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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0727_2021/03/27 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.2025〜2029  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) 「ラッセルの英語」n.2029
   https://russell-j.com/beginner/reitan-m086.htm

 ラッセル英単語・熟語 mortify

★ mortify [ (vt)(情欲・感情などを)抑制する,克服する;屈辱を感じさ
せる,くやしがらせる]

* 語源:mors (死)と facere (行う)に由来。
* mortal( adj. 死を免れない;人間の || (n) 人間)
* mortification (adj.):(宗)苦行,禁欲;屈辱
* mortifying (adj.):しゃくにさわる,くやしい
* mortican (n):葬儀屋


1.ラッセルの著書から

Here, again, we are met by a tradition urging the cheap and easy way 
of repression: the saint must learn to renounce Self, must mortify the
 flesh and forgo instinctive joys. .
[ここでもまた、私たちは、抑圧(抑制)という安っぽく安易な方法をしきり
に勧める伝統と出会う。(即ち)聖者は「自我」を捨てることを学ばなければ
ならない、肉欲を抑えなければ(禁欲生活をしなければ)ならない、]
 出典:ラッセル『教育論』第一部 教育の理想_ 第2章「教育の目的」
     https://russell-j.com/beginner/OE02-150.HTM

Above all, we. should not give the child a sense of self-importance 
which later experience will mortify, and which in any case is not in 
accordance with the facts.
[とりわけ,赤ん坊に自分は重要な人間なんだという意識を与えてはならない。
そんな意識は,その後の経験によって屈辱を与えられるだろうし,また,どのみ
ち,事実と合致するものではない。]
 出典:ラッセル『教育論』第二部_性格の教育_第3章「生後第一年」
     https://russell-j.com/beginner/OE03-030.HTM

After all the care that they have bestowed on the child, they find to
 their mortification that he turns out quite different from what they
 had hoped.
[子供に対しいろいろ世話をしたにもかかわらず(いろいろ子供の世話を焼い
た挙句に),子供は,自分たち(親)が望んできたものとはまるで違った人間に
なっているのを発見しくやしく思う。]
 出典:ラッセル『幸福論』第13章l「家族」
     https://russell-j.com/beginner/.HA24-090.HTM

 
2.参考

The captain was mortified when his ship hit a large snag.
[船長は船が思わぬ障害(snag)にぶちあたり、悔しかった。]
 出典:『究極の英単語<SVL> Vol.4 超上級の3000語』p.280

How mortifying to have to apologize to him!
 出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 8th ed.

If you say that something mortifies you, you mean that it offends or
 embarrassses you a great deal.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed  


 (2)「ラッセルの英語」n.2026-2 (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの

   https://russell-j.com/beginner/keni-to-kansatu.htm
 
 ラッセル「権威と観察」 

     Source: Religion and Science, 1935, chap. 6

  牧野力(編)『ラッセル思想辞典』所収

 下記は牧野力氏による「要旨」訳(注:ただし、少し字句を修正)に原文を
追加したものです。

  中世の物の見方と近代科学の物の味方との重要な相違は 権威に対する考え
方(の相違)にある。
 スコラ学者は、聖書、カトリックの教義、また、アリストテレスの学説には
疑問の余地のない権威があると考え、独創的な思想、また事実の探求でさえ、
思索の大胆さの不変の境界を越えてはならなかった(ならないとされていた)。
 ・・・。木星に衛星があるか、物体はその質量に応ずる速度で落下するか等
の問題の解決は、観察に頼るのではなく、アリストテレスや聖書からの演繹に
よって決定されるべき問題と考えられた。
 神学と科学との闘争は、権威と観察との闘争だった。
 科学者が自己の主張を信じる理由は、権威がそれを真理と発表したからでは
ない。逆に、感覚の明確さに訴え、 必要な観察により立証された明白な事実
に立脚すると認めた説だけを主張したからである。
 事実観察という新しい方法は、理論的にも、実際的にも、大きな成果を得た
ので、神学はしだいに科学に順応せざるをえなかった
 聖書の都合の悪い言葉を比喩や象徴と解釈された(されるようになった)。
新教(プロテスタント)は、権威を最初教会と聖書だけに与え、次に個人の魂
へと遷した。宗教的生活は、たとえば、アダムとイブの歴史的実在(本当に実
在した話かどうか)に依存しないとしだいに認められるようになった。

( An important difference between the mediaeval outlook and that of 
modern science is in regard to authority. To the schoolmen, the Bible, 
the dogmas of the Catholic faith, and (almost equally) the teachings 
of Aristotle, were above question ; original thought, and even 
investigation of facts, must not overstep the limits set by these 
immutable boundaries of speculative daring.
Whether there are people at the antipodes, whether Jupiter has 
satellites, and whether bodies fall at a rate proportional to their
 mass, were questions to be decided, not by observation, but by 
deduction from Aristotle or the Scriptures.
The conflict between theology and science was quite as much a conflict
between authority and observation. The men of science did not ask that
 propositions should be believed because some important authority had 
said they were true ; on the contrary, they appealed to the evidence 
of the senses, and maintained only such doctrines as they believed to
 be based upon facts which were patent to all who chose to make the 
necessary observations. The new method achieved such immense 
successes, both theoretical and practical, that theology was gradually
forced to accommodate itself to science. Inconvenient Bible texts were
 interpreted allegorically or figuratively ; Protestants transferred 
the seat of authority in religion, first from the Church and the Bible
 to the Bible alone, and then to the individual soul. It came 
gradually to be recognized that the religious life does not depend 
upon pronouncements as to matters of fact, for instance, the 
historical existence of Adam and Eve. )


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1768〜1772
     
1) n.1768:ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.16
         https://russell-j.com/wp/?p=6206
     
2) n.1769:ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.17
             https://russell-j.com/wp/?p=6210

3) n.1770:ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.18
             https://russell-j.com/wp/?p=6213

4) n.1771:ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.19
             https://russell-j.com/wp/?p=6218

5) n.1772:ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.20
             https://russell-j.com/wp/?p=6221


■「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1602j-1608j を投稿
 英 語 version : n.1602e-1608e を投稿

 一つだけ再録します。
  n.1606j ( Mar. 25, 2021)
    https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j16061.html

 「信条(信念)と信条(信念)の衝突」

 ・・・最も堅く,最も熱烈に保持されている信念は、しばしば,最も(それ
を信じるべき)証拠の少いものである,ということを発見するであろう。人間
のある大集団がAを信じ、他の大集団がBを信していれば、どちらの集団も,
他の集団はあまりにも馬鹿げたことを信じていると言って,相手の集団を憎む
という傾向がある。
 この傾向に対する最善の治療法は証拠にもとづいて進む習慣であり、証拠の
ないときには確信しない(確信を差し控える)という習慣である。

... We shall discover that the beliefs that are held most firmly and 
most passionately are very often those for which there is least 
evidence. When one large body of men believes A, and another large 
body of men believes B, there is a tendency of each body to hate the
 other for believing anything so obviously absurd.
The best cure for this tendency is the practice of going by the 
evidence, and forgoing certainty where evidence is lacking.
 Source: Bertrand Russell : Philosophy for Our Time (1953).
 More info.: https://russell-j.com/beginner/1026_PfOT-030.HTM

<寸言>
  証拠がたくさんあれば、事実を示して、論理的にわかりやすく説明すれば
相手を納得させることができるはず。従って、そのような場合には「信じる」
という現象は生じない。
 証拠が少ないからこそ「信じる」「信仰する」という現象が起きてくる。そ
うして、自分が「証拠のないこと」を強く信じている場合には、そのことを非
難する人たちに対して反発を感じる。
 にもかかわらず、、逆に、自分の好まないことを「証拠なしに」「信じてい
る人たち」を馬鹿にしがちである。
 まことに身勝手というほかない。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休みです。

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 編集後記 聖火リレーのスタート! − リンダ「どうにもとまらない」?
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 一昨日(3月25日)ついに聖火リレーがスタートしました。新聞報道によれ
ば、政府の某高官は(聖火リレーが始まった以上)「もうとめられない」と
ほくそえんだ?そうです。(山本リンダを思い浮かべた人の歳が知れます?)

 東京に再びオリンピックを誘致するにあたっては、多額のブラックマネー
(賄賂)が動いたとしても、「そんなの他の国もやっている」と気にしない人
も少なくないようです。誘致にあたっては、オリンピック誘致による利点(特
に経済的効果)ばかりが強調されてきました。オリンピックは商業化され、大
国でなければ開催できないほど規模が拡大し、開催費用が膨らみ続けており、
「選手ファースト」が強調されても、実際は経済的効果や国威発揚(政権維持
効果)が第一で、オリンピックの精神などは表向きの看板に過ぎなくなってい
ます。

 これを機会に地震に強い東京に変えることが「可能である」という側面はあ
ったでしょうが、どこまで進んだでしょうか? 大震災から復興したことを世
界に示すことができる(「復興五輪」)というスローガンも、むなしく響くよ
うになってきました。あいにくのこと、新型コロナに対しては、そういったス
ローガンや宣伝も効果があまりありませんでした。

 もしも、オリンピックが再延長できず中止になったら、自民党政権にとって
深刻な事態になります。菅首相は退陣せざるを得なくなり、誘致した安倍総理
の面目も潰れ、自民党は大混乱に陥ってしまいます。従って、聖火リレーが始
まった以上は「もうとめられない(一安心)」という気持ちになるのは理解で
きます。しかし、「かっぱえびせん」じゃあるまいに・・・。

 戦争が始まったら(敵国に弱みを見せられないので)こちらからやめると言
うわけにはいかない、といった心理と似ているのではないでしょうか?
                             (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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