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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0813_2022/12/11 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2323~2327 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語」は、n.2323,2325, 2327
(2)「ラッセルの英文」は、n.2324, 2326
それぞれ1つづつ再掲します。
■ ラッセルの英語 (1) n2327 R英単語
★ pronounce【(vt) 発音する;宣告する;断言する;判断を下す |
(vi) 発音する】
* 語源: pro- (前に) + nounce (言う)
* pronounced (adj.):明白な;著しい;きっぱりした
* 名詞形は pronunciation (発音)となるので、スペルに要注意
1.ラッセルの用例
The judges who order flogging display, in pronouncing sentence, an
obvious pleasure, which they imagine to be virtuous but which is
really a release of brutal instincts.
[鞭打ち刑を命ずる判事は,判決(sentence)を宣告する時,自分では道徳的だと
思うだろうが,実際は'野蛮な本能の発散'であるところの,明白な喜び(の感情)
を表す。]
出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「体罰について」
https://russell-j.com/PUNISH-C.HTM
This practical toleration was a method of increasing the power of the
clergy, since they alone could pronounce absolution, and but for
absolution fornication would entail eternal damnation.
[の実際的な寛容さは、聖職者の権力を増大させる方法の一つとなった。なぜ
なら、聖職者のみが赦免(absolution)を申しわたすことができたし、赦免がな
ければ、姦通(私通)には(来世において)必然的に永遠の地獄の責め苦を伴
う(課されることになる)からである。]
出典:ラッセル『結婚論』第5章「キリスト教倫理」
https://russell-j.com/beginner/MM05-090.HTM
When science becomes able to FONT color="#800000">pronounce on this
question with more certainty than is possible at present, the moral
sense of the community may come to be more exacting from a eugenic
point of view.
[この問題について科学が現在よりも確実な判断を下せるようになる時には,
社会の道徳的意識は,優生学的見地から見ていっそう厳格なものになるかもし
れない。]
出典:ラッセル『結婚論』第十八章「優生学頭」
https://russell-j.com/beginner/MM18-120.HTM
2.参考例
The patient was pronounced out of danger
[患者は危険な状態は脱したと言い渡された(はっきり言われた)。]
出典:『知識と文脈で深める上級英単語 LOGOPHILIA ロゴフィリア』p.92
These days, a pronounced commercialism has supplanted an antiquated
Confucian ethos.
[近頃では顕著な商業主義が古風な儒教精神に取って代わった。]
出典:『究極の英単語 v.4: 超上級の3000語』p.203
The student pronounced the words perfectly and amazed his teacher.
[その生徒は単語を完璧に発音し、先生を驚かせた。]
出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.199
In the word "knew", the "k" is not pronounced.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
If you pronounce something to be true, you state that it is the case.
出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
ed.
■ ラッセルの英語(2) ラッセルの英文
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ラッセル『私の哲学の発展』の中のラッセルが執筆した部分は終了しまし
た。巻末には、名著『バートランド・ラッセル-情熱の懐疑家』の執筆者と
して有名な、オックスフォード大学の若きラッセル研究者アラン・ウッドの
『ラッセルの哲学-その発展の一研究』が収録されています。たった20ペー
ジだけですが、執筆の途中で若くして亡くなってしまいました。
ラッセル哲学の紹介としては優れたものなので、訳出することにします。
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アラン・ウッド「バートランド・ラッセルの哲学 II 留意事項01
ラッセルの思想の発展を論じはじめる前に、いくつかの予備的な注記(メモ)
が必要である。
彼の思想(Russell's ideas)があれこれの結論(such-and-such a conclusion)
に達したいという彼の欲求から彼の思考(his thoughts)はある一定の方向に推
し進められたと、私は今後たびたび書く機会があるかも知れない。しかし、こ
のことはこの動機が、意識的にせよ無意識的にせよ、彼の思索(his thinking)
の結果に影響したと意味しているととられては決していけない。この区別は、
終始明確に、絶対に維持されなければならない。すでに示されたように、彼の
この思考の一般的な傾向(the general trend of this thought)が、彼が到達し
たいと望んだものとは正反対の結果に導いたのである。そしてこの区別は、私
がその時々に述べるの(彼の)他の動機についてもあてはまるのである。
ラッセルの思想と彼の先行者(先達者)及び彼の同時代人の思想との関連を
追う時に、彼の思想が 事実そうであったよりも独創的ではなかったかのよう
な印象が与えられかも知れないという危険性がある。 この印象は、 彼自身が
他人に負うところを認める時の気前のよすぎる態度(his own over-generosity)
によっても強められるかも知れない(可能性がある)。彼はかつて、一つの発
見を他人よりも自分が先にしたと主張するような哲学者は株屋の水準にまで落
ちた者だ、と書いた。
Cautionary Notes 01
Some preliminary notes are necessary before beginning to discuss the
development of Russell's ideas. I may often have occasion to write
that his thoughts were impelled in a certain direction because of his
desire to reach such-and-such a conclusion. This must never be taken
as implying that this motive, consciously or unconsciously, affected
the results of his thinking: the distinction must be kept absolutely
clear cut throughout. It has already been pointed out that the general
trend of this thought led to results directly opposite to those he
hoped to reach; but the distinction also applies to other motives
I may mention incidentally.
There is a danger that, in tracing connections between Russell's ideas
and those of his predecessors and contemporaries, an impression may
be given that his thought was not so original as it was.
This impression may also be fostered by his own over-generosity in
acknowledging his debts to others; he once wrote that a philosopher
who claimed priority for a discovery was descending to the level of a
stock-jobber.
Source: My Philosophical Development, 1959, by Bertrand Russell.
More info.: https://russell-j.com/beginner/wood_br_cautionary-notes_01.html
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2225-2231j を投稿
英 語 version : n.2225-2231e を投稿
1つだけ再録します。 n.2227j ( Dec. 06, 2022)
「シュバイツアー博士の倫理観」
シュバイツァー博士が(行為の)原因としての倫理的な意見に付与している重
要性に、私は同意することが困難である。..・・・。
因果論的に言えば、私達の倫理(観)は私達の行動の結果であり、その逆では
ない。 私達が説教することを実践する代わりに、私達が実践していることを
説教する方が好都合である、と私達は気づいている。 私達の実践が私達を災
いに導くと、私達は自分が説くことを変える傾向があり、同時に、私達の倫理
(観)を変える傾向がある。 しかし、私達の倫理(観)の変更は、私達の実践の
変更の原因ではないのである。
It is difficult to agree with Dr. Schweitzer in the importance which
he attaches to ethical opinions as a cause. ..
Speaking causally, our ethics are an effect of our actions, not vice
versa; instead of practicing what we preach, we find it more
convenient to preach what we practice. When our practice leads us to
disaster we tend to alter it, and at the same time to alter our
ethics; but the alteration of our ethics is not the cause of our
alteration of our practice.
Source: Nation and Athenaeum, v.34: 2 Feb. 1924, pp.635-636.
* Review of A. Schweitzer's Civilization and Ethics (=The Philosophy
of Civilization, pt.2)
* Also in: Dial, v.76,n.4: 1924, p.353-356.
More info.: Not available.
<寸言>
若い人でシュヴァイツァー(Albert Schweitzer、1875- 1965:1952年にノ
ーベル平和賞受賞)について名前しか知らない人はラッセルが言っていること
の意味合いがよくわからないかも知れません。どうでしょうか?
立派なことを言うだけで行動が伴わないとか、言っていることとやっている
ことは真逆だ、ということはよくあることです。たとえば、政治家は美辞麗句
を無数に述べます(国民の命を守る、可及的速やかに、全力を尽くす・・・)。
また、政治家は「結果が全てだ(結果を重視する)」とよく言いますが、悪い
結果がでても、まともな責任をとる人はわずかです。
立派な倫理観を述べることができれば立派な実践が生じるのではなく、実践
をした後の結果によって従来の倫理観を維持するかあるいは修正するかを決め
ているというのが現実です。
自分が言っていることを本当に自分は信じているのかどうかよく考えてみる
必要があります。精神分析i医に診察してもらえば、非常に多くの政治家は偽
善者あるいは自己欺瞞者だと「自覚」あるいは「再認識」することになりそう
です。
なお、ラッセルとシュバイツァーは何度も手紙のやりとりをしており(実際
、会っており)、ラッセルのポータルサイトにも和訳したものを以下に掲載し
ています。(これは、シュバイツァー友の会会長の野村実氏(故人)から提供
していただいたものです。)
https://russell-j.com/cool/E-LETTER.HTM
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 宮台真司氏襲撃の犯人の犯人像
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宮台真司氏を襲撃した犯人はいまだ逮捕されていません。防犯カメラでは顔
がはっきりしないということですが、身長が180cmでがっちりした体格という
情報は、捜査の有力な手掛かりとなるはずです。
1ヶ月の重傷ということでしたが、先日、早くも親友の神保氏の YouTube
チャネル(videonwescom)に出演して現況を報告していました(「宮台真司氏
「退院並びに仕事復帰のご報告」)。犯人がまだ捕まっていない現在、記者会
見を行うことができないため、このビデオを無料開放するので必要であれば使
ってくださいとの趣旨でした。
https://youtu.be/_95WJZGW02M
宮台氏を襲った犯人の犯行動機はまだわかっていませんが、いろいろ想像さ
れています。犯行時間は午後4時半頃?ということで、犯行現場は樹木が生い
茂っている場所?だったため、(宮台氏は)犯人の顔はよくわからなかった
ということです。どうも宮台氏への私憤ではなく、宮台氏の発言や考え方に対
する強い反発からの犯行のような気がします。
有力な犯行動機の一つとしてあげられているのが、安部元総理の国葬儀の日
に上映された安部総理襲撃事件を扱った映画に対して宮台氏が行ったコメント
です。宮台氏が暗殺事件を美化することなどありえませんが、安部元総理の熱
狂的支持者は「安倍元首相殺害テロ犯を美化する(と彼らが考える)映画」の
トークイベントに参加すること自体が許せなかったようです。
警察には、早く犯人を逮捕してもらい、犯人像や犯行動機を明らかにしても
らいたいと思います。 (松下彰良)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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