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バートランド・ラッセル「"自称"自由愛好家のテスト法」

* 原著:What is Freedom?, 1953
* 出典:牧野力(編)『ラッセル思想辞典』所収


 自由愛好家を自称する人(達)の真の試練(試金石/判断基準)は、(その人が)嫌うものとの関係においてのみやってくる。人間は皆、自分が好きな物事に寛容であることは容易である。自由主義的な態度を特徴づけるものは、自分の嫌いなものに対して寛容であることである。

The true test of a lover of freedom comes only in relation to things that he dislikes. To tolerate what you like is easy. It is toleration of what you dislike that characterizes the liberal attitude.
(イラストの出典:Russell's The Good Citizen's Alphabet, 1954.)


* 松下注:ここで「自由愛好家」および「人」を、「自由愛好国家」や「自由主義国家」に変えてみても、同じようなことがいえると思われます。あるいは、米国あるいは日本が敵対国家(=自由を尊重していない国々)に対する態度と、自国内の反対分子に対する態度を比較してみるとよいかも知れません。
 もちろん、他国における人権侵害についても関心を持つことは非常に重要です。しかし、他国における人権の問題はやかましく言うのに、自国の出入国管理局の一時収容所における虐待行為(スリランカ人のウィシュマ・サンダマリの事件)や隠蔽行為、及び、マスコミに対する介入には"無関心"、あるいは"寛容"いうことはないでしょうか?

   また,自由は絶対的かる無制限に認めてよいものではありません。自由を否定する自由はないはずです。それを認めれば「自由のパラドクス」が生じます。