を支払わないといけませんが、主張をまげないという対応もできたはずです。
しかし、Fox News は「ドミニオン(集計機の製造業者)に関する特定の主張
が虚偽であるとする裁判所の判断を認める。和解は、最高のジャーナリズム
基準に対してFOXが献身を続けるとの決意を反映している」という声明を出し
ています。

 あ、もうひとつ、弁解の仕方がありました。「まさか、Fox News が嘘の報
道をするとは思わなかった。今後、注意をしてニュースに接することにしたい」
(=即ち、私には責任はない)ということで、「いつまでも過去にこだわらず、
未来に目を向けよう」という態度をとることになるでしょうか? (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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