バートランド・ラッセル「宗教上の偏狭」
|
「なぜ私はキリスト教徒ではないか」(注:ラッセルの講演)という表題は、私の興味をそそります。なぜかと言うと、ブレイン・トラスト(注:1940年代から1950年代に放送されたBBCのラジオ番組のちにテレビ番組 The Brains Trust)における(専門回答者としての)あなたの態度は全て、その柔和さ、寛容、ユーモア、偏らない客観的な知識に対する渇望、また、事実や真実の表現において、完全にそして心底からキリスト教徒的だと私には思われたからです。・・・。
(参考: YouTube で視聴できる The Brains Trust 紹介ビデオ 1945年のもと
https://www.youtube.com/watch?v=BVpCUtNdM0Q )
拝復 ボーケット博士、(ラッセルからの返事:1957年10月13日付)
・・・思うに、離婚、産児制限、及び検閲制度に関するカトリックの公式な態度は、人類にとって極めて危険なものです。W.チャーチル卿が勇敢なキリスト教徒の紳士と讃えたフランコ将軍は、姦通をほのめかすようないかなる小説作品を禁止にしました。・・・。
あなた方が特にキリスト教徒だと考える美徳は、日本では仏教徒的だと考えられ、インドではヒンズー教的だと考えられます。そういった主張には根拠がないと私は考えます。・・・。
敬具 バートランド・ラッセル
Dear Dr Bouquet,
... I consider the official Catholic attitude on divorce, birth control, and censorhisp exceedingly dangerous to mankind. Geneal Fanco, whom Sir Winston Chrchill praised as a 'gallant Christain Gentleman', has forbiddeen any work of fiction alluding to adultery, ...
The virtues which you would consider specifically Christian, are thought in Japan to be specifically Buddhist and in India to be specifically Hindu. I consider all these claims unfounded...
Yours sincerely
Bertrand Russell
(From: Dear Bertrand Russell; a selection of his correspondence with the general public, 1950 - 1968. Allen & Unwin, 1969.)