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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0711_2020/11/28 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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     ■ 目 次 ■
          

 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.1949〜1952  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) ラッセル英単語・熟語 arduous

★ arduous[(adj.) 骨の折れる、努力を要する、困難な;(人が)根気強い、
             精力的な;(坂道などが)険しい>]


1.ラッセルの用例

After some twenty years of very arduous toil, I came to the conclusion
 that there was nothing more that I could do in the way of making 
mathematical knowledge indubitable.
[約20年間の苦難の努力の後,数学的知識を疑いなくすることにおいて自分ので
きることはもうないという結論に達した。]
 出典:ラッセル『自伝』第3巻「あとがきに代えて」
     https://russell-j.com/beginner/AB-POST01.HTM

But to preach such a doctrine is difficult especially in arduous times.
[しかしそのような教え(注:人間の多様性の重要性)を説くことは,困難な
(努力を要する)時代にはとりわけ難しいことである。]
 出典:ラッセル『自伝』第3巻「あとがきに代えて」
     https://russell-j.com/beginner/AB-POST02.HTM

He must lift up his eyes and say: 'No, I am not a miserable sinner; 
I am a being who, by a long and arduous road, have discovered how to 
make intelligence master natural obstacles, how to live in freedom and
 joy, at peace with myself and therefore with all mankind.
[人類(彼)は上を見上げてこう言わなければならない。
「いや,私は(我々は)哀れな罪人ではない。私は(我々は),長いそして骨の折
れる険しい道を通って,自分自身と,従って,全人類とともに仲たがいすること
なく,'知性'をもっていかに自然の障害を克服するか,いかにして自由と喜びに
生きるか,発見してきた存在である。]
 出典:ラッセル『自伝』第3巻第1章「英国への帰国」
     https://russell-j.com/beginner/AB31-240.HTM


2.参考例

arduous labor
[骨の折れる仕事]
 出典:『究極の英単語 v.4 - 超上級の3000語』p.163

A child's road to learning is a long and arduous one.
[子どもの学習の道のりは長く骨の折れるものだ。]
 出典:『新版完全征服データベース5500 合格 英単語・熟語』p.175

a long and arduous climb
 出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

Something that is arduous is difficult and tiring, and involves a lot
 of effort.
 出典: Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learner's, new
 ed.


 (2)「ラッセルの英語」n.1952-2 (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの)

    https://russell-j.com/beginner/Greece_Roma_historians.html

  ラッセル「ギリシア・ローマの歴史家」
   出典:牧野力(編)『ラッセル思想辞典』
      Source: Understanding History and Other Essays, 1957

 下記は牧野力氏による要旨訳(少し字句を修正)です。原文は、早稲田大学
教育学部教員図書室のラッセル文庫に寄贈してありますが、手元にないために
、残念ながら原文を添付することができません(従って、誤訳が含まれている
かも知れません)。


 歴史家の父ヘロドトス(松下注:「歴史の父」のはず)は、多くの理由から
読む価値がある。第一に彼の本は面白い物語に満ちている。人類学を楽しむ人
に良く、当時の未開人の風習を旅行者の話そのままに書き、近代研究家も記述
の正確さを確認している。古代世界の優れた序論(松下注:「導入」?)を提供
する。
 偉大な歴史家ツキディデスは、ヘロドトスよりテーマは小さいが、優れた技
巧で事実を扱い、綿密・正確な関心を払っている。ペロポネソス戦争における
アテネとスパ ルタとの紛争を主題としたギリシア悲劇を典型とし、筆致は簡
素で渋い文体で、ゴシップ的逸脱がない。叙事詩的壮大さの中で人間の景観が
呈示される。ギリシア人の心情に訴える冷談な運命神が、世の人間味ある神々
の上に君躍し、定めを越えるものには、人、国、何ものにも、その高慢を許さ
ず、処罰する。これがギリシア人の現実の宗教で、その宗教的信念を壮大に例
証して見せる。
 プルターク(正しくは、プルタルコス)は、ルネッサンス以降、古代史家中最
も影響力ある人物で、ゴシップ好みで叙述の正確さを欠くが、面白い話には目
がなく 英雄の弱みを喜んで語り、詩張さえする。歴史家というよ り実際的な
政治家肌に近い。

 右の三人は歴史の書き方の三種の技法を例示している。
 最後にギポンがいる。重大な欠陥を計算に入れてもなお偉大で、楽しめる著
者である。個々の人間描写を別にしても、彼の長所は大事件の進行感覚が確実
で誤りない点にある。歴史の進行を彼以上に巧く描出した人はいない。一冊の
本で二世紀から十五世紀まで全体を扱う中で、自分の主題の統一性とか構成部
分相互のバランスとを見失わなかった。巨大な全体を掌握する力は一般の人間
の及ばない資質で、彼を一流の歴史家と称する所以である。


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1692〜1695
     
1) n.1692:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.14
        https://russell-j.com/wp/?p=5926
         
2) n.1693:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.15
            https://russell-j.com/wp/?p=5929     

3) n.1694:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.16
            https://russell-j.com/wp/?p=5933

4) n.1695:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.17
            https://russell-j.com/wp/?p=5936


★「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1483j-1489j を投稿
 英 語 version : n.1483e-1489e を投稿

 一つだけ再録します。
  n.1483j ( Nov. 22, 2020)
   https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1483.html

 「知育における道徳的配慮?」

 知育が道徳的な配慮によって左右されることは,知性のためにも,またひい
ては(最終的には)性格のためにも,良くないことである。ある種の知識は有
害で,ある種の無知は有益だと考えるべきではない。教授される知識は,知的
な目的のために教授されるべきであり,道徳的または政治的な結論を立証する
ために教授されるべきではない。

It is a bad thing for intelligence, and ultimately for character, to 
let instruction be influenced by moral considerations. It should not
 be thought that some knowledge is harmful and some ignorance is good.
The knowledge which is imparted should be imparted for an intellectual
 purpose, not to prove some moral or political conclusion.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by 
Bertrand Russell
 More info.:https://russell-j.com/beginner/OE14-020.HTM

<寸言>
 愛国心教育は「知育」ではなく、「心の教育」だと言う人がいるかも知れま
せん。しかし、子供に「自分の国を愛するように教育」する場合には、抽象的
に「自分の国を愛しましょう」といっても伝わらないので、自国の歴史や文化
等の長所や都合のよい事実の知育が伴う場合がほとんどです。間違っても、た
とえば、第二次大戦時に、中国大陸で残虐行為(例:南京事件)をした、関東
大震災の時朝鮮人が多数惨殺された、などということは教えないか、教えると
しても世間で言われているのは誇張であり、たいしたことではなかった、とい
った伝え方がされます。
 「美しい国」の国民がそんなことをするわけがない、というわけです。「美
しい国」の住人がみな「美しい心」を持っているとは限らず、歴史を学べば、
「美しい国の醜い私」の実例を多数知ることができます。それも「歴史に学
ぶ」ことによって得られる教訓の一つのはずです。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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<「ラッセル落ち穂拾いー初級篇」>
 https://russell-j.com/beginner/ochibo-2020.htm#r2020-08
 
 「「基礎」の不安−計算する機械」

 出典:森田真生(著)『数学する身体』(新潮社、2015年10月刊)
* 森田 真生(もりた まさお、1985年 - )は数学をテーマとした著作・講演
 活動などを行う日本の「独立研究者」。京都府在住(ウィキペディアより)

(p.80) ・・・ところが二〇世紀に入ると、デデキントやカントールによって
創成された「集合論」には、致命的な欠陥があることが明らかになる。特に、
一九〇三年に公にされた「ラッセルのパラドクス」は、当時の集合論が数学の
基盤としては極めて危ういことを明らかにした。数学は、その基礎をめぐる深
刻な「危機」に直面したのだ。

 数学はこれからどこに向かっていくべきなのか。そもそも数学とは何なの
か。様々な 信念と哲学がぶつかり合う、熾烈な論争の時代が始まった。

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 編集後記 「安倍元総理の"総括"はどこまで進むか?」
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 安倍元総理にとって、菅総理は、民主党政権から自民党政権に復帰する時
自分を担ぎ、第二次安倍政権を誕生させた「恩人」であり「功労者」でした。
そのため、菅氏は安倍氏に重用され、7年8ヶ月の長きに渡り、官房長官をつ
とめることになりました。

 そうして、安倍総理が健康問題で退陣すると、菅氏は、二階幹事長を味方に
つけることによって自民党の総裁選を勝ち抜き、とうとう総理大臣になってし
まいました。

 菅総理大臣は自民党の多くの派閥の支持をとりつけ、内閣を組閣するにあた
っては、派閥均衡につとめましたが、菅派はまだ形成されているとは言えませ
ん。来年9月には自民党総裁戦があり、二階氏も高齢のため、いつ力関係が変
わり、総理大臣の座をおろされるかも知れません。そこで、時期総裁選に向け
て着々と手を打っているようです。

 自民党総裁に再選される(=総理大臣に再選される)ための「目の上のたん
瘤」はいろいろありますが、一人は安倍元総理です。菅総理は、安倍氏をかつ
て担いだといっても、世襲議員に対する反発・憎悪心は大変なもので、できる
だけ多くの二世、三世の世襲議員を追放したいという、強い願望を持っていま
す。

 そうです。安倍元総理は世襲議員の典型であり象徴のような人物です。菅総
理は、自分ができるだけ強大な権力を手に入れるために安倍総理を利用しまし
たが、総理になった現在ではもう「用済み」であるだけでなく、「邪魔者」に
映っていることでしょう。

 「総理と桜を見る会」の前夜祭における懇親会費用を安倍事務所が負担した
のではないかという疑惑は消えかかっていましたが、最近また、突然燃えだし
ました。それはなぜでしょうか?

 菅総理は、新型コロナや学術会議その他、いろいろな問題で批判されるよう
になってきており、自分に対する国民の冷たい視線をそらす必要があります。
何か利用できるものはないかと考えるのも自然です。

 検察庁の総長や東京高検検事長など、検察庁の幹部も交代しています。安倍
政権の時の官房長官(菅氏)であれば、検察の動きに圧力をかけていたでしょ
うが、今は検察のやりたいようにやらせようという合図をそれとなく送ってい
ると想像されます。

 菅総理にとって、安倍元総理や憎き麻生副総理の二人の影響力をなくすこと
ができれば、相対的に自分の力をかなり高めることができるので、二人の元総
理の影響力がなくなるまでやりそうですが、「返り血」をあびたくないので、
そこそこのところで「撃ち方やめ」にするかも知れません。いや、もしかする
と、世襲議員潰し・駆逐になると思えば、徹底的にやるかも知れません。お手
並み拝見といったところでしょうか?
 スガーリン(日本版スターリン)の独裁体制は構築できるかどうか・・・?
                           (松下彰良)  

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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