バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 法律を遵守する市民を警察の不当な迫害から保護すべきだとすれば,二つの警察権力と,二つのスコットランド・ヤード(注:ロンドン警視庁)が存在しなければならない。一つは現在のように犯罪を立証する意図をもった警察権力,いま一つは無罪を立証するための警察権力の二つである。・・・。このような方法によって,いや,このような方法によって以外,(私の見る限り),現在の圧政的な警察権力を和らげることはできないであろう。

If law-abiding citizens are to be protected against unjust persecution by the police, there must be two police forces and two Scotland Yards, one designed, as at present, to prove guilt, the other to prove innocence. ... By this means, but by no other (so far as I can see), the present oppressive power of the police could be mitigated.
 Source: Bertrand Russell : Power, a new social analysis, 1938
 More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER18_070.HTM

<寸言>
 1938年の発言ですが、ラッセルは極端なことを言っていると思う人がいそうです。しかし、戦前の特高や警察がいばっていた時代の日本人なら、ラッセルの意見に頷くはずです。(現在でも、不当逮捕(冤罪)であっても、貧乏であれば優秀な弁護士を雇うことができず、裁判で不利になります。米国などでは、有罪になるのはほぼ間違いないと思われた容疑者でも、大金持ちの場合は「無罪請負人」として著名な弁護士を雇って無罪を勝ち取ることができたりしています。)
 また、世の中の多数派に属している人達は警察に対し信頼をもっているでしょうが、少数派や弱者に属している場合は、ラッセルの言うことに共感する人がけっこういそうです。
 米国における黒人などは、警官によって不当に逮捕されたり、危害を加えられたり、銃殺されたりすることさえ、度々報道されています。Black Life Matters 運動によって最近では改善されてきているでしょうが、多くの有色人種(特に黒人)はラッセルの意見に共感すると思われます。
 いずれにせよ、なんでも多数派に属していれば危険性を格段に減らすことができます。マイノリティはいずれの時代においても、いずれの地域においても弱い立場にあります。状況によって態度や意見を変える人達(いわゆる浮動層)は「多数派になって安全を確保」する戦略を"本能的に"とっているのかも知れません。

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