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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0830_2023/04/15 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2407~2411  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2407,2409,2411
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2408, 2410
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2407 R英単語/英熟語  

★ allow for 【~を考慮に入れる、斟酌する、計算に入れる】

* allow for = take allowance


1.ラッセルの用例

It is necessary, at the same time, to learn to act upon the best 
hypothesis without dogmatically believing it. To revert to the picnic:
 even though you admit that it may rain, you start out if you think 
fine weather probable, but you allow for the opposite possibility by
 taking mackintoshes. .
[同時に、最良の仮説を独断的に信じることなく、その仮説に基づいて行動す
ることを学ぶ必要がある。ピクニックにたとえると、晴れるかもしれないと思
っても、よい天気になるかも知れない(可能性もある)と思えばあなたは出か
ける。しかし、その反対の(雨の)可能性も考慮して、防水マントを持参する
(のである)。]
 出典:Bertrand Russell: Unpopular Essays, chapter 2:Philosophy for
 Layman」
    https://russell-j.com/beginner/KAKUSIN_KAJO.HTM

For these reasons, while I adhered to my criticisms of the monistic
and pragmatist theories of truth, I had to find a new theory to allow
 for the rejection of the 'subject'. .
[これらの理由により私は、一元論的並びにプラグマティズムの真理論に対す
る私の批評に固執する一方、「主観」の拒絶を考慮にいれる(許容する)新た
な理論を見出さなければならなかった。]
 出典:ラッセル『私の哲学の発展』第15章「「真理」の定義」
     https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_15-090.HTM

It is right that any study of a philosopher should be prefaced by a 
statement of the author’s own views, so that the reader can allow for
 any unconscious bias. .
[一人の哲学者のいかなる研究も、(その哲学者を取り扱う)著者自身の見解
(観点)を前置きで述べるべきであり(まず述べるべきであり)、それによっ
て読者が著者の無意識の偏見を考慮できる(計算に入れる)ようにすることは、
適切なことである。]
 出典:アラン・ウッド「バートランド・ラッセルの哲学 I 概観と手引」
     https://russell-j.com/beginner/wood_br_summary-and-introduction_13.html


2.参考例

Have you allowed for any error in your caluculation?
[計算にいくらかの誤差を考慮に入れましたか?]
 出典:『解体英熟語 改訂第2版』p.122

We allowed for delays, and set off early.
[遅延を考慮して早めに出席した。]
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.60

The cost of the project will be £2 million which allows for inflation
 of 5%.
 出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

If you allow for certain problems or expense, you include some extra 
time or money in your planning so that you can deal with them if they
 occur.
 出典: Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learner's, new
 ed.


■ ラッセルの英語(2) n2411 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要」(1943年発表)」n.28

 ヨーロッパの多様な集団に人種理論を適用することは特に馬鹿げている。
(absurdity 不合理、馬鹿馬鹿しさ) ヨーロッパには純粋な人種といった
ようなものは存在していない。ロシア人はタタール人の血が混じっており
(admixture 混血;混合物)、 ドイツ人は大部分スラブ系であり、フランス
(フランス人)はケルト人、ドイツ人、および地中海の民族の人々の混血であ
り、イタリア人は以上のものにローマ人によって輸入された奴隷の子孫をくわ
えたものである。 イギリス人は(perhaps もしかすると)すべてのうちでも
っとも雑多なものかも知れない。純粋な人種に属することが有利 であるとい
う証拠は何もない。現存する最も純粋な人種はピグミー ホッテントット、及
びオーストラリアの原住民(アボリジニ)である。タスマニア人は、おそらく
もっと純粋であったが、絶滅してしまっている。彼らは輝かしい文化
(a brilliant culture)のにない手ではなかった。他方、 古代ギリシャ人は
、北方の蛮族と先住民との融合から生まれている。(即ち)最も高度の文明を
もったアテネ人とイオニア人は、最も混血した人々であった。人種上の純粋さ
が持つと想像されている長所はまったく空想的なものであると思われる。

 血についての迷信は、人種とはまったく関係がない多くの形態をとってあら
われる。殺人に反対するということは、もともとは犠牲者の血によって引き起
こされる儀式の汚れにもとづいていたものであると思われる。神はカインに向
かってこう言った。 「汝の弟の血の声、地より我に叫べり」。 一部の人類学
者によると、カインの印( the mark of Cain (訳注:彼に出会う者が誰も彼
を殺すことのないように、神がカインに与えた印))はアベルの血が彼(アベ
ルが殺されたこと)を妨ぐための偽装であった。これはまた、喪服を着る元々
の理由であると思われる。多くの古代の共同体においては、殺人と偶然の殺人
の間には全く区別がない。どちらの場合にも、儀式による清め(ablution 沐
浴)が必要であった。血は汚すものであるという感情(現在でも)いまだ居残
っている(消えていない)。たとえば、教会での産後感謝式(the Churching
 of Women)や、月経(menstruation.)と関連があるいろいろなタブー(禁
忌)などにそれが見られる。子供は父親の「血(を引いている)」という思想
も同様に迷信的な起源を持っている。実際の血に関する限り、母親の血が(母
体の中で)子供のなかへ入るのであって父親の血ではない。 もし血がそう思
われているように重要な意味をもつものであるとすれば、母系制度
(matriarchy)が家系(子孫)をたどる唯一の適切な方法であるだろう。


Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.28

There is a special absurdity in applying racial theories to the 
various populations of Europe. There is not in Europe any such thing 
as a pure race. Russians have an admixture of Tartar blood, Germans
 are largely Slavonic, France is a mixture of Celts, Germans, and 
people of Mediterranean race, Italy the same with the addition of the
 descendants of slaves imported by the Romans. The English are perhaps
 the most mixed of all. There is no evidence that there is any 
advantage in belonging to a pure race. The purest races now in 
existence are the Pygmies, the Hottentots, and the Australian 
aborigines; the Tasmanians, who were probably even purer, are extinct.
 They were not the bearers of a brilliant culture. The ancient Greeks,
 on the other hand, emerged from an amalgamation of northern 
barbarians and an indigenous population; the Athenians and Ionians, 
who were the most civilized, were also the most mixed. The supposed 
merits of racial purity are, it would seem, wholly imaginary.

Superstitions about blood have many forms that have nothing to do with
 race. The objection to homicide seems to have been, originally, based
 on the ritual pollution caused by the blood of the victim. God said 
to Cain: "The voice of thy brother's blood crieth unto me from the 
ground." According to some anthropologists, the mark of Cain was a 
disguise to prevent Abel's blood from finding him; this appears also
 to be the original reason for wearing mourning. In many ancient 
communities no difference was made between murder and accidental 
homicide; in either case equally ritual ablution was necessary. 
The feeling that blood defiles still lingers, for example in the 
Churching of Women and in taboos connected with menstruation. The idea
 that a child is of his father's "blood" has the same superstitious 
origin. So far as actual blood is concerned, the mother's enters into
 the child, but not the father's. If blood were as important as is
 supposed, matriarchy would be the only proper way of tracing descent.
 Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
    Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
   More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
      https://russell-j.com/cool/UE_07-280.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2351-2357j を投稿
 英 語 version : n.2351-2357e を投稿

 1つだけ再録します。 n.2355j ( Apr. 13, 2023)
         
 「人種に対するこだわり」

 ヨーロッパの多様な集団に人種理論を適用することは特に馬鹿げている。 
ヨーロッパには純粋な人種といったようなものは存在していない。・・・。純
粋な人種に属することが有利 であるという証拠は何もない。現存する最も純
粋な人種はピグミー ホッテントット、及びオーストラリアの原住民(アボリ
ジニ)である。・・・。一方、 古代ギリシャ人は、北方の蛮族と先住民との
混血から生まれている。(即ち)最も高度の文明を持ったアテネ人とイオニア
人は、最も混血した人々であった。人種上の純粋さが持つと想像されている長
所はまったく空想的なものであると思われる。

There is a special absurdity in applying racial theories to the 
various populations of Europe. There is not in Europe any such thing
 as a pure race. ... There is no evidence that there is any advantage
 in belonging to a pure race. The purest races now in existence are 
the Pygmies, the Hottentots, and the Australian aborigines;....
The ancient Greeks, on the other hand, emerged from an amalgamation of
 northern barbarians and an indigenous population; the Athenians and
 Ionians, who were the most civilized, were also the most mixed. 
The supposed merits of racial purity are, it would seem, wholly 
imaginary.
Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
  Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
      https://russell-j.com/cool/UE_07-280.HTM

<寸言>
 日本人も初期の頃は多くの人種の間で混血が行われ、海外からかってに入っ
てこれなくなってからは、新たな人種との混血はほとんどなくなりました。
 いろいろな人種と混血していない日本人を誇りに思っている人がそこそこい
ますが、最も純粋な人種はホッテントット、ピグミー及びアボリジニだと皮肉
を言われたら、どういった反論をするでしょうか?
 無規制で移民を受け入れれば混乱が生じるでしょうが、日本の人口がどんど
んへっていっている(若い人がどんどん減っている)ので、今のように厳しい
移民政策を続けていけばひどいことになりそうです。優秀な若い人材は、世界
中からどんどん受け入れて日本国籍も与えたほうがよいと思われますがどうで
しょうか?

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 大阪IR事業、政府が(即)認定 ー「夢洲」の夢は「悪夢」?
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 大阪(維新)のカジノを中核とした統合型リゾート(IR)の整備計画が
昨日、政府によって認定されました。統一地方選の前に決定すると「悪影響」
が出るかもしれないということで先延ばしになっていましたが、統一地方選
が自民党の大敗に終わらなかったので、安心して発表したということでしょ
うか?

 「カジノ」という言葉は英語ではなく、イタリア語の Casa(小さな家)に由
来する言葉であり、王侯貴族など上流階級の別荘の意味だそうです。つまり、
富裕層向けの施設というわけです。日本で開業が予定されているカジノは、日
本語の賭博場と大きく変わることはなく、貧乏人が借金して一発逆転を夢見て
(夢洲)にやってきても、入場禁止になることはありません。

 日本語で賭博と言えば犯罪行為になりますが、外国語でカジノと呼べば、外
国人富裕層誘致による「日本活性化」のための有望な事業となるとのことです。
カジノは安倍総理(当時)と菅官房長官(当時)が推進していたものであり、
岸田総理も安倍氏の「遺志」を実現すべく尽力したということでしょうか?

 カジノの建設予定地は大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)で、カジノの開業
は平成29年ということなので、6年も先のことです。南海トラフの巨大地震が
起これば、夢洲の施設は全滅するでしょうが、巨大地震はカジノができあがっ
た後に起こるでしょうか、それとも前でしょうか? 2年後の大阪万博の前に
巨大地震が起こっても不思議ではないとのことですが、巨大地震が起こって被
害がでれば引っ越しをすればよいと考える(またすでに離れたところに複数の
土地をもっている)富裕層にとってはあんまり心配なことではないのかも知れ
ません。これは貧乏人のひがみではないと思いますが、富裕層からみればその
ように見えそうです。                   (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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