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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0805_2022/10/15 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2285~2288 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語」は、n.2286,2088
(2)「ラッセルの英文」は、n.2285, 2287
それぞれ1つづつ再掲します。
■ ラッセルの英語 (1) n2286 R英単語
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今後は、
『<知識と文脈で深める>上級英単語 LOGOPHILIA ロゴフィリア』(アスク)
から英単語を採取していくことにします。
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★ sarcastic【(adj.) 皮肉な、嫌味な】
* sarcastic(皮肉な、嫌味な)は、行為や言動が相手の心を傷つけたり嫌な
気持ちにさせることを示し、 ironic(皮肉な)は、期待とは異なる結果とな
っている「状態」を示す。
* sarcastically (adv.):皮肉を込めて、皮肉にも
1.ラッセルの用例
He was never repressive, or sarcastic, or superior, or any of the
things that inferior teachers like to be.
[彼(注:ラッセルの恩師のホワイトヘッド)は決して抑圧的でも,辛辣でも,
また高慢(superior)でもなく,劣った教師が好むようないかなるものでもな
かった。]
出典:ラッセル『自伝』第1巻第5章「初婚」
https://russell-j.com/beginner/AB15-110.HTM
The older children, when told to brush their teeth, would sometimes
say sarcastically: 'Call this a free school!'.
[年長の子供達は,歯をみがくよう言われると,時折,皮肉を込めてこう言うのだ
った。「これでも自由学校(a free school)だと呼べ!(と言うの)」]
出典:ラッセル『自伝』第2巻第4章「再婚」
https://russell-j.com/beginner/AB24-090.HTM
2.参考例
She made a sarcastic retort.
[彼女は皮肉たっぷりに言い返した。]
出典:『知識と文脈で深める上級英単語 LOGOPHILIA ロゴフィリア』p.48
”How kind of you", she said sarcastically when he let the door slam
in her face.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
Someone who is sarcastic says or does the opposite of what they really
mean in order to mock or insult someone.
出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
ed.
■ ラッセルの英語(2) ラッセルの英文
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ラッセル『私の哲学の発展』の中のラッセルが執筆した部分は終了しまし
た。巻末には、名著『バートランド・ラッセル-情熱の懐疑家』の執筆者と
して有名な、オックスフォード大学の若きラッセル研究者アラン・ウッドの
『ラッセルの哲学-その発展の一研究』が収録されています。たった20ペー
ジだけですが、執筆の途中で若くして亡くなってしまいました。
ラッセル哲学の紹介としては優れたものなので、訳出することにします。
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アラン・ウッド『ラッセルの哲学-その発展の一研究』序_02
この論文の目的のために、私は「ラッセルの哲学」をかなり厳密な意味で解
釈する。即ち、彼自身、かつて、論理学は哲学の一部ではないと言ったが、私
はラッセルの哲学をその意味に解釈する(ことにする)。もちろん、彼は、論
理学は哲学の不可欠の前提条件であると常に考えていた。また、彼の哲学思想
の大部分のものは『数学の原理』と『プリンキピア・マテマティカ(数学原理)』
とにあることは十分すぎるほど明らかである。しかし、私はこの著作(上記の
2つの著作)について、哲学者としてのラッセルにとって重要な意味をもてい
た側面のみに関心を持っており、従って、数学者や専門的論理学者として第一
級の重要性を有する膨大な量の資料を脇に置く(残す)ことにする。たとえば
(数学の基礎に関して発見された)「(論理的)矛盾」と「型の理論(タイプ
理論)」を論ずる時における、私の主な関心は、現在なおその問題をめぐって
論争の種となっているいろいろな問題ではなく、ラッセルが「型の理論」 に
よっ哲学の中に、極めて重要な新しい考えを持ち込んだということに関するも
のである。
私のこの論文の目的は、ほとんど解説的・説明的なものであって批評的なも
のではない。 というのは、ラッセルの哲学が月並みな意味で(on orthodox
lines)ほとんど批評の余地を残していないと私は信じているからである。
バーナード・ショーの劇の中で、ナポレオンが宿屋の亭主に向い、「お前は首
をくくられはせぬ。首をくくられることに異議を唱えない者の首をくくっても
面白くないからだ」と言っている。ラッセルを批評しようとする者も似たよう
な困難に直面する。 ラッセルの著作において、彼自身がこの上ない率直さで
さをもって指摘をしなかった(彼の著作の中の)欠点及び弱点はほとんどない
からである(訳注:自分の著作の誤り・欠点・弱点は他人から指摘させる前に
ほとんど自分自身で明らかにしていまっている、ということ)。ラッセルがな
す前進は全て彼自身の以前の主張の批評なのである。 現在のラッセルの批評
者で、ラッセル自が既に(自分の考えの誤りを)指摘したことに気づかずにそ
の指摘を繰り返したり、ラッセルの真の見解に対する無知を示すか、いずれか
でない批評者に、私は(これまで)ほとんど出会っていない。(ラッセルの著
作は既に古典となりつつあることを忘れてはならない。 古典とは、読んだこ
となしに知っていると人々の考えるような本のことである定義することが可能
であろう。
Preface 02
For the purpose of this essay I interpret 'Russell's philosophy' in a
rather strict sense; almost the sense in which he himself once said
that logic is not part of philosophy. He always believed, of course,
that logic is the essential prerequisite of philosophy; and it is
obvious enough that the foundations of most of his philosophical ideas
are to be found in The Principles of Mathematics and Principia
Mathematica. But I only concern myself with those aspects of these
works which have been important for Russell as a philosopher, and thus
leave on one side a vast amount of material of first-rate importance
for the mathematician and the technical logician. In discussing the
contradictions and the Theory of Types, for instance, my main concern
is not with the controversial questions which still surround them, but
with a fact which is beyond controversy -- that, with the Theory of
Types, Russell brought into philosophy a new idea of cardinal
importance.
My purpose is almost solely expository, not critical; for I believe
that Russell's philosophy leaves little scope for criticism on orthodox
lines. Napoleon told the inn-keeper, in Bernard Shaw's play, that
'You will never be hanged. There is no satisfaction in hanging a man
who does not object to it.' Something of the same difficulty faces
the would-be critic of Russell. There are few faults and weak points
in his work which he has not pointed out with the utmost candour
himself; each advance he made constituted a criticism of his previous
position. I have come across few present-day critics of Russell who
do not either unwittingly repeat points he himself has made, or else
show ignorance of his true views. (It must be remembered that his
books are already becoming classics; and a classic may be defined as
a book which people think they know about without having read it.)
Source: My Philosophical Development, 1959, by Bertrand Russell.
More info.: .https://russell-j.com/beginner/wood_br_preface02.html
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2169-2175j を投稿
英 語 version : n.2169-2175e を投稿
1つだけ再録します。 n.2173j ( Oct. 13, 2022)
「リベラルな考え方の本質」
リベラルな(自由主義的な)考え方の本質は、どのような意見を持つかでは
なく、どのように持つかにある。即ち、独断的に意見を持つのではなく、新し
い証拠によっていつでも捨てられるかもしれないという意識を持って、暫定的
に持つのである。これは、科学における意見の持ち方であり、神学における意
見の持ち方とは対照的(反対)である。
The essence of the Liberal outlook lies not in what opinions are held,
but in how they are held: instead of being held dogmatically, they
are held tentatively, and with a consciousness that new evidence may
at any moment lead to their abandonment. This is the way in which
opinions are held in science, as opposed to the way in which they are
held in theology.
Source: Unpopular Essays, 1950, chapter 1:: Philosophy and Politics.
More info.: Not available
<寸言>
前にも一度書きましたが、ラッセルが言ってもいないのに、(ラッセルが言
いそうな物言いのために)ラッセルの発言だとされているものがいくつかあり
ます。たとえば、War does not determine who is right ? only who is left
(戦争は誰が正しいかは決めない、誰が生き残るか決めるだけだ)なんかはネ
ットにあふれており、ラッセルの発言だと「断定」されてしまっています。
ほんの少数のサイトのみがこれはバーナード・ショーの名言としていますが、
ラッセルの言葉としているサイトが多すぎて、バーナード・ショーの発言と指
摘しているサイトを見つけることは困難です。
同様に、アインシュタインが言ってもいないのに言っているとして引用され
ることも少なくないようです。たとえば、「狂気とは、即ち、同じことを繰り
返し行い、違う結果を期待することである(Insanity is doing the same
thing over and over again and expecting different results.)」というの
は科学者のアインシュタインの言いそうなことに思われ、勘違いしそうです。
この言葉は日本の政治家の皆さん(学習効果のない方々)に献上したいと思い
ます。
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 「笑点の円楽師匠(故人)の後任選びが難航」
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先日亡くなった円楽(「笑点」の人気落語家)の後任選びが難航している
ようです。桂歌丸(「笑点」の司会者/故人)と円楽との毒舌合戦も人気の
一つでしたが、二人ともいなくなった現在、同じような小話をする落語家だ
けではそのうち飽きられてしまいます。1966年開始なので、56年以上続いて
いる人気番組も、そのうち飽きられてしまい、番組打ち切りの話がでてくる
可能性も大きくなります。
以前、林家三平(初代)の息子の林家いっ平(二代目林家三平)も出演し
ていましたが、あまり人気がなく、結局、「自分のスキルを磨き直す」と弁
解の言葉を述べて笑点を降板(卒業)してしまいました。そんな二代目林家
三平を戻しても、番組終了を早めるだけです。
一人くらい毒舌を言うメンバーを入れておかないと、番組が単調になって
しまいます。円楽入院中は関西落語会から毎週助っ人が代役ででていました
がもうそろそろ限界です。
そこで気がついたのは、メンバーが男性ばかりだと言うことです。そこで、
番組を延命させるためには、毒舌が自然にドンドンでてくる女性落語家を出
演させたらどうかということです。それなら、少なくとも当面は人気がでそ
うですが、いかがでしょうか? (松下彰良)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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