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(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
no.0658_2019/11/2 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
(1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
(2)ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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(1) ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの言葉366」
n.1732〜n.1735を発行しました。
・月曜日〜木曜日は『私の哲学の発展』 を
・金曜日は 『アメリカン・エッセイ集』+α をお届けしています。
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(1) 『私の哲学の発展』第8章 「数学原理ーその数学的側面」 n.14
【「ラッセルの言葉366」n.1733 (2019年10月29日 火曜日)】
関係算術における基本的定義は、前述した「順序的類似性」(ordinal
similarity)「相似性」(likeness)の定義(と同じ)である。関係に関する
場合には、これ(順序的類似性)は、集合間で果たす類似性(similarity)と
同様の役割を果たす。(二つの)集合間の類似性とは、一方の集合の各項を、
他方の集合におけるその対応項( a correlate)と結びつける(ところの)一対
一の関係が存在することである、と定義される。二つの関係PとQ(関係Pと関
係Q)の間の順序的類似性とは、Pの範囲をQの範囲に対応させる一つの関係が
あって、二つの項がPの関係を持つ時それぞれの対応項はQの関係をもち、逆も
また真であることを意味する,と(して)定義される。実例(具体例)をあげ
てみよう。いまPが結婚している政府の役人たちの間の席次の上下関係
(precedence)であるとし、Qは彼らの妻たちの間の席次の上下関係であるとし
よう。そうすると、このとき妻の夫に対する関係は、Pの範囲とQの範囲とを対
応させるものであり、妻たちがQの関係(という席次の上下関係)を相互に持
つとき、彼らの夫たちはPの関係を持ち、逆もまた真である。二つの関係PとQ
が順序的に類似である場合、SがPとQとを対応させるところ関係(その相関関
係)であるとすると、Qは、SとPとSの逆関係との関係積(the relative
product )である。たとえば,上の例で、xとyが二人の妻であり,xがyにQなる
(席次の上下)関係を持つとし、かつ妻と夫との関係がSであるとすると、xは
、yの夫にPなる関係をもつ一人の男の妻である。即ち、QはSとPとSの逆関係と
の関係積と同一なる関係である(この場合Sの逆関係とは夫の妻に対する関係
(=(「妻の夫に対する関係」の逆関係))である)。PとQとが系列的関係である
場合は、それらの関係の類似性は、それらの項が順序を変えることなく、相互
に対応させられうる、ということを意味する。しかしこういう関係に限らず、
相似性(likeness)の概念は(注:野田氏は「類似性」similarity と訳してし
まっている。)、範囲をもつ全ての関係 −関係の領域と逆領域とが同じ型に属
するもの− に適用しうるものである。
Chapter 8 Principia Mathematica: Mathematical Aspects, n.14
The fundamental definition in this subject is that of 'ordinal
similarity' or 'likeness', which was mentioned above. Where relations
are concerned, this plays the same part as similarity played between
classes. Similarity between classes is defined as the existence of a
one-one relation coupling each term of either class to a correlate in
the other. Ordinal similarity between two relations P and Q is defined
as meaning that there is a correlator of the field of P to the field
of Q which is such that whenever two terms have the relation P their
correlates have the relation Q, and vice versa. Let us take an
illustration: suppose P is the relation of precedence among married
government officials, and Q is the relation of precedence among their
wives, then the relation of wife to husband so correlates the fields
of P and Q that, whenever the wives have the relation Q, their
husbands have the relation P, and vice versa. When two relations P and
Q are ordinally similar, if S is the correlating relation, Q is the
relative product of S and P and the converse of S. In the above
illustration, for example, if x and y are two wives and x has the
relation Q to y, and if S is the relation of wife to husband, then x
is the wife of a man who has the relation P to the husband of y, that
is to say, Q is the same relation as the relative product of S and P
and the converse of S; the converse of S being the relation of
husband to wife. Whenever P and Q are serial relations, their likeness
consists in the fact that their terms can be correlated without
change of order, but the conception of likeness is applicable to all
relations that have fields -- i.e. to all relations where the domain
and converse domain are of the same type.
(2)「不確実性の時代(現代)」(『アメリカン・エッセイ』から)
「ラッセルの言葉366」n.1736 (2019年11月1日 金曜日)
https://russell-j.com/MODERN-U.HTM
・・・前略・・・。
今日の時代注:第4種の時代)は,これと正反対のことが起こっている。エ
ディントンのような科学者は,科学によって本当に何かを知ることができるか
多くの疑問を抱いている。経済学者は,世界の商取引についての公認の学説が,
全ての人々を貧困にしていると気づいている(注:このエッセイは世界大恐慌
後まもなくのものであることに注意)。政治家は国際協力を保証する方策,即
ち,新たな戦争を防止する方策を何一つ発見できない。哲学者は人類に指針を
与えることがまったくできないでいる。積極的意見の持主は,非常に愚かなた
めに自分の意見が馬鹿らしいものであってもそのことに気づくことのできない
愚かな人々だけである。その結果,世界は愚者によって支配され,国際会議でも
知性のある者の発言は,何の重みも持たない。
In our age, the exact opposite is the case. Men of science like
Eddington are doubtful whether science really knows anything.
Economists perceive that the accepted methods of doing the world's
business are making everybody poor. Statesmen cannot find any way of
securing international co-operation or preventing war. Philosophers
have no guidance to offer mankind. The only people left with positive
opinions are those who are too stupid to know when their opinions are
absurd. Consequently the world is ruled by fools, and the intelligent
count for nothing in the councils of the nations.
この状態が今後も継続するならば,世界はますます取り返しのつかない不幸
に落ち込むに違いない。インテリ層の懐疑主義は彼らの無力観の原因であり,
それ自体は彼らの怠慢の結果である。即ち,行動に価するものがこの世に何も
存在しないのであれば,それは'拱手傍観'の口実となる。しかし,破滅が切迫し
ている時には,それでもなお傍観するいかなる口実も正当な根拠を持たない。
インテリ層は,彼らの懐疑主義から脱却し,全ての人々が嘆き悲しんでいる悪に
ついての責任を分担しなければならない。そうして,彼らは学術上の不平や,ひ
ねくれた衒学的態度を捨てなければならない。なぜなら,民主主義が正当に評
価できる言葉を語る方法を,彼らが学ばないかぎり,彼らが何を言おうとも,何
の役にも立たないということを彼らは悟るべきである。
This state of affairs, if it continues, must plunge the world more and
more deeply into misfortune. The scepticism of the intelligent is the
cause of their impotence, and is itself the effect of their laziness
: if there is nothing worth doing, that gives an excuse for sitting
still. But when disaster is impending, no excuse for sitting still can
be valid. The intelligent will have to shed their scepticism, or share
responsibility for the evils which all deplore. And they will have to
abandon academic grumblings and peevish pedantries, for nothing that
they may say will be of any use unless they learn to speak a language
that the democracy can appreciate.
■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
n.1688〜1692 を発行しました
以下,1つだけ再録します
n.1690 (2019年10月30日)
R英語_類義語シリーズ s12
★ state / nation
https://russell-j.com/beginner/r_ruigigo-s12.htm
最所フミ(編著)『英語類義語活用辞典』(pp.342-343)
【"state":国際法が以下のように定義する「独立国家」のこと:「一定の領
土を永続的に占領し、共通の法律、習俗によって1つの政治的団体に結合され
、外国のいかなる団体からも圧迫されることなく、独立に組織された政府を通
してその領域内の一切の人と物に対して独立の主権と統制を行い、平和、戦争
を決定し、他の国と国際関係に入り得るもの」(ただし、米国のみは例外で、
各州が state で国家としてのアメリカは a nation)。】
【"nation";通常は、民族集団としての国家のことで、日本のように単一民族
からなる国家もあれば米国のように多民族からなる国家もある。"nation"は
culture によって作られた「共同体」のことで、"the gypsy nation"のよう
に、国家を形成しない場合もある。】
[用例紹介なし!]
A.ラッセルの著作における用例
<用例1-1>
When the state spends money which it has raised by taxation, it is
taking money out of the pockets of the taxpayers to put it into the
pockets of those upon whom it is spending.
[国家が課税で徴収した金を支出すれば,国家は納税者のポケットから金を取り
出して,国家が支出する先の人間のポケットヘお金を放り込むことになる。]
出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「繁栄と公共支出」
https://russell-j.com/EXPEND-P.HTM
<用例1-2>
In the relations between different states, we still have the condition
of universal brigandage that existed between individuals in the days
before there were orderly governments.
[国家間の関係においては,我々はいまだ,秩序ある政府が樹立される以前に個
々人の間に存在していたのと同様の普遍的山賊行為の状況下にある。]
出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「正義と武力」
https://russell-j.com/SEIGI.HTM
<用例2-1>
America has led the world in architecture because American architects
have had opportunities denied to those of other nations.
[今世紀の間(注:ここでは1930年までの20世紀),アメリカの建築家は他国の
建築家には与えられなかった機会を持ったために,アメリカは世界の建築界を
リードしてきた。]
出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「国家の偉大さについ
て」
https://russell-j.com/NATION.HTM
<用例2-2>
As a member of a nation which is beginning to lose the great position
it has occupied during the last two centuries, I am acutely conscious
of the change in individual mentality brought about by the change in
political status.
[私は,過去200年(注:本エッセイは1932年に発表)にわたって占有し続けて
きた大国の地位を失いつつある国家(英国)の一員として,一国の政治的地位
の変化によってもたらされる個人の精神(メンタリティ)の変化を強く意識し
ている。]
出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「国家の偉大さについ
て」
https://russell-j.com/NATION.HTM
B.他の参考例
<参考例1-1>
Should industry be controlled by the state?
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
<参考例1-2>
Alaska is the largest of the 50 states of the USA.
[アラスカは合衆国の50州のうちの最大(の州)である。]
出典:『VITAL3000 英単語・熟語』p.29
<参考例2-1>
Europe consists of over 40 nations.
[ヨーロッッパは40を越える国家から成り立っている。]
出典:『VITAL3000 英単語・熟語』p.29
<参考例2-2>
The President spoke on radio to the nation.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
★「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1432〜1436
1)n.1432:R『権力−その歴史と心理』第10章 権力の源泉としての信条 n.3
https://russell-j.com/wp/?p=4984
2)n.1433: R『権力−その歴史と心理』第10章 権力の源泉としての信条 n.4
https://russell-j.com/wp/?p=
3)n.1434: R『権力−その歴史と心理』第10章 権力の源泉としての信条 n.5
https://russell-j.com/wp/?p=4993
4)n.1435: R『権力−その歴史と心理』第10章 権力の源泉としての信条 n.6
https://russell-j.com/wp/?p=4996
5)n.1436: R『権力−その歴史と心理』第10章 権力の源泉としての信条 n.7
https://russell-j.com/wp/?p=5000
★「ラッセルの言葉_画像版」
日本語 version : n.1091j-1097j を投稿
英 語 version : n.1091e-1097e を投稿
一つだけ再録します 1095j (Oct. 31, 2019)
https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1095.html
「マニ教的な恐れ?」
星を見ることは、生理学者が視神経(optic nerve)において発見した過程(プ
ロセス)とは非常に異なっているように思われることから、人々は当惑させら
れるが(当惑するが)、それにもかかわらず、そういう過程(プロセス)がな
ければその人は星を見ないであろうことは明らかである。そうして,そうであ
るので,精神と物質の間には深い淵があり,また、消そう試みることはいくら
か不敬と考えられる(ところの)神秘が存在する、と思われている。私として
は、そこには電磁波のラジオによって音へと変えられる場合の神秘以上の神秘
は存在しない(同程度の神秘さである)と信じている。そういう神秘は、物理
的世界(物的世界)についての誤まった考えと、精神的世界(精神世界)をそ
れより低いと思われている物質的世界の水準にまで引き下げることになりはし
ないかというマニ教的な恐れとによって、生み出されたものだ,と私は思う。
People are puzzled because the seeing of the star seems so different
from the processes that the physiologist discovered in the optic
nerve, and yet it is clear that without these processes the man would
not see the star. And so there is supposed to be a gulf between mind
and matter, and a mystery which it is held in some degree impious to
try to dissipate. I believe, for my part, that there is no greater
mystery than there is in the transformation by the radio of
electro-magnetic waves into sounds. I think the mystery is produced
by a wrong conception of the physical world and by a Manichaean fear
of degrading the mental world to the level of the supposedly inferior
world of matter.
Source: My Philosophical Development, chap. 2,1959.
More info.: https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_02-070.HTM
<寸言>
常識的には精神と物質は別物に見えるが、精神と物質とにわけること自体が
間違い。昔であれば何を言っているかわからないかも知れないが、現代物理学
(量子力学)の物質・エネルギーの探求によって物質の実体性はほとんどなく
なってしまっているし、生理学は脳科学やコンピュータの進歩によって精神
(心)の概念も大きく変わってきている。
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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★ 今回はお休み
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編集後記 公的機関がネーミングライツをどんどん売り始める?
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大阪市が大阪市立中央図書館のネーミングライツを年額200万円で売り、
同図書館は10月1日から「辰巳商会 中央図書館」になったと報じられて
いる。 辰巳商会は大阪に本社を置く海運を中心とする会社とのことで、
図書館とはまったく関係なさそう。
(因みに大阪市立中央図書館は蔵書225万冊、年間入館者数139万人を
誇る日本最大級の自治体図書館)。
民間施設ならともかく、公共施設の場合は違和感がある。
大阪市役所もネーミングライツを1億円くらいで売り、「辰巳商会 市役
所」なんて、松井市長はやるわけない。維新はどこまで愚かなのか?
え? 図書館のようなところはいいけど自分のところ(松井市長の居所)
はいけない?
それならどこまでならいいのか?
「辰巳商会 児童館」「森永製菓アッキー社会福祉センター」「関電 福祉事
務所」「ヤクルト安倍区民センター」「住友 大阪ステーション」ー???
(なお、アッキーというのは、森永製菓の経営者の娘である昭恵夫人の「愛
称(?)」です。(松下彰良)
★松下彰良(訳・編)『ラッセルの言葉366』
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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