★ バックナンバー索引 ★
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0716_2021/01/09 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
バートランド・ラッセルのポータルサイト: https://russell-j.com/index.htm
同上 スマホ用メニュー : https://russell-j.com/index.html
「ラッセルの言葉366_画像版」:
https://russell-j.com/smart_r366/br366g-j_home.html
https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j-today.html
R英単語・熟語_総索引: https://russell-j.com/beginner/reitan-idx.htm
Twitter : https://twitter.com/russellian2
★Rホームページ利用制限コンテンツ閲覧用パスワード: 1872Y0518
ポータルサイト専用掲示板: http://249.teacup.com/bertie/bbs
[★投稿歓迎:ラッセルに関係するものであれば,ご意見,ご要望,エッセイ,
ちょっとした情報提供等,何でもけっこうです。投稿は,
matusitaster@gmail.com 宛,お願いします。
◆◆◆
◆お願い◆ 楽天で買い物をしている方も多いと思われます。
◆◆◆ ラッセルのポータルサイト(トップページ)の検索ボックス経由ある
いは,ポータルサイトに掲載した個々の楽天取扱商品のリンク経由で
ご購入いただければ幸いです。
収益はラッセルのホームページのメンテナンス費用や早稲田大学の
ラッセル関係資料コーナ寄贈資料の購入に充当させていただきます。]
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
***********************************
今年最初の発行です。
本年もよろしくお願いいたします。
***********************************
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.ラッセルの著書や発言等から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
n.1973〜1976 を発行しました。2つ再掲します。
(1) ラッセル英単語・熟語 untouched
https://russell-j.com/beginner/reitan-u032.htm
★ untouched 【 (adj.) 心を動かされない,影響を受けない;触られていな
い,手を付けていない】
1.ラッセルの用例
ラッセル英単語・熟語1500
This is when his parents are untouched by modern child psychology, as
the great majority still are. When parents have learnt the new
catchwords, the only result is that the situation is reversed.
[以上は,−今日でもいまだそうであるが− 親が現代の児童心理学を知らない
場合である。親が現代の児童心理学の新しいキャッチワードを学ぶと状況は逆
になる。]
出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「子供」
https://russell-j.com/CHILDREN.HTM
The men who taught me mathematics at Cambridge were almost wholly
untouched by the Continental mathematics of the previous twenty or
thirty years.
[ケンブリッジ大学で私に数学を教えてくれた人達は,過去二,三十年間の大
陸の数学にほとんどまったく接していなかった(影響を受けていなかった)。]
出典:ラッセル『教育論』第三部_知性の教育_第18章「大学」
https://russell-j.com/beginner/OE18-070.HTM
I do not pretend that love in its highest form is common, but I do
maintain that in its highest form it reveals values which must
otherwise remain unknown, and has itself a value which is untouched by
scepticism, although sceptics who are incapable of it may falsely
attribute their incapacity to their scepticism.
[最高の形の愛はありふれている,などというつもりはないが,最高の形の愛は,
それがなければ知られないままになっていたに違いない価値をあらわにするも
のであり,それ自体,懐疑主義に毒されていない価値を持つものである,と私は
主張したい。もっとも,愛することのできない懐疑主義者は,おのれの(恋愛)不
能を誤って懐疑主義のせいにするかもしれない。。]
出典:ラッセル『幸福論』第2章「バイロン風の不幸」
https://russell-j.com/beginner/HA12-070.HTM
2.参考例
untouched natural beauty
[手つかずの自然の美しさ]
出典:『究極の英単語 v.4_超上級の3000語』p.175
An untouched area or place is thought to be beautiful because it is
still in its original state and has not been changed or damaged in any
way.
出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
ed.
(2)「ラッセルの英語」n.1976-2 (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの)
https://russell-j.com/beginner/KYOIKU-J.HTM
ラッセル「近代日本の教育」
Source: On Education, 1926, chap.2
* 注:『教育論』は1926年に出版されたものですので,あくまでも第2次世界
大戦以前の状況を前提としています。
近代日本(明治維新後の日本)は,あらゆる大国に顕著に見られる一つの傾向
を最も明瞭に示している。即ち,国家を偉大にすることを教育の至上目的とす
る傾向である。日本の(第2次大戦前の)教育目的は,感情の訓練を通じて,国家
を熱愛し,獲得した知識で国家に奉仕する臣民を育てることにある。 この二つ
の目的を達成する際に示された巧妙さは,なんと賞賛してよいか分らぬほど見
事である。
ペリー提督の艦隊が到着して以来,日本は独立をおびやかされた。自己保存
(国家の独立)そのものがよくないと言うのでない限り,日本人がそれに成功し
た以上,その教育方法も正しかったと言うことになる。しかし,日本の教育方法
は,絶望的な状況にあったからこそ正しかったのであり,いかなる国民において
も,差し迫った危機にさらされていない場合は良くないやり方であっただろう。
日本の神道は,大学教授でさえも疑問をさしはさむことが許されないもので
あり,キリスト教の創世記に劣らぬくらい疑わしい歴史を内容として含んでい
る。日本の神学上の圧政に比べれば。デイトン裁判*1も顔色を失って瑣末なも
のとなってしまう。これに劣らぬ道徳上の圧政もある。たとえば,国家主義,親
孝行,皇室崇拝などは疑問を懐いてはならないものであり,従って,様々な進歩
がおよそ不可能となる。・・・。
(*1:1925年7月,本書出版の約1年前に,米国テネシー州デイトン市で,高校の
理科の教師が「進化論」を教えたのは違法行為であるとの訴えがだされ,裁判
となったもの )
このように,近代の日本には,古代の中国の欠点とは正反対の欠点が見いださ
れる。中国の文人(知識階級)が余りにも懐疑的で怠惰であったのに対し,日本
の教育が生み出した人間は,余りにも独断的で,精力的になる恐れがある。
(松下注:第2次世界大戦前夜の鬼畜米英を唱えた日本及び日本人は,現在の北
朝鮮に酷似している。/挿絵は,ラッセルの The Good Citizen's Alphabet;
Gaberbocchus, 1953 より)
Modern Japan affords the clearest illustration of a tendency which is
prominent among all the Great Powers - the tendency to make national
greatness the supreme purpose of education. The aim of Japanese
education is to produce citizens who shall be devoted to the State
through the training of their passions, and useful to it through the
knowledge they have acquired. I cannot sufficiently praise the skill
with which this double purpose has been pursued. Ever since the advent
of Commodore Perry's squadron, the Japanese have been in a situation
in which self-preservation was very difficult; their success affords a
justification of their methods, unless we are to hold that self-
preservation itself may be culpable. But only a desperate situation
could have justified their educational methods, which would have been
culpable in any nation not in imminent peril. The Shinto religion,
which must not be called in question even by university professors,
involves history which is just as dubious as Genesis; the Dayton trial
pales into insignificance beside the theological tyranny in Japan.
There is an equal ethical tyranny; nationalism, filial piety,
Mikado-worship, etc., must not be called in question, and therefore
many kinds of progress are scarcely possible. The great danger of a
cast-iron system of this sort is that it may provoke revolution as the
sole method of progress. This danger is real, though not immediate,
and is largely caused by the educational system.
We have thus in modern Japan a defect opposite to that of ancient
China. Whereas the Chinese literati were too sceptical and lazy, the
products of Japanese education are likely to be too dogmatic and
energetic. ...
■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1716〜1720
1) n.1716:ラッセル『宗教と科学』第5章 n.17
https://russell-j.com/wp/?p=6010
2) n.1717:ラッセル『宗教と科学』第5章 n.18
https://russell-j.com/wp/?p=6013
3) n.1718:ラッセル『宗教と科学』第5章 n.19
https://russell-j.com/wp/?p=6016
4) n.1719:ラッセル『宗教と科学』第5章 n.20
https://russell-j.com/wp/?p=
5) n.1720: ラッセル『宗教と科学』第5章 n.21
https://russell-j.com/wp/?p=6023
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.1518j-1531j を投稿
英 語 version : n.1518e-1531e を投稿
一つだけ再録します。
n.1526j ( Jan. 4, 2021)
https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1526.html
「新しい若い世代への期待」
恐怖(心)のない自由の中で教育された世代は,私たち(大人)には望めない,
より幅広くかつ大胆な希望を持つことだろう。(それに対し)私たち(大人)は
,意識下で私たちを待ちうけているいろいろな迷信的な恐怖(心)といまだに闘
わなければならない。私たちではなく,私たちが創りあげる自由な男女は,最
初は希望として,そして,ついには輝きにみちた現実として,新しい世界を見
るにちがいない。
道ははっきりしている。我々はその道をとろうとするほど十分に我が子を愛
しているだろうか? それとも,我々が苦しんできたように,我が子も(自分
たち同様に)苦しませるのだろうか?
A generation educated in fearless freedom will have wider and bolder
hopes than possible to us, who still have to struggle with
superstitious fears that lie in wait for us below the level of
consciousness. Not we, but the free men and women whom we shall
create, must see the new world, first in their hopes, and then at last
in the full splendour of reality.
The way is clear. Do we love our children enough to take it ? Or shall
we let them suffer as we have suffered ?
Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by
Bertrand Russell
More info.:https://russell-j.com/beginner/OE19-020.HTM
<寸言>
恐怖心があるとどうしても冷静かつ論理的な思考ができなくなってしまう。
適度な警戒心は必要ではあるが、感情に流されて自分を見失ってはならない。
先入観や偏見から自由な人はほとどいないが、科学的思考を身に着けた現代
の若者は、より先入観や偏見から解放されることが「可能」である。
ただし、思考においては絶対的な自由が認められなければならないが、他人
の自由を侵害する自由はないことはよく肝に銘じて置かなければならない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(2) ラッセルに関する記述や発言等
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回もお休みです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記 本年もよろしくお願いいたします!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今年の最初の公式メルマガ(週刊版)の発行です。
今年も激動の年になりそうです。
一昨日はついにトランプ支持者が米国議会に乱入し、4人がなくなりました。
トランプだけに責任があるのではなく、トランプをかついだ人にも責任があ
りますが、あいかわらず自分には責任がないと考える人が多いようです。
本年もよろしくお願いいたします。(松下彰良)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com
■登録・解除・変更はこちら: https://russell-j.com/R3HOME.HTM
■WEBサイト: https://russell-j.com/
( top page: https://russell-j.com/index.htm )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|