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ラッセル関係書籍の検索 ラッセルと20世紀の名文に学ぶ-英文味読の真相39 [佐藤ヒロシ]

バートランド・ラッセル「バーナード・ショー」n.5 (松下彰良・訳) - Bertrand Russell : George Bernard Shaw, 1953

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 ふたつ目の出来事は,年上の方のマサリク(注:Tomas Masaryk, 1850-1937:チェコの社会学者・政治家で、1918年~1935の間,チェコスロヴァキア共和国の初代大統領/因みにチェコは1918年~1992年までヨーロッパに存在したが,1992年にチェコとスロバキアに分裂した。)との出会いであった。マサリクは,公務のためにロンドンにおり(注:チェコ建国前のこと!),秘書を通して,公務が始まる前の午前10時に,彼に会いたい人が何人かいることを(それとなく)知らさせた。私は到着すると(会見希望の)その一人であり,他の会見希望者は、B.ショーとH. G. ウェルズとスウィンナートン(注:Frank Arthur Swinnerton, 1884-1982:作家 のことだと思われます。)だけであることがわかった。ショー以外の人は時間通りにきたが彼は遅れてやってきた。彼は「偉人」のところへまっすぐ進み、こう言った。「マサリク,チェコスロヴァキアの外交政策は全て間違っています」。彼はこの主題について約十分間説明し,マサリクの返答も待たずに去っていった。

ラッセルの言葉366
The second incident was an encounter with the elder Masaryk, who was in London officially, and intimated through his secretary that there were certain people whom he would like to see at 10:00 A.M. before his official duties began. I was one of them, and when I arrived I discovered that the only others were Shaw and Wells and Swinnerton. The rest of us arrived punctually, but Shaw was late. He marched straight up to the Great Man and said: "Masaryk, the foreign policy of Czechoslovakia is all wrong." He expounded this theme for about ten minutes, and left without waiting to hear Masaryk's reply.
(掲載日:2015.11.5/更新日:)