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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0784_2022/05/21 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.2195~2197  を発行しました。1つ再掲します。

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  <お知らせ>
  当分の間、「ラッセルの英語」は「ラッセル英単語」のみとします。
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1)「ラッセルの英語」n.2196  angular
 
  ラッセル英単語_語源を参考に理解_005
   "ang" ; "ank"(角、曲げる)

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 <清水建二(編)『英語の語源大全』p.38-41から引用>

 アングロ=サクソン人のうち、アングル人は北ヨーロッパのユトランド半島
の海岸沿いに住み、その地形が「釣り針(古英語で angel)」に似ていたこと
から「アングル人」と呼ばれるようになる。

* England : アングル人(Angles)の住む土地(land)に由来
* English : アングル人の話す言葉が原義
* angle : 曲がったもの → 角度
* anglerfish : アンコウ(アンテナのような竿についた擬似餌で魚をおびき
よせ捕食する深海魚)
* ankle : 曲がったもの → 足首
* anchor : 曲がったもの → 錨(いかり)
* rectangle : rect(まっすぐな)+angle(角) → 長方形
* triangle : 3つの角 → 三角形
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★ angular【(adj.) 角のある、とがった;(物理)角の;骨ばった、やせこ
けた;ぎこちなくふるまう 】

* angularity (n):かどがあること;ぎこちなさ


1.ラッセルの用例

When I began to associate with contemporaries I found myself an angular
prig. How far I have remained so it is not for me to say.
[同年輩の人間(友達)と付きあうようになった時,私は,自分がぎこちない
気取り屋であることがわかった。その後いつまでそうであったかは,私の言う
(べき)ことではない。(訳注:それは他人が判断すべきこと)]
 出典:ラッセル『教育論』第二部_性格の教育_第10章_「他の子供たちの重要
性」
          https://russell-j.com/beginner/OE10-060.HTM

From being serious, shy and retiring they may become gay and self-
confident; from being angular they may become smooth and easy; from 
being self-centred they may become sociable and extrovert. 
[まじめで,内気で,ひっこみ思案であったのが,陽気で自信を持つようになり,
かどがあったのが人当たりがよく話しやすくなり,自己中心的であったのが社
交的かつ外向的になる,かもしれない。]
 出典:ラッセル『幸福論』第9章「世論に対する恐怖」
          https://russell-j.com/beginner/HA19-030.HTM


2.参考例

His gestures were angular.
[彼のしぐさはいかにもぎこちなかった。]
 出典:Shogakukan Random House English Japanese Dictionary, 1982 ed.

her sharp angular face
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

Angular things have shapes that seem to contain a lot of straight 
lines and sharp points.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed.
 


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.2031~2034     
     
1) n2031:ラッセル『私の哲学の発展』第17章「ピタゴラスからの後退」n.06
            https://russell-j.com/wp/?p=7581
           
2) n2032: ラッセル『私の哲学の発展』第18章「批評に対する若干の返答」n.1
            https://russell-j.com/wp/?p=7584

3) n2033:ラッセル『私の哲学の発展』第18章「批評に対する若干の返答」n.2
            https://russell-j.com/wp/?p=7587

4) n2034:ラッセル『私の哲学の発展』第18章「批評に対する若干の返答」n.3
            https://russell-j.com/wp/?p=7590
            

■「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.2022-2028j を投稿
 英 語 version : n.2022-2028e を投稿

 1つだけ再録します。
  n.2022j ( May 15, 2022)
      https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j2022.html

 「イングランド人の大部分は馬鹿者(愚か者)」

 カーライルはこう言った。「イングランドの人口は二千万人、その大部分は
馬鹿者」
 この発言を読んだ(当時の)読者は皆、自分はその例外者の中の一人だと考
え、それゆえその発言を面白がった。

Carlyle remarked: 'The population of England is twenty millions, 
mostly fools.' Everybody who read this considered himself one of the
 exceptions, and therefore enjoyed the remark.
Source: Mortals and Others, v.1, 1975
 More info.: https://russell-j.com/GENIUS.HTM

<寸言>
 ラッセルは、カーライルが「The population of England is twenty 
millions, mostly fools.'」と言ったと書いています。「イギリスの人口は・
・・」と訳しているものが多いですが、"England "と書く場合は、イギリス全
体ではなく、通常、その一部の「イングランド」を意味します。カーライルは
スコットランドの出身ですので、「イングランド」を「イギリス(英国)」と
訳したら、意味合いがかなり変わってしまいます。
 意外なことに?、ネット上での引用は、皆「thirteen millions」となってい
ます。ラッセルはそういった間違いはほとんどしませんが、うっかり勘違いし
てしまったのでしょうか?
 原典をみれば明らかになりますが、手元にないので、類推となります。
 そこで、大英帝国ではなく、その一部である「イングランドの人口」は1850
年代、どれくらいだったか、google で検索して調べてみました。
 「歴史上の推定地域人口」のサイトを見ると、だいたいわかります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%B4%E5%8...

 これを見ると、1850年頃の「イングランド+ウェールズ」の人口は約1800万
人とあります。その後の25年間に人口が急速に増え、1875年は(ウェールズを
含めて)約2500万人となっています。Thomas Carlyleは, 1795年に生まれで
1881年になくなっていますので、カーライルの時代におけるウェールズを除い
た「イングランドの人口」は約2000万人と考えるのが妥当だと思われます。カ
ーライルが「イングランド」といった時に、スコットランドを含めてしまった
のかどうかわかりませんが、もしそうでないとしたら(イングラドだけだとし
たら)、ラッセルのいう2000万人が正しいことになります。
 人口が2,000万でも3000万でも、どうでもよいことかも知れないですが、ス
コットランド人としてイングランド人を揶揄したのか、あるいは、自分も含め
て英国人全体を茶化したのかでは、ニュアンスがまったく異なってしまいます
。カーライルのこの言葉を引用している多くの人は勘違いしているように思わ
れます。いや、一般化すると、名言集を読んで悦に入っている多くの人は誤解
している、と思われます(「論語読みの論語知らず」)。


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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記  スポーツと政治
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 ロシアによるウクライナ侵略を受けて、スポーツ界もいろいろ影響を受けて
います。一番厳しい対応は、ロシアの選手の参加を拒否するもので、次に厳し
いのは、選手紹介の時に出身国を示さず、ロシアの選手が勝利しても表彰しな
いというやり方をするものです。一番緩い対応は、政治とスポーツは別という
ことで、ほとんど制限しないものです。

 フィギア女子などはロシアが圧倒的に強いので、ロシアの選手が参加すると
ロシア勢が表彰台をすべて埋めてしまいます。それが許せないのか、ロシア選
手を最初から排除しています。そこで、ロシアでは独自の大会を開催して、プ
ーチン自らが優勝者を褒め称えています。

 テニスの場合は、ロシアの選手がかなり試合に参加していますが、皆、国名
表示がなく、観客からの視線を気にしながらのプレイであり、少し奇異な感じ
がします。それでも、ATP(男子の世界テニス協会)も、WTA(女子の世界テニ
ス協会)も比較的穏やかな対応をしています。しかし、4つのグランドスラム
の中の一つであるウィンブルドン大会だけは、ロシアとベラルーシの選手の出
場を認めないとしています。これに対し、ATPとWTAは昨日(5月20日)、ウィ
ンブルドン選手権は「公平性を欠く」として、世界ランキングのポイントを付
与しないとの声明をだしました。

 政治家はいろいろなものを政治利用しますが、スポーツなどはそのかっこう
の対象(材料/手段)です。人気のある選手に国民栄誉賞を与えたり、総理大臣
表彰などすれば与党や自分(総理大臣)の人気の向上にも役立つだろうと考え
て「いない」人はなさそうです。 (松下彰良)


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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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