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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0828_2023/04/01 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2397~2401 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語」は、n.2397,2399,2401
(2)「ラッセルの英文」は、n.2398, 2400
それぞれ1つづつ再掲します。
■ ラッセルの英語 (1) n2397 R英単語/英熟語
★ succeed to 【~を相続する、継承する】
* 比較: succeed in : ~に成功する
1.ラッセルの用例
In a dictatorship which is not hereditary, such men may hope to succeed
to the dictator when he dies ; but in general they prefer not to take
the front of the stage.
[世襲制をとっていない独裁制(国家)においては,そうした人々は,独裁者
が亡くなったあとに独裁者の後継者になりたいと思うかも知れない。しかし,
概して,彼らは舞台の正面には出てきたがらない。]
出典:ラッセル『権力』第3章「権力の形態」
https://russell-j.com/beginner/AB15-010.HTM
On the other hand, if one considers, for example, succession in a royal
family in which sons always succeed to fathers, the relation ancestor
confined to this royal line is connected, and therefore the kings
concerned form a series.
[他方、たとえば、常に息子が父の跡を継ぐある王家の王位継承を考えると、
この王家の系譜に範囲を限った場合の祖先関係は連関的であり、従って、この
王家の王達はびとつの系列を形成する(ことになる)。]
出典:ラッセル『私の哲学の発展』第8章「数学原理-その数学的側面」
https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_08-070.HTM
2.参考例
He has no children to succeed to him.
[彼には自分の跡(後)を継いでくれる子供は一人もいない。]
出典:『解体英熟語 改訂第2版』p.88
Elizabeth II succeeded to the throne on 6 February 1952.
[エイリザベス2世は1952年2月6日に王位を継承した。]
出典:『九大英単語熟語 鉄壁』p.38
When the duke dies, his eldest son will succeed to the title.
出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
■ ラッセルの英語(2) n2400 ラッセルの英文
( Unpopular Essays, 1950 から)
「知的戯言の概要」(1943年発表)」n.24
十八世紀末まで、精神異常(狂気)は悪魔に取り憑かれるため(悪魔の憑依
のせい)だという理論があった。患者を苦しめるあらゆる苦痛は、悪魔をもま
た苦しめるので、最良の治療法は、悪魔が病人に取り憑くのをやめる決意する
ほど患者に苦痛を与えることだ、と推論された。精神異常者は、この理論に従
って、残酷なぐらいに殴られた。 この治療法は、国王ジョージ三世が精神異
常になった時(気が狂った時)に試みられたが、成功しなかった。医療上の愚
行の長い歴史を通じて信じられてきた、ほとんど全てのまったく無益な治療法
が精神異常の患者に対して激しい苦痛をひきおこすようなものであったという
ことは、奇妙(curious)かつ痛々しい事実である。麻酔剤(麻酔薬)が発見
された時、信心深い人々は、それを神の意志から逃れようとする試みだと考え
た。けれども、神がアダムの肋骨(あばらぼね)をひきぬいた時、神はアダム
を深い眠りにおいたということ(事実)が指摘された。このことは、麻酔剤が
男達にとってはさしつかえないということの証明となった。けれども、女達は
イヴののろいのせいで苦しまなければならない(とされた)。西欧(欧米)で
は婦人参政権がこの教義がまちがいであることを証明したが、日本では今日ま
で、出産時の女性が麻酔剤によって出産の苦痛を軽減することをまったく認め
られていない。日本人は創世記を信じていないので、このサディズム的行為
(this piece of sadism)にはなにか他に正当化の理由があるにちがいない。
Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.24
There was, until the end of the eighteenth century, a theory that
insanity is due to possession by devils. It was inferred that any pain
suffered by the patient is also suffered by the devils, so that the
best cure is to make the patient suffer so much that the devils will
decide to abandon him. The insane, in accordance with this theory,
were savagely beaten. This treatment was tried on King George III when
he was mad, but without success. It is a curious and painful fact that
almost all the completely futile treatments that have been believed in
during the long history of medical folly have been such as caused
acute suffering to the patient. When anaesthetics were discovered,
pious people considered them an attempt to evade the will of God.
It was pointed out, however, that when God extracted Adam's rib He put
him into a deep sleep. This proved that anaesthetics are all right for
men; women, however, ought to suffer, because of the curse of Eve.
In the West votes for women proved this doctrine mistaken, but in
Japan, to this day, women in childbirth are not allowed any alleviation
through anaesthetics. As the Japanese do not believe in Genesis, this
piece of sadism must have some other justification.
Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
https://russell-j.com/cool/UE_07-240.HTM
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2337-2343j を投稿
英 語 version : n.2337-2343e を投稿
1つだけ再録します。 n.2340j ( Mar. 29, 2023)
「分析哲学の長所」
相容れない狂信(反対意見への極端な不寛容)が渦巻く中、数少ない統一力の
ひとつが科学的真実性であり、その意味するところは、我々の信念を、人間に
とって可能な限り客観的(非個人的)かつ局所的・気質的な偏りを排除した観
察と推論に基づかせる習慣のことである。この美徳を哲学に導入することを主
張し、それを実りあるものにするための強力な方法を発明したことが、私が属
する哲学学派(注:分析哲学)の最大の長所である。
In the welter of conflicting fanaticisms, one of the few unifying
forces is scientific truthfulness, by which I mean the habit of basing
our beliefs upon observations and inferences as impersonal, and as
much divested of local and temperamental bias, as is possible for
human beings. To have insisted upon the introduction of this virtue
into philosophy, and to have invented a powerful method by which it
can be rendered fruitful, are the chief merits of the philosophical
school of which I am a member.
Source: A History of Western Philosophy, 1945, chapter XXXI, p.789(最
後のページの最後の段落!)
More info.: https://russell-j.com/cool/HWP_1945.pdf
<寸言>
ラッセル『西洋哲学史』の最後のページの最後の段落の一節です。
英米では哲学と言えば分析哲学のことを指すといってよいだろうと思われま
すが、それ以外(ヨーロッパ大陸やアジアなど)ではそうなっていません。茶
道の家元の流派のように、様々な哲学流派があり、それぞれが一国一城の主と
して、内政不干渉を原則としているかのようです。
フレーゲとラッセル(とムーア)は分析哲学の祖とされており、その後大き
く発展した分析哲学は、考え方の違いによりいくつかのグループに分かれるに
しても、論理分析の方法を採用する点では、一致しています。
ラッセルは、1914年出版の『外界の知識』において、新しい哲学(分析哲学)
の役割について次のように述べています。
「そうして、哲学が、近い将来において哲学者がいままでになしとげてきたす
べてのことを凌駕するような業績を出すのに必要なただ一つの条件は、 科学
の訓練を身につけながら、過去の伝統にとらわれず、 また古代人の書き残し
たものを、その業績(merits)を除いてはことごとく書き写すような人達の文学
的方法によって毒されていない、哲学的関心をもった人達の学派を創設するこ
とにある、というのが私の信念である。」
(The one and only condition, I believe, which is necessary in order
to secure for philosophy in the near future an achievement surpassing
all that has hitherto been accomplished by philosophers, is the
creation of a school of men with scientific training and philosophical
interests, unhampered by the traditions of the past, and not misled
by the literary methods of those who copy the ancients in all except
their merits.)
Source: A History of Western Philosophy, 1945
More info.: https://russell-j.com/cool/OKEW_1914.pdf
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 テレビ離れ? -朝ドラ「舞い上がれ」、昨日終了
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NHKの朝ドラ「舞い上がれ」が昨日終了しました。
NHKの朝ドラはここのところずっと(昔に比べ)「低視聴率」に苦しんで
います。朝ドラ最盛期には40%の視聴率を稼ぐこともありましたので、それ
に比べれば「低視聴率」ということになります。ネット利用者が増えるとと
もにテレビ離れが進んでいるせいだと思われます。必ずしも内容がよくない
わけではないと思っています。朝ドラの主人公、特にヒロインは魅力的な人
物が多く、毎日視聴することによって、(健康に良い)「規則正しい生活」
の一助になっています。
NHK会長が人気が落ちかけている番組を気にしていろいろな発言や介入を
しているようです。そうして、よい番組でも打ち切らせていることがけっこ
うあるように思われます。NHKの会長は時の政権が選んでいるようなもので、
あまり好ましい人物はいません。「国営」放送ではなく、「公共」放送であ
るならば、NHK経営委員会も、英国のBBCのように、政府や財界の影響をあま
り受けない「公共的な」性格のものに変えてもらいたいものです。
(松下彰良)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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