バートランド・ラッセル「所有衝動と創造衝動」
* 出典:牧野力(編)『ラッセル思想辞典』より* Sopurce: Political Ideals, 1917, chap.1.
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私たちは、二種類の「もの(goods)」とそれに対応する二種類の衝動とを区別できます。
すなわち、人間が私有(占有)することができる「もの」がありますし、また万人が等しく共有できる「もの」もあります。・・・。前者は一般的に物質的な「もの」にあてはまります。他方、精神的な「もの(事柄)」は後者にあてはまり、他人を押しのけて自分一人だけのものにするということはありません。もしある人がある知識を得ても、そのことで他の人々がその知識を得る邪魔になるようなことはありません。・・・。
この二種類の「もの」に対応して、二種類の衝動があります。即ち、共有しえない物を入手したり、保有したりしようとする「所有衝動」と、隠したりまたは私有する必要のないものをこの世の中にもたらしたいという「創造衝動」があります。・・・。
最良の生活とは、創造的衝動が最大限に発揮され、所有衝動が最小限に現れる生活です。
There are two kinds of impulses, corresponding to the two kinds of goods. There are possessive impulses, which aim at acquiring or retaining private goods that cannot be shared; these centre in the impluse of property. And there are creative or constructive impulses, which aim at bringing into the world or making available for use the kind of good in which there is no privacy and no possession. The best life is the one in which the creative impulses play the largest part and the possessive imuplses the smallest.