バートランド・ラッセルのポータルサイト

ラッセル関係書籍の検索 ラッセルと20世紀の名文に学ぶ-英文味読の真相39 [佐藤ヒロシ]

「好きな料理は?」(Favourite recipe)(『拝啓バートランド・ラッセル様』より)

* 出典:R.カスリルズ、B.フェインベルグ(編),日高一輝(訳)『拝啓バートランド・ラッセル様_(市民との往復書簡集)』

目次
 ・・・。私は、世界的に有名な人々から寄せられる料理のレシピ集からなる料理本を今編集しています。・・・。もしこの料理本のために、先生のお好みの料理のレシピを教えていただければたいへん光栄に存じます。

ラッセルからの返事・1958年4月7日

拝復 ミス・ヘルマン様


 私の好きな(料理の)レシピは、「ジョン・ラッセル卿のプディング」のためのものです。それはミセス・ビートン夫人(松下注:Isabella Mary Beeton、1836-1865:英国人なら誰でも知っている、ヴィクトリア時代の著名な料理及び家事の権威)の料理書には常に収録されています。私自身は、そのプディングを味わった経験はありませんし、見たことさえありません。しかし縁者びいきの気持ちから「ジョン・ラッセル卿のプディング」にしておきます。
 敬具 バートランド・ラッセル

... my favourite recipe is for 'Lord John Russell's pudding' which usd to occur in Mrs. Beeton. I have never tasted the pudding or even seen it, but I choose it from nepotal piety.
Yours sincerely,
Bertrand Russell

(From: Dear Bertrand Russell; a selection of his correspondence with the general public, 1950 - 1968. Allen & Unwin, 1969.)
* 参考:林望「ビートン夫人の教え