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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0721_2021/02/13 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.1997〜2000  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) 「ラッセルの英語」祝! n.2000 
  https://russell-j.com/beginner/reitan-d137.htm

  ラッセル英単語・熟語  debilitate

★ debilitate【(vt) 〜を衰弱させる,〜を虚弱にする 】

* debility (n):(生活・機能の)衰弱 (nervous debility 神経衰弱)
* debilitation (n):衰弱,虚弱(化)


1.ラッセルの著作から

By betting and gambling, they incur the displeasure of their fathers; 
by cutting short their sleep for the sake of their amusements, they 
debilitate their physique.
[賭けやギャンブルをやり、父親の不興を買い、享楽のために睡眠を切りつめ、
体を衰弱させる。]
 出典:ラッセル『幸福論』第5章「疲労」
     https://russell-j.com/beginner/HA15-010.HTM

The more timid of the young do not go so far as complete sexual 
relations, but content themselves with producing prolonged states of 
sexual excitement without satisfaction, which are nervously 
debilitating, and calculated to make the full enjoyment of sex at a
 later date difficult or impossible.
[もっと臆病な青年たちは,完全な性関係までは進まずに,性的興奮が満たさ
れることなく先延ばしにする状態を作り出すことで満足している。これは,神
経を衰弱させるものであり,後になって,性を完全に楽しむことを困難あるい
は不可能にする恐れがある。]
 出典:ラッセル『結婚論』第12章「試験結婚」
     https://russell-j.com/beginner/MM12-020.HTM

Amberley, had recently died after a long period of gradually 
increasing debility.
[(ラッセルの父)アムバーレイ卿は,長い間病をわずらい次第に衰弱が進み,
(私がペンブローク・ロッジにつく)直前に(1876年始めに)亡くなったところで
あった。]
 出典:ラッセル『自伝』第1巻第1章「幼少時代」
     https://russell-j.com/beginner/AB11-010.HTM

2.参考例
<参考例1>
Hapatitis debilitated the obese man.
[肝炎がその太り過ぎの男を衰弱させた。]
 出典:『究極の英単語−超上級の3000語』p.868

<参考例2>
We were all debilitated by the extreme heat.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

<参考例3>
If you are debilitated by something such as an illness, it causes your
 body or mind to become gradually weaker.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed


 (2)「ラッセルの英語」n.1998-2  (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの
   https://russell-j.com/beginner/guntai_to_seiji.html

 ラッセル「軍隊と政治」
  Source: Fact and Fiction, 1961, part II, chap. 2: What is 
             democracy?

  牧野力(編)『ラッセル思想辞典』所収

 下記は牧野力氏による要旨訳(注:ただし、少し字句を修正)に原文を追加
したものです。

 警察が(民主主義/国家/政治に)及ぼす危険よりも、軍による支配(軍事的
支配)が及ぼす危険の方が、より広く認識されている。 国家には軍隊が必要
であるが、もし個々の兵隊が上官の命令が違法なものである時でも進んで服従
するようであれば、軍隊は政治/政府をコントロールすることが可能である。
(注:2021年2月1日に起きたミャンマーのクーデターはその良い例)
 ウイリアム三世(1650-1702)治世下の英国の政治家は、心のなかでこの危険
を十分認めていたので、彼らは、反乱に対する罰則を毎年議会(国会)で新た
に制定するという条件でのみ、常備軍の創設に同意した。・・・万一議会が軍
隊(の動静)に不審/疑念を抱けば、軍事費を停止し、軍隊創設を目的とする
反乱軍鎮圧法の通過を拒否し 全ての兵隊が彼らの上官の命令に服従する義務
を免除した。この警戒心(caution 用心)を国民に吹き込んだのは、クロムウェ
ル(の軍隊)(注: Oliver Cromwell、1599-1658]:イングランドの政治家、
軍人、イングランド共和国初代護国卿)についての経験からであった。しかし
、多くの時代の多くの国々においては、この警戒心が欠けていた(ので、クー
・デ・ターで起こった)。
( A danger which is much more realized is that of military rule. 
States need armies, and armies can take control of government if 
individual soldiers are willing to obey their officers when their 
officers give orders that are illegal.
This danger was so present to the minds of British politicians in the 
time of William III that they only consented to the creation of a 
standing army on condition that the penalties for mutiny should be 
enacted fresh by Parliament every year. This provision continues down 
to the present day, and if at any moment Parliament should become 
suspicious of the armed forces, it might refuse to pass the Mutiny 
Act, and every solider would be absolved from obedience to the orders 
of his officers. In the time of William III it was the experience of 
Cromwell that inspired caution, but in many countries at many times
 this caution has been absent.)


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1740〜1743
     
1) n.1740:ラッセル『宗教と科学』第6章 n.15
         https://russell-j.com/wp/?p=6104
         
2) n.1741:ラッセル『宗教と科学』第6章 n.16
            https://russell-j.com/wp/?p=6107

3) n.1742:ラッセル『宗教と科学』第6章 n.17
             https://russell-j.com/wp/?p=6110

4) n.1743:ラッセル『宗教と科学』第7章 神秘主義 n.1
             https://russell-j.com/wp/?p=6114


■「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1560j-1566j を投稿
 英 語 version : n.1560e-1566e を投稿

 一つだけ再録します。
  n.1566j (Feb. 13, 2021)
    https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1566.html

 「オーウェルの『1984年』」

 ジョージ・オーウェル(1903-1950)の『1984年』は,まさに読者を戦慄させ
た,身の毛のよだつような本である。けれども、この本は,疑いもなく、著者
が意図した効果(影響)をもたなかった。・・・。読者は,むしろ,その小説
が与える恐怖による身震いを楽しみ,次のように考えた。「いや,もちろん,
ロシアを除いて決してそんなにひどくはならないだろう。オーウェル(著者)
が陰気臭さを楽しんでいたのはあきらかだ。真面目にとらずに我々読者も楽し
むことにしよう。」  こういった心地よい欺瞞(虚偽)で自らを慰め,オー
ウェルの予言が現実のものとなる道を歩んできたのである。

George Orwell's 1984 is a gruesome book which duly made its readers 
shudder. It did not, however, have the effect which no doubt its 
author intended. ... They rather enjoyed the frisson that its horrors
 gave them and thought: "Oh well, of course it will never be as bad as
 that except in Russia! Obviously the author enjoys gloom; and so do 
we, as long as we don't take it seriously." Having soothed themselves 
with these comfortable falsehoods, people proceeded on their way to 
make Orwell's prognostications come true.
 Source: Bertrand Russell : Symptoms of Orwell's 1984
 More info.: https://russell-j.com/beginner/1070_SoO-010.HTM

<寸言>
 科学技術の発達はすさまじく、それを善用しうまく活用できれば、人類の前
途は明るいと期待することができます。しかし、科学技術は「諸刃の剣」のよ
うなところがあり、権力者が悪用すれば、オーウェルが想像し描いた「デスト
ピア」の出現もあながち否定できません。
 もちろん、人類もそれほど愚かではないでしょうから、民主主義が普及しつ
つある世界においては、権力者による強制は人々の反抗によって除去すること
ができます。
 しかし、人類に安全・安心をもたらすために国家が強制力を発揮するという
ことにおいては、たとえば新型コロナウィルスへの対応に象徴されるように、
中国におけるような人権を大幅に制限した上での「成功」もあれば、自由を何
よりも尊重するフランス人のはげしい抵抗運動による「混乱」や「暴動」もあ
ります。
 そうして、国家や社会を安定させ、犯罪を減らして安心・安全に暮らすため
には、たとえば、「出産時に赤ん坊のDNAを採取しデータベースに登録し、国
民総背番号とリンクさせれば、犯罪を大幅に減らせる!!」ということで、それ
を認める法律を制定する国が出てきたりして・・・?
 現在のところそのようなことには強い反対があるでしょうが、世界の人口が
100億を超え、食糧危機が顕在化し、いろいろなところで混乱や暴動が起こる
ようになれば、そういったことを試みる国も現れてきそうです。まず、イスラ
エル、それとも中国・・・?

http://www.ntslibrary.com/PDF%20Books/History%20of%20Western%20Philosophy.pdf

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休みです。

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 編集後記 (明るみに出た)日本社会の病巣のシンボルとしての森会長
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 日本の「旧い」社会は、議論を好まず、事前に十分な「根回し」をし、「適
度な」議論という「ガス抜き」をした上で、「シャンシャン」と、体制(エス
タブリッシュメント」あるいは保守層が望む結論をずっと出し続けてきました。

 これまでは、そのような岩盤のような体制に抵抗をしても、一部成功するこ
とはあっても、日本社会に大きな体制の変化をもたらすことはできませんでし
た。

 二階幹事長がボソボソと説明にならない説明をしても、周囲がフォローし、
あるいは忖度し、より権力ある者に従っておくのが一番事柄がうまくいくと多
くの国民が思い、(政治だけでなく、あらゆる面で)多数意見に従っておいた
ほうがよい、そのためには「個人的な」意見を表明しないほうがよさそうとい
うことで、自らの態度を決めず、一番無難だと思われる決定、ーそれは多数意
見でもありますが− を行ってきました。たとえば、「あの時の、民主党政権
よりはマシだ」とか何とか(オウムのように)言っとけばよいだろうとか・・
・。

 しかし、(東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の)森会長の失言が
世界に発信されることによって、これまで見て見ぬふりをしてきた日本社会の
病巣が明るみに出てしまいました。日本国民も世界から「とても進んでいると
思っていたが、日本はなんという旧態依然たる国なにか・・・」と思われるこ
とはとても恥ずかしいと思い、今回は、多くの人々が声をあげました。

 このような後進性は、政治の世界だけでなく、日本の経済、社会、文化、そ
の他幅広い分野に見られます。「長いものには巻かれろ」「差別はよくないが、
自分を特別に扱ってもらえればありがたい・・・」といった考え方・感じ方が
多くの人の心の中に潜んでいるようです。

 さて、これを好機に、日本社会は大きく変わってゆくことができるでしょう
か?  それとも忘れっぽい日本人は、しばらくすれば・・・?(松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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