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バートランド・ラッセル「北半球か南半球かの選択」

* 出典:R.カスリルズ、B.フェインベルグ(編著)『拝啓バートランド・ラッセル様 - 市民との往復書簡集』
目次

 ・・・。お手紙(ご返事)ありがとうございます(訳注:これは,ひとつ前の返事に対する再度の問い合わせの手紙)。先生のお手紙を最初読んだ時,私と主人は,先生が「南半球のほうが北半球よりもより安全で、南極に近づけば近づくほどしだいに安全になる」とあなたが言われたのは,私たちをからかって言っておられるとの印象を持ちました(訳注:puling our legs/pulll one's leg :からかう(×足をひっぱる)。しかし,何週間もたった今は、そういう意味で言われたのか確信がもてません。というのは、この地(here 自分たちが住んでいる地域)に住んでいた,少なからずの家族がニュージーランドに行ってしまったという話を聞いたからです。(実際のところ)先生はいたずらで私たちをからかわれたのか(spoofing)、それとも、可能なら放射能塵を避けようとしている私たちの考えはいくらかの価値があるとお考えでしょうか?・・・」。

ラッセルからの返事(1959年2月23日)

 拝復 ミセス・デビッドソン様

ラッセル英単語・熟語1500
 ・・・ロシアと西側との間に戦争が起こった場合を仮定して南半球をお勧めしたのは、あなたがたをからかって言ったわけではありません。もし中国とオーストラリアとの間に戦争が起これば、当然のこと,南半球がとても危険になるでしょう。
 敬 具
 バートランド・ラッセル

Dear Mrs Davidson, (Feb. 23, 1959)
I was not pulling your leg in recommending the Southern Hemisphere on the assumption that there were a war between Russia and the West. If there were a war between China and Australia, the Southern Hemiphere would of course be very dangerou.
Yours sincerely
Bertrand Russell
(From: Dear Bertrand Russell; a selection of his correspondence with the general public, 1950 - 1968. Allen & Unwin, 1969.)