バートランド・ラッセルのポータルサイト

ラッセル関係書籍の検索 ラッセルと20世紀の名文に学ぶ-英文味読の真相39 [佐藤ヒロシ]

バートランド・ラッセル「プラス・ペンリンの自宅」

* 原著:The Autobiography of Bertrand Russell, v.3, 1968
* 出典:牧野力(編)『ラッセル思想辞典』所収


 友人のウィリアムズとエリザベス夫妻とが、北ウェールズのプラス・ペンリン(Plas Penryn)に、一軒家を見付けておいてくれた。私達夫婦と長男の子供達が休暇を楽しく暮すのに良いと思った。小さい家だったが、とても楽しめる庭とわずかな果樹園と立派な桃の木があった。何にもまして、非常に美しい景観を眺望することができた。南に海を、西にポートマドック(Portmadog;Porthmadog)を、力ールナルヴォン丘を、北はグラスリンの谷を越えてスノードンに延びていた。
 私はこの美しい眺めのとりこになった。特に谷の向うに、詩人シェリーの住んでいた家を眺められるのが嬉しかった。この家の持主も、私がシェリーが好きだという理由で、この家を貸してくれたのであろう。
(参考:ポートマドックの絵葉書)
Plas Penrhyn, that they thought would make a pleasant holiday house for us and the children. It was small and unpretentious, but had a delightful garden and little orchard and a number of fine beech trees. Above all, it had a most lovely view, south to the sea, west to Portmadoc and the Caernarvon hills, and north up the valley of the Glaslyn to Snowdon. I was captivated by it, and particularly pleased that across the valley could be seen the house where Shelley had lived.