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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0817_2023/01/14 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

    
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   ★ 週刊版はこれが今年最初の発行となります。
     本年もよろしくお願いいたします。

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2344~2347  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2345,2347
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2344, 2346
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2347 R英単語/英熟語  

★ rule【(vt+vi) 支配する、統治する;規定する、判決する | (n) 規則、
規定;(法廷の)命令;常習、習慣;支配、統治;法則;物差し】

* rule out :(規定などで)除外する
* ruler :支配者、統治者、主催者;定規(じょうぎ)
* rule the roast :(家庭などで)牛耳る


1.ラッセルの著書より

Then all our testimony, like that of other defence witnesses, of whom
 some, I believe, were not permitted to be called at all, was declared
 irrelevant to the charges and ruled out.
[そうして,私たちの証言の全てが,他の弁護側証人の証言と同様 --弁護側証
人のうちの何人かは証人として呼び出されることを認められなかったと私は確
信しているが--,告訴に関係のないものと宣告され,除外された。]
 出典:ラッセル『自伝』第3巻第3章「トラファルガー広場」
     https://russell-j.com/beginner/AB33-300.HTM

The Federal judge, Warren B. Burrows, from New England, who presided, 
ruled out all the foregoing facts, and refused to let any of the 
distinguished educators and physicians who were waiting to testify 
take their stand or permit the jury to hear endorsements of Mrs. 
Dennett's work by prominent authors. .
[ニューイングランド出身の連邦判事で裁判長のウォレン・B・バローズは,上
述(前述)の事実をすべて無視し,証言しようと待機していた高名な教育者や
医師たちが意見を述べること(証言台に立つこと)も,有名な著述家によるデ
ネット夫人の著作を是認する意見を陪審員団が聞くことも拒否した。]
 出典:ラッセル『結婚論』第八章「性知識に関するタブー」
     https://russell-j.com/beginner/MM08-020.HTM

Consequently the world is ruled by fools, and the intelligent count 
for nothing in the councils of the nations.
[その結果,世界は愚者によって支配され,国際会議でも知性のある者の発言は,
何の重みも持たない。]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「不確実性の時代」
     https://russell-j.com/MODERN-U.HTM


2.参考

The judge ruled that the evidence was admissible.
[裁判官はその証拠が認められると裁定した。]
 出典:『知識と文脈で深める上級英単語 LOGOPHILIA ロゴフィリア』p.126

The Soviet Union was ruled by Stalin.
[ソ連はスターリンによって支配されていた。]
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.241

The Court ruled that racial segregation in schools was 
unconstitutional.
[裁判所は,学校を人種により分離することは違憲であると判決を下した。]
 出典:『新版データベース5500 合格 英単語・熟語』p.179

The court ruled that the women were unfairly dismissed.
 出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 8th ed.

The Israel court has not yet ruled on the case.
 出典:Collin's COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed.


■ ラッセルの英語(2) n2347 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要}n.3

 (所謂)信仰の時代(The Ages of Faith)は -それは新スコラ学(注:19世
紀後半のカトリック教会内に起こった、教会内外の近代主義化を排し、中世の
スコラ哲学、特にトマス=アクィナスの哲学を復興しようとする運動)によっ
て称賛されている時代であり- 聖職者が勝手にふるまった時代であった(注:
have everything one's own way 我儘のし放題をする)。日常生活は、聖者
によって行われる奇跡や、悪魔や黒魔術師によって犯される魔法・呪術
(wizardry)によって満たされていた。何千という魔女が火刑に処せられた。
人々(人間)の罪は疫病(pestilence)や飢饉により、また地震、 洪水、火事
によって罰せられた。それにもかかわらず(and yet)、おかしなことを言う
ようだが、彼ら(当時の人々)は今日におけるよりももっと罪深かった(注:
「信仰の時代」にもかかわらず・・・というニュアンス)。(当時は)この世
界について科学的に知られていることはわずかであった。 ごく少数の人達は、
地球はまるいというギリシャ人の証明を記憶していたが、ほとんど人々は、地
球に反対側(注:antipodes 対蹠地 たいしょち)があるという考えを物笑い
にしていた(make fun of)。(自分たちが住んでいる場所の,地球の)反対側
に人間がいると想定することは異端であった。人類の大多数は呪われていると
一般に考えられていた(現代のカトリック教徒はこれよりも穏健な見解をとるけ
れども)。(いろいろな)危険があらゆるところに(at every turn)潜んでい
ると考えられた。修道僧が(まさに)食べよううとしている食物の上に悪魔が
住み着き、一口食べるごとに(その前に)十字を切ることを省略する不注意な
者の体に取り付くのであった。古風な人々はいまだ人がくしゃみをすると「お
ん身に幸あれ(bless you お大事に)」というが、彼らはこの慣習ができあが
った理由は忘れてしまっている。その理由は、人々はくしゃみによって魂をふ
きとばしてしまい、そうして、彼らの魂が戻ることができないうちに、潜んで
いる悪魔が魂不在の体のなかに入り込みがちである、と考えられていたのであ
る。しかし、もし誰かが「御身の上に幸いあれ」と言えば、悪魔どもは追い払
われたのである。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.3

The Ages of Faith, which are praised by our 
neo-scholastics, were the time when the clergy had things all their 
own way. Daily life was full of miracles wrought by saints and wizardry
perpetrated by devils and necromancers. Many thousands of witches were
 burnt at the stake. Men's sins were punished by pestilence and famine,
by earthquake, flood, and fire. And yet, strange to say, they were even
 more sinful than they are nowadays. Very little was known 
scientifically about the world. A few learned men remembered Greek
proofs that the earth is round, but most people made fun of the notion
 that there are antipodes. To suppose that there are human beings at 
the antipodes was heresy. It was generally held (though modem Catholics
 take a milder view) that the immense majority of mankind are damned. 
Dangers were held to lurk at every turn. Devils would settle on the 
food that monks were about to eat, and would take possession of the 
bodies of incautious feeders who omitted to make the sign of the Cross
 before each mouthful. Old-fashioned people still say "bless you" when
 one sneezes, but they have forgotten the reason for the custom. 
The reason was that people were thought to sneeze out their souls, and
 before their souls could get back lurking demons were apt to enter 
the unsouled body; but if any one said "God bless you," the demons 
were frightened off.
  Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
   Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
   More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2260-2266j を投稿
 英 語 version : n.2260-2266e を投稿

 1つだけ再録します。 n.2263j ( Jan. 11, 2023)
         
 「軽信 - それは知性への大きな障害」

 知性への主な障害の 1 つは軽信性(すぐに信じること)であり、軽信性は
、嘘・偽りの流行りの諸形態についての教育(instructions 教え込み)によ
って大幅に減らすことが可能だろう。

One of the chief obstacles to intelligence is credulity, and credulity
 could be enormously diminished by instructions as to the prevalent 
forms of mendacity.
Source: Bertrand Russell: Free Thought and Official Propaganda, 1922, 
p.52
Reprinted in: Sceptical Essays, 1928, chapter 12.
More info.: Not available

<寸言>
 「軽信性」に陥らないためには、カナダなどの先進国で行われているメディ
アリテラシー教育を日本も義務教育で行う必要があります。
 政府の発表やマスコミ報道等によって多くの人々(国民)が信じていたが、
後にそれは嘘・偽りであったことがわかるようなことがかなりあります(例:
非核三原則によってノーベル平和賞を授与された佐藤栄作がアメリカ政府との
間で有事における日本への核持ち込みを密約していたことが米国の外交文書の
公開によって判明)。そういった、歴史的に判明し確定した(政治その他の分
野における)過去の嘘・偽りの多数の事例を義務教育で教えれば、今のような
「軽信性」はずっと減るはずです。30年も経過していれば、多くの国民にとっ
てさしさわりはあまりなくなっているはずです。たとえば、佐藤栄作元総理
(当時)は造船疑獄事件の時に逮捕状がだされましたが法務大臣の指揮権発動
が行われ逮捕をまぬがれ、後にノーベル平和賞をもらいました。一方、田中角
栄総理の場合はアメリカ政府の不興を買っていたために、指揮権発動はされず
逮捕され、その後病気になって亡くなり、佐藤栄作とは対照的な社会的評価を
受けました。
 なお、添付画像(下)は、W. ホガース(William Hogarth, 1697-1764: 18
世紀のイギリス画壇を代表する国民的画家)の「軽信、迷信(盲信)、狂信ー
ある混成図J」と題された作品(風刺画)です。
https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j2263.html

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 目に留まった3つの話題
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(1) 大坂なおみが試合から遠ざかっていた理由

  大坂なおみが長い間試合から遠ざかっており、このまま引退してしまうの
 ではないかと少し心配していました。年間所得が70億円近くあり、テニ ス
 での収入は1億くらいで、他はほとんど広告収入ということで、「お金 が
 十分あるので、苦しいテニスの練習に気がのらないのではないか」と陰口を
 たたかれていました。しかし、実は妊娠のためであり、来年の全豪オ ープ
 ンに出場したいということで、安心しました。


(2) 国民の支持や国民への説明より、米国の支持や米国への説明が重要?

  5月のG7広島サミットで成功することは岸田総理にとって最重要なこと
 であり、その事前根回しのために各国の首脳と会談し、最後の仕上げとして
 バイデン大統領との会談に臨みました。米国からは「強い支持」を受け、そ
 れを材料にして、日本国民に「米国は大賛成してくれた(もうくどくどと)
 日本国民に説明する必要はないでしょう」とでも言いたいのではないかと、
 勘ぐってしまいます。「聞く耳」もなければ、「説明する口」もない、「耳
 なし芳一(文雄)」「口なし文雄」のようです。

(3) ゼロ・コロナ政策からウィズ・コロナ政策に大転換の習近平の中国

    いずれの国の指導者も政権や体制を維持することが最重要であり、そのた
 めには、従来の方針をかなぐり捨てることも辞さないというのが「常識」の
 ようです。ゼロ・コロナ政策を3年続けることによって中国経済は大きな痛
 手を受け、もう限界だったようです。
  そこで、ゼロ・コロナ政策のおかげで死者は最小に抑えられたことと「新
 型コロナウィルスは弱毒化」したことを理由にして、一挙に行動制限を廃止
 して、経済 回復にかじを切ることになりました。
  日本におけるコロナによる死者は約6万にですが、10倍の人口を持つ中国
 は少なくとも60万人(効果のないワクチンしかなく、医療の進んでない中
 国は多分100万~200万人くらい)の死者が今後でることが予想されます。
  しかし、そういった多数の死者を気にしなければ、中国経済は急速に回復
 していくことと思われます。多くの国の権力者はそういうことのできる中国
 をうらやましく思っていそうです。(松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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