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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0824_2023/03/03 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2377~2381 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語」は、n.2377,2379,2381
(2)「ラッセルの英文」は、n.2378, 2380
それぞれ1つづつ再掲します。
■ ラッセルの英語 (1) n2381 R英単語/英熟語
★ do away with【~を廃止する、捨てる;~を取り除く】
* do away with = abolish(廃止する);get rid of(取り除く)
1.ラッセルの著作から
This would have the incidental advantage of doing away with cramming
and overwork, which at present causes most of the cleverest young
people to be intellectually and physically damaged by too much strain
before they reach the age of twenty-one.
[これ(このやり方)には,詰め込み教育と勉強のしすぎ -これによって(英
国の)最も賢い青年たちの大部分が21歳(注:英国における成人年齢)に達す
る前に,過度のストレスのために,知的にも肉体的にも損なわれている- を
一掃する(doing away with)という,付随的な利点もあるだろう。]
出典:ラッセル『教育論』第二部_ 性格の教育_第7章「自己本位(わがま
ま)と所有権」
https://russell-j.com/beginner/MM18-050.HTM
The doctrine, professed by many modern Christians, that everybody will
go to heaven, ought to do away with the fear of death, but in fact
this fear is too instinctive to be easily vanquished.
[現代の多くのキリスト教徒が公言している、誰もが天国に行く(行くことが
できる)という教義は、死の恐怖を取り除くはずであるが、実際にはこの恐怖
はあまりにも本能的であり、簡単に打ち負かすことはできない。]
出典:Bertrand Russell: An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
https://russell-j.com/0811OIR.HTM
In addition to empirical arguments in its favour, it had the advantage
of doing away with action at a distance, which had always seemed
incredible, even to Newton.
[この見解は、それを支持する経験的議論(論拠)をもっている上に、遠隔作用
をなくす(仮定しなくてもよい)という長所も持っていた。隔作用は長い間、ニ
ュートン自身にとってすらも信じがたいものと思われていたものであった。]
出典:ラッセル『私の哲学の発展』第4章「観念論への脇道」
https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_04-080.HTM
2.参考例
The death penalty was done away with last year.
[死刑(制度)は昨年廃止された。]
出典:『解体英熟語 改訂第2版』p.58
The office decided to do away with files dating back for more than a
decade.
[事務所は10年以上前のファイルを捨てることに決めた。]
出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.69
The government did away with free school meals.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed
To do away with something means to remove it completely or put an end
to it.
出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
ed
■ ラッセルの英語(2) n2380 ラッセルの英文
( Unpopular Essays, 1950 から)
「知的戯言の概要}n.16
他方、罪とは神への不服従であると真剣に考える人々は、神は全能ではない
と言わざるをえなくなる。これなら(これまでにあげた)論理的な難問を全て
逃れる(get out of all ... 抜け出す)。 そうして、これは自由神学者
(自由主義的な神学者)達の某一派によって採用されている見解である。けれ
ども、この見解もそれ自身の難点をもっている。(たとえば)神の意志が真に何
であるかを我々はいかにしては知ることができるだろうか? もし(全能の神
だけでなく)邪悪な勢力が一定の権力のわけまえをもっているなら、本当は彼
ら(邪悪な勢力)の作品であるものを、経典(聖書))として受け入れるよう
に、彼らは我々をあざむくことができるかも知れない(ではないか)。これは
、(キリスト教の)グノーシス派の見解であり、彼らは旧約聖書は一つの悪霊
の作品であると考えたのである。
我々が自らの理性を捨て、権威(権力)によりかかることに満足するやいな
や、我々は際限なくいろいろな困難(問題)にぶつかる。 誰の権威によりか
かればよいのか? 旧約聖書か? 新約聖書か? コーランか? 実際には、
人々は自分たちが産まれた社会によって神だと考えられる書物を選び、その書
物から自分達が好む部分を選び、他の部分は無視する。ある時期においては、
聖書のなかでもっとも影響のある文句は「魔女をして生かしむるなかれ」であ
った。今日では、人々は、この句を、可能であれば黙って、そうでなければ謝
罪して、通り過ぎる。そうして、このように、我々は、神聖なる書物を持って
いても、なお我々自身の偏見(先入見)にあうものであればなんでも真理とし
て選ぶのである。たとえば、司教(a bishop)は一人の妻の夫であるべきであ
る(妻は一人しかもってはならない)という句(テキスト)を本気でとりあげ
るカソリックは 一人もいないのである。
Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.16
On the other hand, those who are in earnest in thinking that sin is
disobedience to God are compelled to say that God is not omnipotent.
This gets out of all the logical puzzles, and is the view adopted by a
certain school of liberal theologians. It has, however, its own
difficulties. How are we to know what really is God's will? If the
forces of evil have a certain share of power, they may deceive us into
accepting as Scripture what is really their work. This was the view of
the Gnostics, who thought that the Old Testament was the work of an
evil spirit.
As soon as we abandon our own reason, and are content to rely upon
authority, there is no end to our troubles. Whose authority? The Old
Testament? The New Testament? The Koran? In practice, people choose
the book considered sacred by the community in which they are born,
and out of that book they choose the parts they like, ignoring the
others. At one time, the most influential text in the Bible was:
"Thou shalt not suffer a witch to live." Nowadays, people pass over
this text, in silence if possible; if not, with an apology. And so,
even when we have a sacred book, we still choose as truth whatever
suits our own prejudices. No Catholic, for instance, takes seriously
the text which says that a bishop should be the husband of one wife.
Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2309-2315j を投稿
英 語 version : n.2309-2315e を投稿
1つだけ再録します。 n.2311j ( Feb. 28, 2023)
「民主主義と自由主義との関係」
自由主義(リベラル)の信条は、実際には、"(自分も)生きかつ(他人も)
生かせ"であり、公共の秩序が許す限り、寛容と自由、政治的プログラムにお
ける節度(を保つこと)及び狂信がないことである。民主主義でさえ、フラン
ス市民革命でルソーの弟子達の間で起こったように狂信的になれば、自由主義
(リベラル)ではなくなる。実際、クロムウェル政権下のイギリスやロベスピ
エール政権下のフランスで起こったように、民主主義に対する狂信的な信念は
民主主義制度を不可能にする。真の自由主義者(リベラル)は、「これは真実
だ」とは言わず、「現在の状況下ではこの意見が恐らく最善だと思う傾向があ
る」と言う。
The Liberal creed, in practice, is one of live-and-let-live, of
toleration and freedom so far as public order permits, of moderation
and absence of fanaticism in political programs. Even democracy, when
it becomes fanatical, as it did among Rousseau's disciples in the
French Revolution, ceases to be Liberal; indeed, a fanatical belief in
democracy makes democratic institutions impossible, as appeared in
England under Cromwell and in France under Robespierre. The genuine
liberal does not say "this is true"; he says, "I am inclined to think
that under present circumstances this opinion is probably the best."
Source: Unpopular Essays, 1950,
More info.: https://russell-j.com/cool/UE_1950.pdf
<寸言>
「リベラル」や「保守」という言葉は多様な意味に使われており、「真正保
守」の人達からは「リベラル=左翼」のレッテルが貼られることがけっこうあ
ります。
大雑把に言って、「リベラル」な人は、「個人の自由や多様性」を重視する
一方、「(真正)保守」を主張する人達は、社会秩序や国家による統制を擁護
し、「自立/自律」を重視し、「過度な」社会福祉政策に反対する傾向があり
ます。
「リベラル」であれ、「保守」であれ。気に入らない相手にレッテルを貼っ
て「思考停止」に陥るのはやめたほうがよいと思われます。
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回はお休み
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編集後記 教祖様の急逝・早死の影響は?
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(幸福の科学の教祖の)大川隆法が一昨日、自宅で急死したと報じられまし
た。66歳というのは、現代日本では「早死に」ですので、意外に感じられま
した。
旧統一教会の教祖の文鮮明は92歳で亡くなっており、「教祖」というと、長
命な人が多いように思われます。病気だと報じられていれば、亡くなった時の
対応を教会側も事前に考えていたでしょうが、大川隆法の場合は、(死因は不
明ですが)急逝のため、混乱が予想されます。跡目争いと同時に、莫大な遺産
を妻と5人の子供で争うことになりそうで、週刊誌のよい好餌(こうじ)にな
りそうです。
大川隆法の長男は父親と喧嘩別れをし、教団と対立していたので、自分は殺
害されるのではないかと心配していたとのことです。しかし、父親が亡くなり、
その心配が少し減ったと同時に、5人の兄弟の間での遺産相続の争いがはげし
くなりそうだと、YouTube動画で語っています。
https://youtu.be/maMLNalGtRk
以上は、言わば、団扇 -ではなく- 内輪争いですが、もう一つ注目される
の萩生田光一など幸福の科学の厚い支援を受けていた政治家の去就です。旧統
一教会から支援を受けていた萩生田氏は旧統一教会を徐々に切り捨てつつある
ようですが、幸福の科学も同時にうまく切ることができるでしょうか? 萩生
田氏は、幸福の科学大学の「正式な」大学としての認可に向けて「努力」して
いました。しかし、その努力をする必要がなくなり、一安心しているかも知れ
ませんが、「恩を忘れる」と不都合な事実を教会側から暴露されてしまうかも
知れません。いずれにせよ、旧統一教会、幸福の科学等の新興宗教から支援を
受けてきた政治家は多いため、ここで一度、「在庫整理」をしてもらいたいも
のです。 (松下彰良)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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